平成2年度

     4月    12月    2月    3月
  
   修学旅行    受験     ダイエット      


<4月>

 ピカピカの1年生をむかえて、新学期が始まりました。今年度も、健康に注意して、楽しい学校生活を送れるようがんばりましょう。

*身体計測があります

 ・眼鏡を使っている人は必ず持って来てください。

 ・服装は夏の体操服です。忘れないように!

 ・靴下は教室で脱いでいきましょう。

 ・着替えた服は、きちんとたたんでロッカーの中に入れておきましょう。

 ・次の順番でまわって下さい。身長、体重、座高→視力→色覚→聴力→胸囲

   ただし、すいているところがあればそこからまわって下さい。

 ・私語をつつしみきびきびとした行動をとりましょう。

*出席停止について

 医師より下記のような診断を受けた場合は、出席停止という措置がとられますので、早急に学校へ連絡してください。

 (証明書を提出すれば欠席にはなりません。)また、出席停止がとけて登校する時は、医師の証明書が必要です。

    麻疹(はしか)・風疹(三日ばしか)・流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)・水痘(みずぼうそう)

    頭結膜熱(プール熱)・ウィルス性肝炎・急性灰白髄炎(ポリオ)・百日咳・インフルエンザ

*保健室の利用の仕方について

1 保健室では、静かに行動する。特に、ベッドで休んでいる人のいるときには、気をつけましょう。保健室は遊び場ではありません。用事のない人は来室しないようにしましょう。
2 保健室を利用する場合は、授業中・休み時間をとわず、学級担任・教科担任の先生に連絡して下さい。
3 保健室は“応急処置”を行うところであり、病院でも薬局でもありません。したがって、次のことを原則とします。
 @ 保健室の器具や薬品を勝手に使わない。先生の許可を得ること!内服薬は与えません。
 A 一日中ベッドで休養させることはありません。
  1〜2時間休養した後、授業を続けて受けるのか早退するのかを決めます。
 B 保健室を利用した後は、必ず保健室利用簿に記入して下さい。
 C 小さなけがでも本人が来ること。
4 養教がいないときは、職員室の先生の指示を受ける。
5 身体のこと友人関係のことなど、何でも気軽に相談して下さい。一人でくよくよ悩むより、誰かに話した方が楽になる ものです。解決に向けて一緒に考えていきましょう。
6 「失礼します。」「ありがとうございました。」のあいさつが言えるといいですね.....

*日本体育・学校健康センター

 学校内・登下校の際にけがをして病院にかかった場合、総額3,000円以上(自己負担900円以上)のものに対しては、医療費の請求ができます。なお、本校では全員、毎年の継続加入となっていますので、掛金一人300円を5月の学級費と一緒に集めます。
◎手続き上の注意
1 学校内や登校下校中にけがをした場合は、学級担任の先生に申し出てください。
2 日本体育・学校健康センターにかかる場合には、むやみに病院を変えないでください。
3 2カ月ぐらいしたら、給付金と領収書を渡しますので、領収書に印鑑を押して、学級担任の先生に必ず返して下さい。
 


*朝の健康観察きちんとしましょう。

 自分の健康は自分で管理しましょう。おかしいなと思ったら、朝の健康観察の時にきちんといいましょう。 

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<12月>

 いろいろな行事のあった2学期(まだまだ学園祭や、県駅伝もありますが・・・)も、あと1カ月になってしまいました。すっかり寒くなって、いよいよ本格的な冬の到来です。かぜをひいて寝込むことのないように、十分健康管理には気を付けましょう。


*かぜのはなし

かぜとインフルエンザは違う?
 かぜの原因となるのは、細菌です。かぜの場合は一度に多くの人にうつったり、急に大流行するということはありません。病気の進み方も、少しずつ悪くなってくしゃみが出たり、のどが痛くなったり、ゆっくり進みます。熱もそれほど上がらずに、体の節々が痛いなどということもあまりありません。 
しかし、インフルエンザの場合は、まるで台風がおそってくるかのように、激しくて突然のできごとです。あっというまに多くの人に流行し、症状も急に現れてきます。がたがたとふるえるぐらい寒気がひどく38℃以上の高熱が出て、体の節々が痛みます。そして、この激しい台風の原因こそがウィルスなんです。

