むじん三都物語

 今治以外に「無尽(むじん)」が盛んなところは、山梨県甲府市、福島県会津若松市だそうです。これらの地域では、大人の男性の大半が「無尽講」「積立無尽」「ゴルフ無尽」「旅行無尽」に参加し、情報交換の場としているそうです。

 無尽は、かつては盛んだったのですが、こうしたシステムが今も残っている地域が少なくなっているのは、寂しい限りです。これらの地域に共通するものを探ってみましょう。

一、商人発祥、商都であること
 甲府は、熊王徳平の小説「狐と狸」で知られる商売上手な甲州商人。今治は、椀舟行商を行い、クレジットの基礎を築いた伊予商人発祥の地。会津若松も養蚕、生糸が盛んで、商売が得意という進取の気風を持つ地。
 また、どの地域も著名な経済人を輩出しています。こうした商人達の基礎となるものはお金であり、いざという時のために、無尽が残っているのではないかと思います。

二、有名な武将が地を治め、江戸時代は天領または徳川家の治世であること
 甲府市は、武田信玄が治めた地で、後に天領となっています。会津若松市は、保科正之が初代の会津藩主。幕末には、白虎隊で有名な松平容保が最後の藩主となりました。今治市は、藤堂高虎が今治藩を治め、久松松平家がのちに統治しました。つまり、どの地も江戸時代にはケチと伝えられる徳川家の血が濃いところです。
 江戸時代以前は、自由な土地柄だったのに、江戸時代に締め付けられ、地元より全国へ向けての商売を開始しています。このための資金が必要になり、無尽が発達したのではないでしょうか。

三、どこも教育県である
 お金を扱うにはさまざまな計算が必要です。無尽もお金を扱い、利子や設定など、きちんとした計算ができなければなりません。教育のレベルが高くないと、無尽が発達しないのです。

四、土地の人々の結束が堅い
 どの地方も地元の人たちの結束が堅いようです。進取の風があっても、アイデンティティは地元志向。お金を扱う無尽だから、地元の人たちの結束が堅くなくてはなりません。

五、情報の入手を必要とした
 一の商人説と関係があるのですが、全国へ向けての商売で必要なのは情報。狭い域内で商売をしていると秘密主義になりますが、互いにかかわりあいのない商売だと、情報が比較的オープンに。異業種交流会のような無尽は、多彩な情報の交流に役立つのです。

六、小さい会社の社長が多い
 寅さん映画のタコ社長を見ていれば分かると思いますが、中小企業の社長さんの大きな仕事は金策。そのため、銀行よりも手軽にお金が入手できる無尽が発達したのでは。

 他に共通点として、交通マナーが悪い、中央志向である反面排他的である、性格は明るいなどがあげられます。無尽とはあまり関係が無いようですが・・・・。

 この三都市で「無尽サミット」が行われれば面白いですね。

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