ミルクセーキ

 ブルータスの特集「四国探検帖」をぱらぱらめくっていると、「世界で一番おいしいかき氷発見」というタイトルがありました。よく見ると、なんと今治の「玉屋」ではありませんか。「玉屋」は、私の小さいころから、かき氷の美味しい店として有名でした。もともとは、和菓子店でしたが、夏になると氷屋に変身します。

 今治市では、土曜の夜に、商店街で「夜店」という売り出しが行われ、この日、「玉屋」には行列ができます。かき氷「ミルクセーキ」は、この店の名物でした。
  特徴はクリーミーな食感にあり、きめ細やかなフローズンダイキリのようなかき氷。卵と練乳、砂糖をミックスして冷やし、きめ細かな氷と混ぜ、泡立てたもので、他店とは趣を異にします。

 「玉屋」のかき氷は昭和初期の先々代からはじまり、夏期の本格メニューとなったのは、昭和20年代後半、先代の時代から。小豆や卵をふんだんに使った和菓子屋のかき氷は、大きな評判を呼びました。現在の「玉屋」は、息子さんが跡を継ぎ、「玉屋サントノーレ」という洋菓子屋となりましたが、名物のかき氷は健在で、1年中楽しめるようになりました。「ミルクセーキ」以外には、菓子舗ならではの厳選された小豆がたっぷり入り、茶の香りが際立つ「宇治金時」や、コーヒーをつかった「氷コーヒー」などの人気メニューがあります。

 ブルータス取材の経緯は、複雑です。「釣りバカ日誌」でおなじみの栗山富夫監督が今治近郊で、痴呆老人と家族のふれあいを描いた「ホームスイートホーム2」という映画を撮影しました。出演者の女優が「玉屋」のかき氷の味に魅了されたため、スタッフの間にも噂が広まりました。ブルータス編集者のところにかき氷情報が届いたのは、彼らからといいます。そのためか、地方発送も多く、クール宅急便でかき氷を送っています。

 今治地方のかき氷のレベルが高いのは、「玉屋」に追随して、多くの和菓子屋、ケーキ屋が研鑽を重ねた結果です。美味しさは伝播するという証明ですね。

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