体の中では何が起こっているか?
 インフルエンザの原因となるウィルスは、熱は苦手です。体の中の白血球が熱を出しながら、ウィルスの力をどんどん弱めていきます。また、熱だけでなく鼻水、せきやくしゃみがでます。これらは、白血球がウィルスがたたかって死んでしまったものを外へ出すためのものです。体の中は、ウィルスを倒すために実にうまい具合いにできているのです。

 なぜ、うがいや手洗いが大切なの?
<うがい>
ウィルスは、普通のどのまわりにいます。体力が弱って抵抗力がなくなった時にあばれようとして機会をねらっているのです。ガラガラうがいによって、ウィルスを洗い流してやればチャンスもなくなってしまうのです。
<手洗い>
人のくしゃみやせきで体外に出たウィルスはいろいろな所へ飛び散ります。そこから手目、鼻、口を通じて体の中へ入ります。手を洗うことによって、手についたウィルスを洗い流すのです。かかってしまってからでは治すのがたいへんです。しっかり予防をして、かからないようにしたいものです。うがい、手洗いをきちんとしましょう。また、ふだんから栄養、睡眠を十分にとるように心がけましょう。

*ふとんについて

 人間の皮膚から発散する水分は、一晩に250gにもなります。つまり、敷ぶとんは、一晩で牛乳びん1本以上もの水分を吸収することになります。だから、1ケ月も干さずにいると、綿と綿の間の空気がなくなって、せんべいぶとんになってしまいます。
 気温の低い時は、ふとんの中の水蒸気が水滴になり、湿り気は、いっそうひどくなってしまいます。ふとん干しができないと、紫外線による殺菌ができないので、病気になりやすいのです。お天気のよい日には、ふとんに直接日光を当てて、乾燥と殺菌を同時にしましょう。インフルエンザウィルスは、冬の直射日光でも20分で死滅し、百日ぜき菌は3時間で死滅します。
 まくらにも直射日光を当てて殺菌をしましょう。

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<2月>

 2月4日は「立春」、暦の上では春になりますが、実際には一年で一番寒い時期です。一人ひとりが自分の健康管理を充分にして、かぜなどひくことのないように気をつけてほしいものです。 

*かぜに注意

 最近、かぜによる欠席者が増えています。特に、月曜日の欠席や早退が多いようです。また、学校に来ていても、頭痛・のどの痛み・寒気・気分不良など様々なかぜの症状を訴えて保健室へ来る生徒も多くなってきました。中には、無理をして登校している生徒もいるようです。
 日頃からうがい・手洗い・換気を十分に行って、かぜの予防に心がけましょう。
 もし不幸にもかぜをひいていしまったら、安静・保温・栄養に気をつけて、無理をしないで早めに治しましょう。また、症状の重い場合には、できるだけ早く医師の治療を受けるようにしましょう。

 病院でインフルエンザと診断された場合には、出席停止となって欠席扱いにはなりません。証明書を学校まで提出して下さい。証明書の用紙は学校にあります。(病院の用紙でもかまいません。)

 

*インフルエンザ流行の気配

 インフルエンザの流行のため、県内でも有症者が多い学校が学年閉鎖となりました。本校でも、1年1組のかぜの生徒が大変多いために、3月5日・6日に、学級閉鎖をすることになりました。1年1組以外の生徒でも、かぜの症状を訴えているものが大変増えてきていますので健康管理には十分注意して下さい。今回の症状は高熱、倦怠感(体がだるい)、関節痛などです。
 
特に3年生は、受験前の大切な時期ですので、無理をしないようにしましょう。
 
 ★次のことに気をつけてください。

1 学校では換気を行う。
2 食事の前、外から帰った時にはうがい・手洗いをする。
3 規則正しい生活をする。
4 人のたくさん集まる場所へは行かない。
5 調子の悪い時は早めに医師の手当てを受ける。熱があるのに、無理をして登校しない。

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<3月>

*1年間をしめくくり、健康生活の反省をし よう!

