「イタリア紀行」  「やきとり天国」  「松山のいちばん」  「掲示板」

お客生態学◆男と女篇

 焼鳥屋で出会いを求めてなんて、ないだろうと思ったら、これが結構あるようなんですね。シングルバーや一昔前のカフェバーじゃあるまいし、と思うのですが。

 カウンターの男性が大将に呟きます。「向こうの彼女に梅チューハイと皮を差し上げてくれ。カリッと焼いて欲しい」大将は「はい」とうなづいて女性の前に注文の品を出す。女性は男性の方を向いて、微笑みを返す。「ありがとうございました。この皮、とても美味しい。いつもこの店に来てるの」なんて出会いではありません。

 カウンターの男性が大将に呟きます。
「向こうの彼女に梅チューハイと皮を差し上げてくれ。カリッと焼いて欲しい」
「はい」
 大将はうなづいて、女性の前に注文の品を出します。
 女性は男性の方を向いて、微笑みを返します。
「ありがとうございました。この皮、とても美味しい。いつもこの店に来てるの」
 なんて出会いではありません。

 今治は、バツイチが多い町です。離婚した男性や女性の話を、大将が聞いてあげます。
「だれかいい人いない?」
 なんて、お客さんの方も気軽に頼むんです。
 大将の方もカウンター越しにその人柄を見てるから、この人にはあの人が似合うかな、なんて考えている。
「いい人がいたらもう一度やり直したい。年取ってから寂しいでしょ」
  30代後半といった女性が、焼鳥屋の大将に冗談ぽくいっている場所にいたことがあります。
「いい人おるよ」
 と焼鳥屋の大将も、当然のように応えます。
 焼鳥屋さんの紹介で、結婚にゴールインした人も知っています。

 焼鳥屋さんの紹介だけに、おしどり夫婦になるんでしょうね。毎日、軍鶏みたいに喧嘩してちゃ駄目だけど。

土井中・玉手箱に戻る

「モンドえひめ」に戻る