かぜの素朴な疑問
●”かぜ”という病名は ない!?
ひとくちに「かぜ」といっても、その症状はいろいろあります。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み…、時には吐き気がすることだってあります。じつは「かぜ」とは、ひとつの病気を指す正式な病名ではありません。異なった病原体が鼻やのどにとりついて起こるいろいろな症状を、ひとまとめにしてよんでいるのです。
つまり「かぜっぽいいくつかの症状(発熱、鼻やのどの炎症、頭痛や関節の痛み)」を「かぜ」とよんでいるのです。
●かぜをひくその理由
さて、病原体がとりついて起こる「かぜ」。そのほとんどはウィルスというとても小さな微生物が原因です。
この小さな生物は電子顕微鏡でしか見ることができないほど小さいものです。その仲間はかぜに関係するものだけで、200種類もいます。ウィルスが鼻やのど、気管など呼吸器の粘膜にとりついて増え始めると、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・のどの痛み・さき・たん、といった症状が引き起こされるのです。
かぜをひく原因で、ウィルスの流行や、寒さ、乾燥以上にカギとなるのが、今の自分自身の体力や体調、免疫力です。そして、その体力や体調・免疫力を作っているのが、毎日の生活習慣です。よく冬になるとかぜをひき始めますが、それはウィルスが元気になる他に、不規則な生活が原因かもしれません。夜ふかししたり、食生活がいい加減になっていませんか?
●たかがかぜと油断しない
かぜは、とりつくウィルスによって、あらわれ方が変わりますが、大きく分類すると、「普通感冒」と「インフルエンザ」の2つにわけられます。
普通一般にかぜとよんでいるものは、「普通感冒」のほうで、原因となるウィルスは鼻にとりつくライノウィルスやのどをはらすアデノウィルスなどです。
一方「インフルエンザ」の原因となるウィルスは、かぜの中でも、とても重い症状になるインフルエンザウィルスです。インフルエンザは普通感冒と違って、症状も急激で、高熱が出たり、全身の筋肉痛になったり、食欲がなくなったりします。ひどく悪化してしまうこともあり、お年寄りや小さい子どもがかかると、命に関わってくる場合もあります。
かぜは万病のもとです。一番身近で、気をつけなくては行けない病気なのです。
●インフルエンザの予防接種
インフルエンザの予防接種を受けることで、インフルエンザにかかりにくくしたり、かかっても軽い症状ですむという効果があります。お年寄りや乳幼児、それから受験生は受けておいた方がいいかもしれませんね。
ただし、極めてまれですが副反応が起こることがあったり、ウィルスの型によっては効果がないこともありますので、接種を希望する際は、お医者さんと十分に相談しましょう。
11月から接種が始まっています。病院によって1回接種と2回接種の所があります。病院で相談してください。