
彼方への旅路
平成8年8月4日、俳優・渥美清さんは、天国に旅立って行った。
ごく親しい友人にも告げず、家族だけに見取られて、ひっそりと旅立って行った。
それは、映画の最後に、恋に破れた寅が妹のさくらに見送られて、1人柴又を後にする姿に似ている。
5年前からガンに蝕まれていた渥美さんは、近い将来”この日”がくることを覚悟していたのかも知れない
自分の体力と気力の限界まで病魔と戦い、最後の最後まで寅を演じ続けたのである。
渥美さんは、自分の私生活を語ることを極力嫌った。素顔の渥美清・旧田所康雄を一切見せることなく去っていった。それは、渥美清という役者のかたくなまでのこだわりだった。
渥美さんは自分の代わりに、車寅次郎を残した。田所康雄の命と引き換えに、車寅次郎に永遠の生命を吹き込んだのである。
寅さんの夢
第21作「寅次郎わが道をゆく」
なんと、とらやにUFOが出現する。寅さんが「かぐや姫」よろしく、「私、実は寅次郎さんじゃありません。第3惑星から来た身代わりです」と地球を去って行く。
第23作「翔んでる寅次郎」
白衣に身を包んだ科学者・車博士に扮し、「人類を便秘から永遠に解放する」薬を発明する。その原料が、イモの繊維とひまし油というから笑える。
このほか、海賊を退治する船長さんや、二丁拳銃のカウボーイ、鞍馬天狗、ネズミ小僧、カルメンのドン・ホセ等々、そのキャラクターをあげればキリがない。アウトサイダーで生きる寅さんも、夢の中ではタコ社長扮する悪漢や権力者を退治し、弱者を助けるヒーロー。その弱者の代表として、夢の中で寅さんに救われるのは必ずさくらや博である。
いかにも、”おいちゃん、おばちゃん、さくらが喜ぶような英雄になりたいと奮闘努力するが、その甲斐なく…”という寅さんらしい夢である。笑いの中にも、ホロリとさせるような切なさ、優しさがあり、それが見るものの心にしみるのた
生活者=車 寅次郎の視点で日本の政治を見てみよう!
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