今治で行われている無尽ってなあに?

 今治市には無尽という経済システムが残っています。相互銀行、今の第二地方銀行の基となった金融形態です。ちなみに愛媛銀行の前身は愛媛無尽(株)といいます。

 無尽の内容は、グループを作り、定期的に幾ばくかの金を掛け、入り用の際に資金を融通するというもの。形式は様々ですが、入札制が基本です。
 例えば十人の仲間で毎月一万円掛けの場合、十万円の掛け金をメンバーで入札を行い、一番少ない入札金額の人がお金を手に入れる、というのがこの無尽の仕組み。入札を面白くするために、入札金額が一番高かった人や入札金額の二番目の人から罰金を取ったりします。

 また、無尽は情報交換・情報収集の場として利用されます。メンバーの親交をあたためるとともに貴重な情報を手に入れる絶好の機会というわけです。
 今治市の有象無象の情報は無尽で伝わると言っても過言ではありません。近所の話題や業界での出来事、会社の経済状態、果てはメンバーの知っている人物評までありとあらゆることが無尽の場で話されます。まさに地域情報の増幅機として、情報が広がるのを助ける機能があるのです。

 この無尽は事業主や自営業者にとってありがたいシステム。お金が急に必要になった時に活用できるからです。銀行よりも早く必要な金を手に入れることが出来るのです。「石を投げれば社長さんに当たる」といわれるほど小さな会社が多い今治では無尽は欠かせないものとなっています。

 また、桜井漆器が月賦販売をするきっかけとなったのがこの無尽。無尽講を結成してもらい、漆器を先渡しして、掛け金を集金して廻ったのが日本初の月賦となりました。

 今なお、今治に無尽が残っているのもここに理由があるのかもしれません。

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