古い言語が残る今治弁

今治弁

意味(もとの意味)
いなげな へんな・「異な気な」より
ももける 毛玉ができること
鶴のもも毛から
おらぶ 叫ぶ・万葉語
かがむ しゃがむ・平安語
なおす 戻す・平安語
なおる 座る・平安語
うもる 埋める・平安語
ひだるい だるい・「ひだる」より
いそしい 働き者・「勤しい」より
いきしな 行く途中・「行き時」より
むつこい しつこい・「むつ濃い」より
おがす 植物をとる・「ほがす」より
あんき のんびり・「安気」より
へっちょ 他の場所・「別所」より
いこわい 行く・「往く」より

 方言の中には古い時代の言葉が残っていることがあります。時代の変化にもかかわらず、長い間使われてきた言葉です。今治弁の中でそうした言葉を探してみました。

 変な様子をあらわす「いなげな」を漢字を交えてみると「異な気な」となります。時代劇などでよく使われる「これは異な事」と同じ意味です。

 毛玉が出来ることを「ももける」といいますが、「ももけ」とは鶴のわき毛のこと。

 叫ぶという意味の「おらぶ」は万葉集にも出てきます。

 身体を小さくする「かがむ」、元に戻す意味の「なおす」、座る意味の「なおる」、埋めるの意味の「うもる」は平安時代の言葉。

 身体がだるい意味の「ひだるい」は「ひだる」から。かいがいしく働く意味の「いそしい」は勤しいという古語。行く途中の意味である「いきしな」は行き時の音転。しつこい意味の「むつこい」は不快をあらわす「むつ」という古語に濃いが合体したもの。植物を取る意味の「おがす」は古語の「ほがす」の音便です。

 漢字にするとわかりやすくなる今治弁もあります。のんびりしたという意味の「あんき」は「安気」よその場所をあらわす「へっちょ」は「別所」。「いってこうわい」は「往って来わい」とするとよくわかります。

 こうした古い言葉が地域に残り、独自の言語文化を形成する。今治固有の文化となることに歴史の不思議さを感じます。

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