走っていたら転んでしまい、ひざをすりむいてしまいました。
1 あなたならどう手当しますか。
すりむいたときは、まず水道の水で傷口についた土や砂を洗い流すこと。土や砂には細菌がたくさんついているので、まずそれをきれいに洗い流して、傷の中に細菌が入らないようにします。少し痛いけど、傷を早く治すためだと思ってがまんしてください。
傷口をきれいにしてから、消毒液をつけて、傷に入り込んでしまった細菌を増やさないようにしましょう。小さなすり傷の時には、これで手当は終わりです。
傷が大きいときには、傷口がかわくまできれいなガーゼでおおっておきます。
あとは、体にそなわった力が傷を治してくれます。
2 けがの治るようす
次の日くらいに、すりむいたところから黄色っぽい汁みたいなものが出てくるかもしれないけど、それはあなたたちの体が、傷口から入ってきた細菌を追い出そうと戦っているしるしです。黄色い汁は「うみ」といって、たたかい終わった白血球や細菌の死骸なのです。
何日かたったら、今度は傷口がかわいてかさぶたになってきます。かさぶたは新しい皮ができるまで、傷口を守ってくれるものです。自然にはがれてくるまで、めくらないようにしましょう。
カッターで指を切ってしまいました。
1 出血のしくみ
切り傷は血が出るのでびっくりするけど、大丈夫。ティッシュやハンカチで血の出たところをしっかりと押さえます。たいていの場合は、10分くらい押さえていると、血が固まって止まります。
血が出るのは、皮膚の下にある細い血管が破れるからですが、体には血が流れ出るのを防ぐ働きがちゃんと備わっているのです。まず、血液の中の血小板が集まってきて破れた血管をふさぎます。それから、血液の中にできた特別なたんぱく質が血を固めます。けがをしてすぐのときにはサラサラしていた血が、時間がたつとべっとりとした感じになってきます。それは血が固まって、もうすぐ止まるよという合図です。
けがをしたとき、傷を治すのは薬ではありません。私たちの体に備わっている「傷を治そうとする力」なのです。手当をするのは、その力を助けるためなのです。
けがをしてもあわてないで、「体の力」を上手に助ける手当をしましょう。