6月

 知らない間に梅雨入りしていました。とはいっても、雨の日は少ないように思いますが・・・
 気温も湿度も高く、ムシムシと過ごしにくい季節ですが、急に雨になって寒くなることもあります。気温の変化についていけずに、体調を崩している人もたくさんいるようです。調子の悪いときには、十分に休養をとって早く回復しましょう。

●6月といえばむし歯予防でしょう!

つぶやきQ&A

Q1 むし歯ってなぜできるの?
A1 「むし歯」はばい菌によって歯が溶かされていく病気です。
 口の中のミュータンス菌が食べかすの糖分を分解してグルカンと酸を作り出します。
  グルカンはねばねばした物質で、歯に細菌の巣となる歯垢(プラーク)をくっつける働きがあります。
  酸は歯の表面のエナメル質を溶かしてしまいます。
Q2 じゃあ、甘いものを食べなければいいのかな?
A2 必ずしもそういうわけではありません。ミュータンス菌は誰の口の中にもいるのですが、甘いものがなければ、グルカンと酸を作ることができません。みなさんの大好きな甘いもの、特に砂糖は糖分が多いので、完全に分解されずに歯にくっついてむし歯を作ります。
 ところが、同じ甘いものでも果物やハチミツ、ブドウ糖はミュータンス菌と出会ってもむし歯の原因になる物質 を作りません。
 おやつをやめてしまうのはちょっとかわいそうなので、例えば、チョコやアイス、ジュースといった間食をやめて、果物やサツマイモ、かぼちゃなど自然の甘みでかみごたえのあるものをおやつにしてはどうでしょうか?
Q3 でもチョコレートとか大好きだし・・・
A3 いくら甘いものが好きでも、@決まった時間に食事をする、A間食を少なくする、Bきちんとすみずみまで歯みがきをする、この3つを守っていれば簡単にはむし歯にならないのです。規則正しい食生活を考え、甘いものばかり食べ過ぎないこと。お菓子やジュースをしょっちゅう口に入れていると、口の中が酸性にかたよってしまい、食べかすや糖分が常に口の中に存在し、ミュータンス菌が活躍しやすい環境になるからです。食べたらみがく習慣をつけてリスクを減らしましょう。

●むし歯の予防にはまず正しい歯みがき

歯みがきの目的は

 歯の表面から歯垢を取り除くことと歯ぐきをマッサージすることです。みがいた後、歯の表面を自分の舌でなめてみて、ざらざらしていたらまだ歯垢が残っています。つるつるなら良くみがけています。ざらざらしたところをもう一度ブラシできれいにしましょう。
 特に、夜寝る前の歯みがきはていねいに。眠っている間は唾液の量が少なくなるので、むし歯の菌が活動しやすいからです。

歯ブラシの選び方

 歯ブラシは、自分でみがきやすい大きさのものを選びましょう。ブラシの部分が小さめで、にぎりやすい柄であること。歯ぐきを傷つけずに適当な力でみがけるようになるまでは、柔らかめのものを使った方がいいですね。歯ブラシはいつも清潔にして風通しの良いところに置き、毛が広がったり反り返ったりしたら買い換えましょう。

歯ブラシの持ち方

 縦に持ったり裏返しに持ったりして、毛先が歯の表面の汚れを落とせるよう、いろいろ持ち替えて使ってみてください。歯みがき剤はあまりたくさんつけない方がいいですね。下の前歯や犬歯の裏側は歯ブラシを縦に持ってみがくとやりやすいです。右手に持ったり左手で持ったり工夫してみてください。

みがき忘れの多いところ

 歯と歯の間の歯ぐきが三角になっているところ(表も裏も)、奥歯のまわりや下の前歯の裏側、上の奥歯の外側と後ろ、歯の生え際、歯ぐきと歯の境目のところ、そして結構忘れがちなのが前歯の生え際。みがき残しがちな部分にブラシの毛先を軽く当てて、ブラシをいろいろな方向に動かして歯垢をかき出すようにすると効果的です。

口の中をじっくり観察

 歯をみがく場所には明るいライトをつけ、良く映る鏡を置きましょう。歯や歯ぐきの色、つや、色の変わったところはないか、食べ残しが歯にはさまっていないか、鏡で観察してみましょう

年に数回、定期検診を

 家庭でむし歯をチェックするのにはやはり限界があります。年に何度か定期的に歯科医の先生に診てもらう日を決めておくといいですね。早めに気がつけば症状が軽いうちに短期間で治療できます。また、歯科医の先生や歯科衛生士さんからブラッシングの指導を受けることもできます。
 歯の健康は、全身の健康や発達にも影響したり一生の問題になったりすることもあります。今のうちから歯の健康や治療・予防の方法について考え、歯みがきの習慣をつけておきましょう。

●歯列矯正について

 歯の健康に関心の深い外国などでは、小・中学生のうちから矯正治療を受けています。
 歯が重なって生えていたり、かみ合わせが悪かったりすると、みがき残しができるためむし歯になりやすくなります。他にもかむ 能力が充分発揮できなくなる、あごの発達に悪い影響を与える、口もとの外見に影響してコンプレックスになる、顎関節症などの原因を作る、サ行・タ行・ナ行の発音がしにくくなる、といった問題が起こることもあります。不正咬合などを治療すれば、むし歯のリスクを最小限に減らすこともできます。
 まずは歯科医院に相談して矯正治療をいつから始めるか、どのような方法で行うかなど、充分に説明を受けて決定するといいでしょう。