広見町のキジ料理

うまいキジ鍋の体験談

 広見町役場から山道で約15分。ロッジ風の建物・成川渓谷休養センターが見えてくる。
 ここのレストランには、名物のキジ料理があるのだ。キジ鍋は3500円フルコースは5500円から。おすすめは、ボリュームたっぷりのフルコース。 八寸や酢の物、揚げ物、茶わん蒸し、ご飯に「キジの刺身」と「キジ鍋」がつくという、うれしい内容だ。
 キジの胸肉を使った「キジの刺身」は、鳥肉とは思えない。フグやクエの刺身のような淡白な味わい。キジのダシを加えた自家製のポン酢に浸すと至福の時が流れる。
 「キジしゃぶ」は、炊いた大根の上にキジ肉をのせ、キジの骨からとったスープをそそいで蒸しあげる。蒸した肉を楽しんだのち、キジ肉や野菜、醤油ベースのダシを加えておなじみの「鍋」にする。ひとつの鍋でふたつの味を楽しむことができる。

 広見町になぜキジ料理があるかというと、ここは日本一のキジ産地なのである。約三万匹のキジが冬場の出荷を待っている。しかも、その美味しさは定評があり、全国へ出荷されるのだ。
 秘密は、飼育と肉の熟成にある。
 キジは、農家の広いキジ舎の広い地面を自由に歩き回り、ゆったりと育つ。草や無農薬の飼料を与え、ストレスのない環境で育てると、嫌な臭いは消えるという。手間をかけ、愛情をそそいで育ったキジである。これならば、不味いわけがない。
 また、広見町農業公社では、キジ肉を熟成させる製造ラインが備えてある。野鳥の肉製造でこの工程があるのは、広見町だけ。旨味成分のアミノ酸18種を増やすために48時間を費やし、極限まで美味しさを引き出されたキジ肉は、急速冷凍される。

 隣には高月温泉もある。肩の痛みや凝りに効果があり、フッ素や硫化水素を含む温泉だ。料金は300円。のんびりとした佇まいは、心も身体も癒してくれる。休憩室で仮眠するのもよい。
 いつだったか、俳句の応募箱があり、そこに投句したら、優秀作となった。
 若葉溶け心を癒やす琥珀の湯
 このような句だったと思う。

 残念ながら、今年の台風で温泉の近くの谷が崩落してしまった。しかし、成川渓谷の美しさはそのままだ。これからの季節、紅葉も見ごろとなる。
 ぜひとも、成川渓谷休養センターでキジ鍋を召し上がれ。

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