鍼灸とは?

 鍼灸は漢方と共に古代中国を起源とする伝統医術の一つである。

 鍼と灸は、各々前者は金属性の細い“はり”を用い、後者は艾葉(よもぎの葉)を乾燥させた“もぐさ”を用いるという違いはあるものの、いずれも人体の体表上の部位(経穴)を刺激し、生体の反応を引き起こすことによって疾病治療の目的を達するという点においては同様であり、臨床上は常に併用される。鍼は一種の機械刺激であり、灸は一種の温熱刺激であって、これらの刺激による治療効果は「経絡」を通じて成される。

 経絡は内は臓腑に連なり、外は躯幹四肢にまで達して、気血営衛の通路となっている。そして、人体の内外を緊密に連係させ、一個の整体として統一している。健康が維持されるのは、すべて、この経絡の灌漑流注の働きによって、気血が運行し、四肢百骸が栄養されるためである。

 経穴は経絡上に分布し、気血が聚集する部位である。病症の発現は経絡不和の象徴であり、気血や臓腑の異常は経穴に反応を表わす。

 鍼灸治療は経穴を通じて経絡を疎通させ、正常な機能を回復させる。また、陰陽虚実を調整し、自然治癒力を高める。鍼灸の刺激による経絡の伝導が、気血に作用し、臓腑の機能に働きかけて、疾病を治癒に導くのである。

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