かつて米料理はごちそうだった

郷土料理は生活の知恵だった

 愛媛の郷土料理を眺めてみますと、お米を使った料理が多いことに気がつきます。

 例えばお寿司の系統です。ちらし寿司の類は全国に分布していますが、松山のものにはアナゴが必ず入り、四季の味覚を取り入れた「ばらずし」「夏柑ずし」となっています。

 五目ご飯系統では地域の材料とともに炊き込んだ今出地区で有名な「たこ飯」、駅弁でも知られ、とり肉と野菜が入った「しょうゆ飯」があります。

 藩政時代に出された倹約令で寄り合いのために考え出された「ぼて茶」。黒豆ご飯と簡単な煮物、漬け物でお茶漬けにするという茶道の影響が見られるものです。

 お米の粉である上新粉を使ったお菓子も多く、初代藩主・定行が伝えたという「しょうゆ餅」や上新粉の団子を餡で包んだ「つみかん」、餡を上新粉の餅で包んだ「りんまん」など、お米を使った郷土料理が目立ちます。

 これらのことから考えると、お米は御馳走のため、増量の目的でさまさまな材料を入れたことが、お寿司や五目ご飯の多さにつながります。気候が温暖で、魚や野菜がたやすく手に入ります。お金をかけずに、お腹一杯お米を食べたいという気持ちが、お米の料理につながったと考えます。

 でも、現在は贅沢な料理となってしまいました。果たして、喜ぶべきなのでしょうか、悲しむべきなのでしょうか。

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