今昔物語に登場した越智氏

 豪傑・越智益躬とその先祖・越智直(あたい)が「今昔物語」に登場します。
 「今昔物語」は、仏教説話集。芥川龍之介が、この中から「蜘蛛の糸」「羅生門」「鼻」などの短編を書いたことでよく知られています。

 越智益躬は信心深く、昼は法華経、夜は阿弥陀の念仏を唱えることで、俗身でありながら極楽往生をとげたことが巻15の44に記されています。

 巻16の2では、越智益躬の先祖・越智直は、朝鮮半島に派兵され、唐の捕虜となりました。しかし、仲間の8人と松の木で船を造り、日本に帰ることができました。無事の帰還は観音のお陰と、越智直は越智郡に観音を祀ったといいます。

 この説話からは、越智氏が伊予国で力を誇っていたこと、百済から日本に帰ってくるのに木を削って船を造る技術を持っていたことを示しています。また、伊予水軍の祖となった越智氏が7世紀に活躍していたこともわかります。現在の今治人が造船や交易で海を舞台に活躍することを示唆した文のようですね。

 また、いにしえの今治地方で古代豪族だった越智氏の名前が全国に及んでいたことを示してもいます。

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