戦略経営 コンサルタンツ

世の中には、いたるところにチャンスが転がっている。ただそれを、自分に与えられたチャンスとして受け入れるだけの直感力あるいは感性があるかどうかによって、人生の成功、失敗が決まってくる。
 経営を科学的に、そして逆転の発想で組み立て、あくまで攻撃的に市場戦争に参加する経営を「戦略経営」という。むろん、企業の活動理念が確立されていることが大前提である。



  失敗と無縁な人は誰もいない。しかし、人間は誰でも、失敗に対して思いのままに反応す る特権と術を持っている。どのような失敗にも、それに見合った利益の種が含まれているの である。        ナポレオン・ヒル


戦後経済システムの崩壊
 景気に薄日がさして来たと言われている。しかし、景気に頼って経営の回復を期待すべきではない。というのは、現在は既存の経済システムが崩壊し、新たな経済システムが構築される過渡期だからだ。
 具体的に説明すれば、まず大量生産型産業があきらかに限界に来ている。典型的なのが自動車産業で、バブル崩壊前にすでに限界が現れていた。80年の総資本経常利益率は9%、それが90年に6.6%に落ち込んでいる。なぜか?自動車産業に限らず家電も同様だが、大量生産型産業は、無理な多品種少量化により拡大を続けてきた。
 不況はこういう大量生産型産業の内部矛盾を顕在化させただけで、停滞の要因は大量生産型産業のシステムそのものにあるということを見失ってはならない。
 中小企業においては、日本的な下請けシステムが崩壊しつつある。ピラミッド型組織と長期経済取引が日本的下請システムの特徴だったが、いずれも崩れてきている。
                                  
 関西の家電メーカーがこう語る。「われわれはもう、親企業、下請企業という形は考えていない。我が社には事業部が30ほどあるが、競争力がなくなればその事業部の仕事も海外に移管し、国内の事業部は閉鎖する。協力企業に対しては単価の引き下げを要求しても無理でしょう。目下の最大の課題は、国内で生産するか海外で生産するかの選択です。海外で生産することになれば、当然、国内下請企業への発注はありません」と。

市場創造は可能か
 このように、システムが転換しつつあるから、景気が回復しても元どおりに中小企業に受注がもどるとは限らない。景気回復はかえって海外部品調達を増やすかも知れない。となると、中小企業が生き残るには市場創造しかない。中小企業に市場創造は可能か?可能である。現にこの不況下でも市場創造によって伸びている中小企業はある。
 愛知県のある自動車部品企業では、バブル崩壊後年々1億円ずつ売上を伸ばしている。落ち込みが激しい自動車産業でありながらなぜ伸びているのか?この企業は顧客ニーズをもとにした加工技術の開発が得意である。

消費者の”つぶやき”を聞き取る
 市場創造のポイントは、@新しいニーズをつかみとること Aオリジナルな経営資源を獲得することだ。
ニーズをつかみとるには、市場の”つぶやき”を聞き取ることがポイントとなる。市場創造につながる新ニーズは、顕在化しておらず事象の背後に潜在している。すべての人が賛成した商品開発は、必ず失敗すると言われる。それは、だれもが売れると思う商品は、既存ニーズの延長でしかなく、次につながる新規性がないからである。市場創造には、新規性のある潜在的なニーズを耳を傾けて聞き取らなければならない。そのためには、個々のユーザーに密着しなくてはならない。これがつぶやきを聞き取るという意味である。
 オリジナルな経営資源で重視すべきことは、長年の創意・工夫の積み重ねから培われた「経験技術」という資源であろう。中小企業の技術は確かに科学原理面で大企業よりレレベル は低い。しかし、経営にとって重要なのは、技術の専門度が高いかどうか、つまり他の企業が簡単に入手できるものかどうかである。その点、経験技術は専有度が高い技術である。
 市場ニーズの把握でもオリジナルな経営資源の蓄積についても、中小企業には大企業にない強みがある。景気動向に一喜一憂することなく、市場創造のための経営変革に邁進すべきである。

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