 いろいろなことがあった1年が終わります。1・2年生は進級、3年生は進学・就職と新たなスタートへとそれぞれ進んでいきますが、この1年間は元気に過ごせたでしょうか?

 「健康に勝る宝はない。」といわれるように、健康は全ての活動の基盤となります。これからの長い人生を健康で送れるかどうかは、今の心がけしだいです。健康のために良いことは、身につける努力をしていきましょう。

 

*食事を大切に

 きちんと食事を食べていますか?皆さんの今の時期は、脳や骨、血液、内臓を作る大切な時期であり、いろいろな栄養素を必要としています。1日3回の食事をきちんととるよう心がけて下さい。

1 朝食ぬきはイライラの原因に? 
「夕食はきちんと食べるが、朝食は食べない。」という人をよく耳にします。朝食をぬくと、少なくとも前夜からみて15〜18時間の絶食状態となるので、血液中の血糖値下がり、脳神経の働きがにぶくなって、イライラの原因にもなります。また、栄養が体内に入る時間にムラが出てくるために、身体のリズムがくるい、頭痛や腹痛の原因にもなります。
1日の活動のための朝食です。しっかり食べましょう.

2 食は人を良くするもの
 「食べる」という字を、上と下に分けると、「人」という字と「良」という字になります。食べることは、体を良くするのではなく、人を良くするもののようです。ただ単に、栄養のみを考えたものならば、それは卵をたくさん生ませるための、牛乳をたくさん出させるための、にわとりや牛など家畜のえさにすぎません。人間であるということは、いかに食べるかが問題となってくるのです。食卓は「家庭の最後のとりで」と言われています。親子のコミュニケーションをはかる最もいい場所が「食」なのです。最近は親子共に仕事や塾で忙しく、家族そろって食事のできない家庭が多いようですが、これは危険信号です。1日に少なくとも1回はそろって食事を楽しみたいものですね。

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<修学旅行>

  〜修学旅行を健康に楽しく過ごすために〜
 心待ちにしていた修学旅行が近づいてきました。旅行を楽しくするために一番大切なことは、5日間を元気に健康に過ごすことです。そのためには、旅行に行く前からの健康管理が大切です。楽しい思い出が作れるように、一人ひとりが心がけておきましょう。

1 旅行までの注意

@ 出発前に体調をくずすと、旅行中に病院へ行かなければならなくなったり、みんなが楽しんでいる間、一人で旅館で寝ていなければならなくなったりします。
  かぜなどひかないように、また今ひいている人は早く治すように心がけて下さい。病気やけがは早めに治療しておきましょう。
A 旅行中は便秘になりやすいので、旅行の前から排便の時間を整えておきましょう。
B 11月の京都方面は、昼間と朝夕の気温の差が大きいようです。長袖を用意しておくなど、気温の変化に応じて、衣服の調節ができるようにしておきましょう。
C 長い距離を歩くこともあります。新しい靴をはいて行くと‘くつずれ’ができる恐れがあるので、はきなれた靴をはいて行きましょう。
D 続けて薬を飲んでいる人は、忘れないように持って行きましょう。
  必要でもないのに薬を飲むと、逆に胃腸をこわしたり、気分が悪くなったりします。薬を飲むのは、本当に調子の悪い時だけにしましょう。(友達同士での、のみ薬の貸し借りは絶対にしないように。)
  酔い止め薬は学校では用意しません。必要な人は自分で準備して下さい。
 ◎ 体調を十分整えておき、楽しい修学旅行にしましょう。

