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磯自慢(静岡)

バブル時代、地方でもリゾート計画が持ち上がった。
プランナーとして当初の計画に関わったことから、地方の大手会社に乞われて入社した。
税理士さんたちとともに、クリニックと称する視察に出掛けた。東海地方を中心とする楽器会社のリゾート施設、魚を販売する第三セクターの施設などを廻った。
泊まりは、静岡市となった。夜になると、日頃はケチな社長が料亭につれてくれたのである。トロを大皿に盛ったものや、マグロの兜焼きなどが並んだ。そこで「磯自慢」と出逢ったのだ。海苔の佃煮のような妙な名前に、可笑し味を感じ、おそるおそる杯を口にした。すると、印象は一変した。旨味が先にたち、どっしりしているのに爽やか。流行に左右されない酒がそこにあるのだ。

そののち、バブルがはじけ、リゾート計画は頓挫した。商社が描いたプランは、大きな投資額であり、いくら大手企業が協力するとはいえ、地方企業では無理があったのだ。また、時の流れに勝てず、資金繰りがうまく行かなくなったというのが真の理由でもある。
本物であることはとても難しい。時代なんてすぐに変わね。その中で何をするか、どう振る舞うかが大切なのだと実感した。
僕は、職を無くした。

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