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お客生態学◆サラリーマン篇

 5時から6時、早い時間の焼鳥屋には、ネクタイ姿の人たちが集まっている。サラリーマンが会社帰りに一杯ということで、賑わうのです。

 この人たち、アルコールが回ってくると、会社の悪口大会をはじめます。その場にいない人物評、会社のシステムの何が悪いか、上司がいかに無能か、会社のことを考え真剣に憂いている自分のこと、エトセトラ、エトセトラ。

 この悪口に、今治鉄板焼鳥の「皮」タイプは向きません。串に刺した焼鳥が似合います。串に刺したものを「エイ!」とばかりに引き抜き、歯に肉をはさんで引き抜くエネルギーが、悪口に拍車をかけるようです。悪口に、つい力を入れてしまうんですね。

 とすれば、今治の焼鳥屋にいるサラリーマンたちは、悪口の数が少ないのでしょうか。「皮」のお陰で、平和なアルコールライフを送っている、ということでしょうか。

 焼鳥屋での悪口は、自分がどんなに有能で、何でも出来るのに邪魔をする人がいるため、自分の能力を活かせないという話で終わるんです、結局は。

 お酒の力を借りないと悪口がいえないなんて、少し淋しい気がします。悪口に向けるパワーを、仕事で発散したらいいのにと思います。

 6時頃の焼鳥屋は、男たちの哀愁や悲愁で満ち満ちています。煙が目に沁みるのも、そのせいかもしれません。

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