2 旅行中注意すること・・・快眠・快食・快便

@ 睡眠
 就寝・起床の時間を守り、夜はぐっすり寝ること。
 他人に迷惑をかけないこと。(体調が悪くて、早く寝たい人もいるはずです。)
A 食事
 出されたものは、できるだけ残さないように食べよう。
 食べる時はよくかんで、暴飲暴食はつつしもう。
B 排便
 朝食後トイレに行こう。
 便秘の予防(旅行中は便秘になる人が多いようです。しっかり食べて予防しましょう。)
  ・野菜・果物・水分を多くとる。
  ・起床時に、コップ1杯の水を飲む。
  ・下腹部を「の」の字にマッサージする。
C 入浴
 入浴順は指示に従い、短時間で要領よく入る。
 タオルは湯ぶねにつけない。
 体調の悪いものは、入らない。
 入浴後、湯ざめしないように気を付ける。

3 乗り物酔いする人へのアドバイス

@ 酔い止め薬は、30分前に飲んでおく。
A 窓を開けて、風通しをよくする。
B 景色を見る時は、遠くを見る。
C 酔いそうになったら、ベルトなど衣服をゆるめ、椅子を傾けて、楽な姿勢をとる。
D 何よりも大切なのは、「絶対に酔わない。」と自信を持つことです。(楽しいときには酔わないものです。ちなみに、昨年 の修学旅行では一人も酔った人はいませんでした。)

 ◎ 乗り物酔いの3大原因

   1 睡眠不足  2 食べ過ぎ  3 お腹のへりすぎ

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<受験>

 いよいよ受験シーズンも大詰めです。受験というのは人生にいくつかある“ガンバリどき”のひとつ。結果にかかわらず、この過程での努力は、今後みなさんが成長していく上でも大きな自信となることでしょう。
 さて、大切なこの時期、ベストの状態でのぞむために、健康管理にも十分気を配ってほしいものですね。

1 睡眠時間は十分とろう!

《最低でも6時間は寝る。》

 睡眠を十分にとることは、疲労回復のもとです。頭もからだもスッキリする一番効果的な睡眠は、夜10時に寝て、8時間眠って、朝6時に起きる形です。同じ8時間眠っても、12時より前に寝るのと、12時より後で寝るのとでは、睡眠時間は同じでも睡眠の量が違ってくるのです。睡眠不足が招くのは、記憶力の低下です。睡眠時間をおしむより、起きている時間を有意義に使いましょう。

《夜型から朝型へ》

 目覚めた後の頭は、起床後2時間で働きはじめ5〜6時間までがピークになります。したがって、夜型の人は、午前中は頭が働きにくく、ボンヤリしているということになってしまいます。自律神経のリズムは、すぐに新しいリズムに順応できません。ずっと夜型の生活できた人は、受験日の2週間前には、午前中に頭がフル回転する朝型にきりかえましょう。

2 「食」と能率の関係

《腹八分目》

 食事を一度にたくさん食べると、交感神経(精神面の神経)の働きは弱くなり、精神力を必要とする勉強にはむきません。食事の量は、腹八分目がベストです。

 また、栄養はバランスよくとりましょう。大脳の働きの源となる良質のタンパク質、からだの調子を整えるビタミン類、特に神経の疲労回復に役立つビタミンB群、不安やあせりなどのストレス解消になるビタミンCを十分にとりましょう。

《朝食をしっかり》

 朝ごはんをぬくと、血液中の糖の量が少なくなり、脳神経の働きがにぶくなって、思考力や集中力が低下し、イライラの原因にもなります。夜食は少なめにし、早起きして、朝ごはんをしっかり食ましょう。

《夜食について》

 夜勉強をする時に、夜食をとった方がよいと考えている人もいますが、特に空腹を感じなければ、食べる必要はありません。でも、「どうしても食べたい。」という人は、次のようなことに気をつけて食べるとよいでしょう。

 (1) 寝る2時間以上前にとるようにする。

 (2) ホットミルクやプリン・くだものなど、タンパク質やビタミンを含んだ消化のよいものを。

 (3) コーヒーや紅茶は胃を刺激するので、1〜2杯にとどめ、なるべくミルクをたっぷり入れる。

3 適度に休憩を

 およそ2時間頭を使うと、能率は70〜80%下がるといわれています。あくびをかみころして机に向かっても効果は上がりません。いさぎよく机を離れて、軽い体操をしたり散歩をしたりして気分をかえて、疲労の回復をはかりましょう。

4 部屋の暖めすぎに注意
 能率のあがる冬の室温は18〜20℃です。部屋の温度が上がりすぎると、眠くなってしまいます。「頭寒足熱」にこころがけましょう。また、ストーブなどの暖房器具を使っている場合には、換気にも気をつけましょう。

5 体調を整えよう!

