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「さよならジュピター」は、封切時に観ています。SF関係の雑誌には、小松左京氏がプロデュース、脚本、総監督に乗り出した映画と紹介。映画に使われるプロップを掲載し、今までの日本映画にない斬新な映像、日本のSF界が全面協力など、マスコミは、この映画の登場を、日本映画の革命のようにあおりました。この映画は面白ろそうだと判断した僕は、映画館に向かいました。ところが、観ているうちに、映画館の固い椅子から、だんだんとずり落ちていく僕なのでした。 西暦2125年、極冠融解作戦「オペレーション・デルタ」が実施されると、氷の中からナスカの絵文字が発見されました。これは、10万年前につくられた宇宙人のメッセージというのです。22世紀、地球の人口は180億人。外惑星域で活動する5億の地球人のために、木星を太陽化する計画が進められ、木星軌道上に、ミネルヴァ基地という宇宙ステーションがつくられました。しかし、ブラックホールが木星をかすめ、太陽を直撃する軌道をとり太陽系に向かって進んでくることがわかりました。そこで、太陽化計画を変更し、木星を爆発させてブラックホールの軌道を変える計画が実行されることになったというのが大枠の内容です。これならば、面白い映画になると思うでしょ。 「さよならジュピター」は、週刊サンケイに連載され、のちに出版。小説は、小松左京氏らしく、壮大なエンターテイメントでしたが・・・。 以下は、なぜ面白くなくなったかの理由を書いていきます。 また、この映画で失敗だと思えるシーンを列挙します。 小松左京氏は、「スターログ日本版」(1984.2月号)で「メッセージだけはちゃんと守ることができた」「演出力とか、特撮とメイン・ストーリーとの溶け込み方なんかはね、これはまあまあのとこまでいったと思いますよ」といい、「今度は映画化していって余生を送ろう」とまで語っています。
「さよならジュピター」にくらべると「エスパイ」は、まだ映画になっています。ただ、とてもちゃちで、テレビに毛が生えたようなものではありますが・・・。監督の福田純氏は、ゴジラシリーズをつくり、スパイ映画も手がけています。特撮とスパイが合致する「エスパイ」にはぴったりの人材だと、東宝の首脳部は考えたのかもしれません。ただし、BOMB作の「ゴジラの息子」やエビラがでてくる「南海の大決闘」の監督です。 世界征服を企てる超能力集団の活動を阻止しようと、国連のつくった超能力者のスパイ組織が首相暗殺をめぐり、攻防をくりひろげるというのが内容です。見どころは、由美かおるのおっぱいと「ブラック・レイン」を彷佛とさせる若山富三郎の演技。超能力の描写や特撮はたいしたことありません。 小松左京氏の作品を原作とする映画では、森谷司郎監督の「日本沈没」や深作欣二監督の「復活の日」など秀作もあります。次の映画化には、ぜひとも実績のある監督と組むことをお薦めします。大昔、製作ラインナップに上がっていた岡本喜八監督の「日本アパッチ族」なんて、つくられていたら面白かったに違いありません。 |
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「さよならジュピター」 カラー・130分 1984年日本映画 製作/田中 友幸 /小松 左京 原作/小松 左京 脚本/小松 左京 総監督/小松 左京 監督/橋本 幸治 特技監督/川北 紘一 音楽/羽田 健太郎 出演/三浦 友和 /ディアンヌ・タンジェリー /小野 みゆき /森繁 久弥 |
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「エスパイ」 カラー・94分 1974年日本映画 製作/田中 友幸 /田中 文雄 原作/小松 左京 脚本/小川 英 総監督/小松 左京 監督/福田 純 特撮監督/中野 昭慶 音楽/平尾 昌晃 出演/藤岡 弘 /由美 かおる /草苅 正雄 /加山 雄三 /若山 富三郎 |