Miya's 内視鏡室三の間
色素内視鏡

 一の間二の間を、ごらんになっておわかりと思いますが、食道・胃・腸は、ところにより少しづつ景色はちがいます.
 しかし、全体としてはなだらかで赤色が基調です.大まかにいえば、なだらかでないところ、周りと赤さがちがうところ、そこをみつけるのが、内視鏡検査です.
 でっぱりを「隆起」、へっこみを「陥凹」、周りより赤いと「発赤」、周りより赤みがうすいと「褪色」といいます.

 ここでは、細かな変化を見るための、色素内視鏡をご紹介いたします.


小さな隆起性病変 横行結腸です.
 画面のほぼ中央に、少し赤っぽい?でっぱりがあります.検査中はともかく、この画像では、なかなかわかりません.よくよく見ると、細い血管が画面の中央で、途切れているようにも見えます.
 内視鏡で、インディゴカルミンという青い色素をまきました.まるで魔法?のように、小さな隆起が浮かびあがってきました.
 色素内視鏡、言葉で説明するのは難しいです.画像をみていただくのが一番です.インディゴカルミンは無害です.吸収されずに、大便といっしょに排泄されます.
陥凹有する隆起性病変 胃前庭部です.
 画面中央やや左に、頂上がへっこんでいるでっぱりがあります.これぐらいの大きさなら、この画像でもよくわかります.
 色素をまきました.先ほどの病変もはっきりしますが、画面中央左にも、小さな似たような病変があるのがよくわかります.
 しかし、色素をまけば、見えないものが見えてくるということは、決してありません.この小さな病変も、先ほどの画像にちゃんと写っています.
胃潰瘍 胃角部です.
 画面中央に、白っぽいへっこみがあります.これが胃潰瘍です.潰瘍のまわりが、正常の粘膜とちがいます.
 色素をまくと、潰瘍のまわりにひきつれと変形があるのがよくわかります.
 ある病変の周辺をよく観察する、色素内視鏡の得意な分野です.
陥凹性病変 胃前庭部です.
 画面左下に、白っぽいへっこみがあります.よく見ると、へっこみの中に赤みがポツポツとあります.
 色素をまいて、接近しました.内視鏡の軸がずれていますが、凹凸と赤みがよくわかります.
 色素内視鏡検査が有用な病変です.
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