 からだの不調は学習能率に大きなマイナスです。「かぜ」の予防に努めるとともに、むし歯やその他の病気は、早めに治しておきましょう。 


◎どうぞ最大限の実力を発揮して下さいね

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<攻めのダイエット>

   運動と食べ方で心身を引き締める    

筑波大学体育科学系  鈴木正成

 美空ひばりと高峰三枝子の二代スターは、玄米ごはんのおむすびを1日に2個しか食べないような異常な減食・減量法で命を短くしたらしいという話題が日本中をかけ巡り、ダイエットに対する関心が高まっています。ダイエットは現代の風俗現象を最も代表している言葉ですが、太っているとは何か、が正しく理解されていないために、ダイエットの世界は誤解とインチキと無茶とで混乱しています。

1“デブさん”とは何か?

 身長に対して体重が○キログラム以上あると、デブだと判定する“デブの基準表”なるものが厚生省から出されているため、多くの人はその表とニラメッコしながら、“あと1キロ体重を減らさなければ”とか、“自分はこのままで良いのだ”などと考えて自己体重をコントロールしています。
 しかし、このようなデブの判断の仕方や考え方は基本的に誤りです。あなたが太っているかどうかは、体重に占める体脂肪の比率が25パーセント(男)ないし30パーセント(女)程度以上あるかどうか、体脂肪率で判定されるものです。たとえば大相撲界の霧島関は身長と体重から判断するなら立派なデブさんでしょうが、誰も彼がデブさんだとは考えません。それは体重の中味すなわち筋肉の量が断然多い体組成でできているからです。体重でなく体組成の問題が肥満なのです。

2筋肉を増やすからだづくり運動で、体脂肪を減らす

 デブさんとは体組成において、負担にしかならない無用の体脂肪の量に対して、生活やスポーツに必要な筋肉の量が少なすぎる状態にある人をいうので有ることがわかれば、ダイエットとはからだをどのように改善することなのかが自然に決まります。
 そうです。体重を減らして軽くなることではなく、筋肉の量を増やし体脂肪量を減らすことがダイエットの目標であることがわかります。多くの人が減量することをダイエットだと考えていますが、それは大変な誤解であるうえ、食事を減らす減食で減量しては食事制限に耐え切れずに食べてしまって体重を戻してしまうことを繰り返すという、ヨーヨーダイエットをして、体組成をますます体脂肪が多く筋肉が少ない“もっとデブ”にしてしまいます。これは、減食で減量すると、体脂肪のほかに筋肉も減ってしまううえに、再び自由食して元の体重に戻ることになるため、減食ダイエットでヨーヨーのように減食・増量を繰り返すと、筋肉は少なくなりながら体脂肪はどんどん増えてしまうからです。ダイエットの本筋は、筋肉の量を増やす努力をするところにあります。すなわち、体重を減量するのではなく、筋肉を増やして逆に体重を増やしてやる努力をすることをダイエットというのです。筋肉を増やすにはどうするか。それは言うまでもなく筋肉に刺激を与える運動をすることであり、鉄アレイやダンベルなどを手に持って行なうからだづくり運動をすることです。毎日、5〜10分 間の短時間で良いので、必死にからだづくり運動をすると、自然にウエスト、上腕、大腿などが引き締まっていきます。
 体重が減らないのに体脂肪が減ってウエストなどが引き締まるのはなぜでしょう。それは、筋肉が増える結果、からだの基礎代謝が高まり、体熱産生力の大きいからだができあがってくるため、夜に寝ているときも、坐っているときも、机に向かって仕事をしているときも、スポーツをしているときも、エネルギーの消費の大きいからだになるからです。
 ちょうど、自動車の場合のエンジンの大きさが違うと、アイドリング中も走行中も、ガソリン消費量がエンジンの多い車で多いのと同じで、筋肉を増やすことは2000tのエンジンを3000tのエンジンに替えるのと同じ効果をもっているのです。

