Miya's 内視鏡室一の間
食道・胃・十二指腸の旅

 上部消化管内視鏡の世界は、胃カメラ、ファイバースコープの時代がながく続いて、「胃カメラ」という言葉が定着しました.

 18年前、Sivakさんが、全く新しいシステム「ビデオエンドスコープ(endoscope=内視鏡)」を発表しました.内視鏡の先端に、ビデオカメラやデジカメと同じCCDが装着されています.
 このシステムで、内視鏡は大きく変わりました.それまで、検査する医師しか観えなかったのが、みんなで観えるようになりました.患者さまにも、リアルタイムに直接モニターでご説明したり、ビデオプリントでご説明しています.どちらも、好評です.ビデオプリントは、「記念に大切にいたします」とおっしゃるかたも大勢いらっしゃいます.

 それでは、上部消化管内視鏡検査、食道に入るところから十二指腸まで、ご案内いたします.


咽頭 のどから食道へ入るところです.
 目の前に開いているのは気管の入り口です.こちらへは入らないように進みます.
 理屈はわかっていても、ついつい力のはいるところです.首・肩の力、そうしてからだ全体の力をできるだけぬいて、ご自分で暗示をかけるつもりで、リラックスして検査を受けましょう.
中部食道 食道のまん中あたりです.
 食道がトンネルのようにみえます.
 まっすぐ、進みます.
食道胃接合部 食道から胃に入るところです.
 手前のやや白っぽいのが食道の粘膜、奥の赤っぽいのが胃の粘膜です.境めが、縁どりされています.
 このまま進みます.
噴門 胃の中から胃の入り口を見上げた(反転)ところです.
 内視鏡が入り口から胃の中へ入っているのがわかります.
 内視鏡の先端は180度以上曲がります.
胃体部 胃のまん中あたりです.
 このあたりはひだが目立ちます.ひだをのばして詳しく観察しなければなりません.
 そのため、空気が多い目に入ります.
胃角 ここで内視鏡は右へ大きくカーブします.
 画面左上が噴門方向、右下が幽門方向です.
 ここは、よく潰瘍ができるところです.
胃前庭部 胃の出口(幽門)に近いところです.
 びらん=ただれがよくできる場所です.
 このまま、幽門へ進みます.
十二指腸球部 幽門を越えると、急に目の前が開けます.
 十二指腸に入りました.
 ここにも潰瘍がよくできます.
十二指腸下行脚 十二指腸球部のさらに奥です.
 画面の左上に十二指腸乳頭があります.胆汁・膵液の出口です.
 みなさまの旅も、ここが終着駅です.
 なお、実際の検査時は、観察の順番は前後します.
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