火星へ行こう

「火星超特急」(レズリー・セランダー監督)「巨大アメーバの惑星」(イブ・メルキオール他監督)

 50年から60年代につくられたSF映画、特に宇宙映画には、「ある意味で」興味深いものが多いようです。
 今回は、「火星超特急」「巨大アメーバの惑星(「怒れる赤い星」という原題がどうしてこのように変わるのでしょう)」という、火星を舞台にした映画を取りあげました。
 「火星超特急」は、ペンタゴンが火星へ向かうロケットを開発。乗り込むメンバーは、女性を含む化学者3人と記者1人です。
 月の引力に邪魔されたり、流星雨に見舞われたりしますが、何とか火星に到着すると、そこには高度な文明を持つ宇宙人がいました。姿かたちや流暢な英語まで、地球人と同じ。火星人は、地下都市に住み、都市運営は議会制ですすめられています。しかし、火星人は、高度な文明を持ちながら、なぜか惑星間飛行には失敗し、地球人のロケット技術を盗もうとします。火星のエネルギーは底をつき、未来に暗雲が立ちこめていたため、地球人と同じロケットをつくって地球に攻め込もうと考えていたのです。
 火星突入で壊れてしまったロケットを修復するため、協力してくれる火星人の女性科学者は、いつしか地球人のロケット技術者と恋に落ちます。火星人にウソの修復スケジュールを教えて騙し、火星からの脱出を図ります。乗組員たちは、火星人女性科学者とその親をのせて、地球へと帰還するというストーリー。
 見どころは、火星人女性たちのミニスカート。また、火星人は、それぞれの職業により、その内容をあらわすようで、科学者グループの服には「ロケットマーク」、警備員には「剣がクロスしたマーク」を胸につけています。科学考証は皆無です。一例をあげると、火星に降り立つ地球人は、宇宙服を着ず、マスクをつけているだけ。デザインが「風の谷のナウシカ」でナウシカが風に乗るときにつけているマスクとよく似ています。
 製作は、「ウエストサイド物語」や「夜の大走査線」などのウォルター・ミリッシュ。名前だけで、期待してはいけません。
 「火星超特急」の題は、脱出してすぐに地球の映像が出て、すぐに「END」マークが出ることからでしょうか。あーあと思う観客へ、苦肉の説明なのでしょうか。

 「巨大アメーバの惑星」は、大伴昌治の「図解」でよく紹介されていた「コウモリグモ」や「三眼の火星人」が登場する映画。
 音信不通になっていた火星探索ロケットが地球に帰ってきます。生存者は男女2人で、男は緑色になった腕の傷を持ち重症。女は、記憶喪失になっていて、火星の記憶を振り返ります。
 到着した火星には、植物が生息しています。危険な生物はいないと判断したのですが、食肉植物に襲われる女性飛行士。これは、撃退しますが、次に待ち受けるのが「コウモリグモ」。立木と勘違いして、切りつけたため、怒って飛行士たちに襲いかかります。これは、音波銃で目を打ち、防御します。
 湖があり、ゴムボートで漕ぎ出すと、未来都市が見えます。近づこうとすると、巨大なアメーバー状の生物が襲ってきます。ロケットに逃げ込むと、まとわりつくアメーバー。身体から発生する酸でロケットを溶かそうとしますが、電気をロケットの外壁に流して、無事、撃退することができました。
 すると、三眼の火星人が登場し、「戦いを繰り返す地球人は、火星にくるな」とのメッセージ。
 回想により、女性は記憶を取り戻し、男性は、腕に微弱な電流を流し、腕についたアメーバーを取り除きましたとさ。
 火星のシーンは、原題の「怒れる赤き星」通り、真っ赤。ハイキー露出で撮影され、非現実的なムードをかもしだします。しかし、これは撮影時の失敗と、当初、モノクロ映画の予定で撮影していたものをカラーとするため、赤く着色したものだそうです。

 この時代のSF映画は現在とくらべると、科学考証がきちんとされてなく、ぼろぼろとアラが見えてきます。視点を変えると、それだけ科学が進歩したということなのでしょうか。

「火星超特急」
FLIGHT TO MARS

カラー・72分
1952年アメリカ映画
製作/ウォルター・ミリッシュ
監督/レズリー・セランダー
脚本/アーサー・ストローン
撮影/ハリー・ニューマン
音楽/マーリン・スカイルズ

出演/キャメロン・ミッチェル
  /マルガリート・チャップマン
  /アーサー・フランツ
  /ヴァージニア・ヒューストン

「巨大アメーバの惑星」
THE ANGRY RED PLANET

カラー・83分アメリカ映画
製作/シドニー・ピンク
  /ノーマン・モーラー
監督/イブ・メルキオール
脚本/イブ・メルキオール
特殊効果/ハーマン・タウンスリー

出演/ジェラルド・モー
  /ノーラ・ヘイドン
  /レス・トレメイン
  /ジャック・クルーシェン

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