7月2日

ミラノからロンバルディア平原を走り、ベネチアに立ち寄りフィレンツェへ、というのが、本日の予定。
エクゼクティブホテルは今日でさよなら。6時30分頃に荷物を集めに来るので、部屋の前に荷物をだし、朝食を取りに階下のレストランへ。昨日は気が付かなかったけれど、パティオがあったのですね。ビュッフェですが、ややアメリカンスタイル。ラスベガスのように豪華絢爛の朝食というわけではないのですが、サラダやスクランブルエッグ、ハム、フルーツなどが食べられるので、パンとコーヒーだけの質素なコンチネンタルスタイルとは違います。立地が地下鉄のポルタ・ガリバルディ駅の近くで、モダンな建物。アメリカ人が多く泊まるからなのでしょうか。
フロント横でチップ用に10000リラを1000リラ10枚に両替えをしてもらう。英語が通じるのがうれしい。会社に電話を入れるために公衆電話。テレフォンカードを添乗員さんに貸してもらい、使う。なかなか反応しなかったけど、何度か目には無事、連絡。しかし、これって嫌みかも知れない。けっこう時間を使ったので、テレフォンカード代10000リラを添乗員さんにお返しする。
バスに乗り込み、ベネチアに向かって出発。工場が目立つ風景から田園に変わっていくと、ミラノを離れた証拠。約2時間半ほどのバスの旅。

バスから降りると船着き場があり、人がごったがえしている。木でできた桟橋に立って船を待つのです。ガイドさんについていくと、小さな突堤で船を待つ。バスのような船が行き来しているので、そのタイプかな、と思ってたら、なんと、20人乗りのボートでした。つまり、貸しきりだったのですね。
フンドーキン醤油さん、太っ腹であります。
ボートのドライバーは私たちが乗っている間、ずっと喋りっぱなし。ガイドさんはあいづちを打つだけ。イタリア人恐るべし。
ボートは細い水路(リオ)やゆったりとした大運河(カナル・グランテ)を通り抜けて、目的地のレストランテへ。到着するまでに眼を引くのは水路の信号機や行き交うさまざまな船。演奏つきのゴンドラが横に停まり、弦楽器とアコーデオンの伴奏でカンツォーネを唱う。水の上に浮かぶ白い大理石の建物が中世にタイムスリップした印象を創りだします。海に浮かぶ映画のセットのよう。
ボートから離れ、路地を少し歩くとトラットリア。日本人観光客御用達の店のようで、入り口には「日本人歓迎 日本語メニュー」と書かれています。大きな皿で運ばれてきたのは「いかすみのスパゲッティ」やや、グリーンに染まったパスタ。日本で食べたことのある真っ黒な「いかすみ」とイメージが違います。パスタは軟らかめ、いかすみもバターは強くなく、しつこい味ではありません。ただ、イメージは違っても、やはりいかすみ。食べていると、口の中や口の回りが黒くなってくるのが面白いのです。その後は小魚(いわし)、イカ、海老の空揚げ、ポテトフライ添え。ビールがどんどんすすみます。ミラノと違う種類のビール、うすいグリーンの55clの大きな壜があっという間になくなっていきます。