3 脂肪を燃やすスタミナづくり運動で、効率よく体脂肪を減らす

 筋肉が増えてエネルギー消費量の大きいからだができあがると、睡眠中も活動中もエネルギー源の分解がよくなりますが、そのように改良されたからだでジョギングや水泳、サイクリングのような持久性のスタミナづくり運動を実行すると体脂肪は大変効率よく分解されるので、体組成の改善は一層効果的に進みます。
スタミナづくり運動は、体脂肪の分解に必要なからだの条件をすべて整えてくれます。すなわち、脂肪のエネルギー代謝には酸素が必要ですが、スタミナづくり運動は心肺機能を高め、筋肉の毛細血管を発達させて、酸素の摂取と供給の体制を整え、筋肉にミオグロビンを増やして酸素の貯蔵能を高め、筋肉にミトコンドリアを増やして酸素を使って脂肪を分解してエネルギーを生産する、という酸素の利用能力を高める効果があるのです。
 

4 夕食で脂肪と甘いデザートをカットする

 筋肉を増やしたあと、体脂肪分解を促す努力に進んだら、食べ方を合理化して体脂肪の不必要な蓄積を起さないように配慮することが大切です。そのポイントは夕食の食べ方にあり、脂肪と砂糖を夕食やそのあとのデザートで食べないようにするところにあります。
 脂肪を摂ると血中に脂肪となって現れますが、その一部が脂肪組織にとり込まれて体脂肪となって蓄積され、太る原因となります。砂糖を摂ってインシュリンが出てくると、脂肪組織による血中脂肪のとり込みが著しく活発化します。したがって、脂肪と砂糖を同じタイミングで摂れば体脂肪は効率よく蓄積されてしまうのです
 このことに関連して、睡眠を控えて摂る脂肪は、脂肪がエネルギーになり難いという性格によって、“太り源”となりがちであること、また、砂糖を摂ったあとにからだを休息状態におくと、インシュリン分泌が一層活発化するなどの理由で、夕食どきや夕食後のようなタイミングで脂肪と砂糖を摂ることは、太ることにつながりやすいのです。
 夕食では、睡眠中に進行するからだづくりの材料となるたん白質やカルシウムをしっかり摂ることが大切です。脂肪の少ない肉や魚のようなたん白質食品をフライやソテーをせずに、あっさりと調理したグルメ食で食べるのが理想的な夕食の食べ方です。
 脂肪は朝食のように、一日の活動を控えて摂れば本来のスタミナ源として活用・分解されていくので、朝に摂るのがベストタイミングだといえます。朝食では、脂肪よりも速くエネルギーに分解して朝一番の元気の源となってくれるごはんやパンのでんぷんを摂ることも大切であり、また、食後の体温上昇力が高い卵やチーズでたん白質を摂って体のウオームアップを図ることも必要なので、朝食はしっかり食であることが重要です。
 昼食では、夕食までに完全分解してくれるもので、午後のスタミナを支えてくれるごはんやパン、麺類のようなつなぎ食を食べるのが、ダイエット向きです。“しっかり、つないで、グルメする”ような朝食・昼食・夕食の食べ方リズムがおすすめです。こんな食べ方のもとで、夕食の前にジョギングや水泳のようなスタミナづくり運動を行ない、早一番にダンベルを使ってからだづくり運動をするような“正統派ダイエット”をすれば、間違いなく心身の引き締めに成功するでしょう。もし、厳しく食事も制限するダイエットを実施しても、からだづくり運動やスタミナづくり運動を併行させれば、体脂肪だけが減って筋肉はそのまま維持できます。ダイエットには運動が不可欠なのです。 

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