これからはベネチアの観光。まずはサンマルコ広場。細い水路や路地の辿り着いた先がひろびろとした大理石づくりの広場。その偉容にびっくりさせられます。ナポレオンが「世界で最も美しい客間」と表現したのもうなづけます。人はぎっしり。やたら鳩がいます。
ベネチアのシンボル、翼をもつ黄金のライオン像がいたるところに目につきます。このモチーフは聖マルコのシンボルで、ライオンが手をかけている本には" PAX TIBI MARCE, ANGELISTA MEUS "という文字が書かれ、「我が伝道士(Evangelist)マルコよ、そなたに平和を」という意味の ラテン語。 そういえば、ベネチア映画祭のトロフィーはこのライオン。日本映画では黒澤明の「羅生門」、稲垣浩の「無法松の一生」、新しいところでは北野武の「HANA-BI」が受賞しています。
サンマルコ寺院はロマネスク様式とビザンチン様式のミックスされた建物。9世紀に創られましたが、焼失。11世紀に再建されています。ドームのフォルムに東洋テイストがふくまれています。白い大理石と金のモザイクの組合せが美しい豪華絢爛な寺院です。外側にも内部にも金を惜しみなく使ったモザイク画が飾られています。この建物を表現するには賞賛の「ため息」しかないようです。
次は向かいのドゥカーレ宮殿に入ります。 ベネチア共和国統領の公邸、政庁だった建物。14世紀はじめから15世紀初頭までかけて建てられ、17世紀まで増改築と改修が重ねられています。だから、基本はビザンチン様式ですが、部分はゴシックやルネサンス、バロックなどの様式が取り入れられているそうです。見どころは各部屋の装飾と絵画。それぞれの部屋の役割に応じて、描かれた壁画、天井画が感銘を呼びます。ただし、ガイドさんの説明があると理解に大きな差がでます。
宮殿の奥、東側には牢獄跡があります。荒く削られたうす暗い牢獄には囚人達の悲しみが今も残っているようです。ただし、落書きがされているのには興醒め。日本人の名前がないように祈ったのでした。ここからは鉄格子越しに「ためいき橋」を見ることができます。名前の由来は裁判所から牢獄へ向かう罪人達がここを渡る時にため息をついたことから。ジョージ・ロイ・ヒル監督の「リトル・ロマンス」でも有名です。小さな恋人達が将来の誓いをたてるため、夕暮れ時、鐘の鳴るのを聞きながら、ため息橋 の下でキスをするシーンが思い出されます。

ガラス細工の工房に入ります。ここも観光の有名スポット。「ドッジ・ムラノ・アート」。細い入り口を上がると3階でヴェネチアングラスが造られる工程を見せてくれます。吹き口を使い、温度を見ながら器用に花瓶が造られていきます。見た後はグラスの販売。ここでブルーのヴェネチアングラスを購入。ガラスと金の組み合わせの伝統的なデザインに花の手書きが入ったもの。もちろん「旅情」でキャサリン・ヘプバーンが買ったゴブレットタイプのものではありません。ペアで18000円なり。37万リラということなので、両替したリラだと2万円以上で割高になるため、迷わず日本円で。
ベネチア出発まで1時間程時間があるので、ウィンドゥショッピング。辺りをぶらぶら。小さなガラス工芸の店に立ち寄り、赤い豚の置き物を買う。16500リラ。1000円ほど。
集合はサンマルコ広場のライオンの柱の前。みんな揃ったので、来た時と同じ船に乗り、船着き場へ。バスに乗り込み、フィレンツェへと向かいます。
バスの中でぐっすりと休養を取りました。辺りを見回す余裕も無く就寝。目覚めるとフィレンツェの近く。町並みがアーバン系の色調に変わっています。おだやかなしっとりとした町の風景です。

フィレンツェの宿はジョリーホテル。こぢんまりとしたアットホームな雰囲気のホテルです。入り口の前、階段を上るとグランドピアノが置かれたロビーがあり、フロントの奥がリストランテ。少し旧式のエレベーターが人を運びます。
夕食はホテルで。ルッコラ、トレヴィーソ、アーティチョークなどのイタリア野菜のサラダ。もちろんドレッシング無し。イタリアンドレッシングなるものは存在せず、オリーブオイルと塩、胡椒があるのみ。待っているとこんがりと焼けた香ばしいチーズのたっぷりとのったラザニアの登場。大きなラザニアを皿に取り分けてくれます。野菜をたっぷりと使い、濃厚なホワイトソースにモッツアレラチーズ。温かくてほんとに美味しい。次は豚肉を柔らかく煮込んだものにエンドウ豆とキャベツの添え物。素材の味を活かした肉と素材の甘さをそのままの野菜のつけ合わせが美味しい。どちらも家庭料理の雰囲気がする。
デザートは籠にのった果物。洋梨、すもも、ネクタリンなど。食卓で残した果物をポケットに入れ、部屋へ。

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