正直では生きていけない。
だから、ずる賢く立ち振る舞わなければならない。 規則など、大人になれば必要ない。 大人が都合のいいように変えれば、何も規則を破ってるなどと言われることはないのだから。 例え最高裁判所で違法と判断されても、法律を変えてしまえばいいのだから。 だから間違っていたと言う必要もないし、反省する必要もない。 なにせ、私がルールなのだから。 自分に都合のいいように生きて、他人を知らない間に傷つけていようと、自分が傷つかなければいい。 目の前から歩いてくる者は、どかせばよい。何をしようと、相手が弱そうなら私が正しいのだから。 相手が強ければ両手を擦り合わそう。お世辞の握りを並べれば、相手は単純だから喜んでくれる。 どんな事をしても、私がルールなのだから。 車の運転中は、右折・左折、合図など必要ない。 なにせ自分がルールを決めるのだから。 だから、駐車場から道路に出る時は、道路に車半分乗り出し、通行車両を止めればいい。 なにせ、私の車は高級車なのだから、偉いんだ! ぶつけられても、当然相手が悪いのだからかまわない。 どうせ買い換えてもらえるし。 だから、突然停車してもいい。ぶつけられたら新車になるのだから。 青信号は、いい子がいないかゆっくり見て走ろう。 黄色になればスピードを上げよう。止まるのがいやだからね。 赤色になればフル加速をしよう。このときハイパワー車は便利だね。 歩行者なんて警笛を鳴らし蹴散らせばいい。 歩行者を歩かせようとする車は、警笛を鳴らしながら追い越せばいい。 一時停止しているあんた、早くルールを覚えなくてはいけないよ。 おっと、そこの老人早く歩かないと歩行者用信号が点滅しているよ。 自然なんて物は必要ない。 だから山を削り、海を埋めればいい。 水不足になればダムを造ればいい。 そうすればまだまだ水はある。 だから水不足になっても愛車は洗車しよう。 どんどん車で走ろう。 二酸化炭素、温室化現象、そんなもの私には関係ない。 いくらでも自動車用道路を造ってくれるのだから。ここが亜熱帯になろうと自動車の中は快適だからね。 そして、お隣にも車で行こう。 車の中は環境がいいし、外は埃っぽいからね。 以上、皮肉です。 でも、人間が今のまま自然のルール、共存するルールを守らなければ、いつか取り返しのつかないしっぺ返しがあるのではないでしょうか。 このページを読む気まぐれな人はいないかもしれません。でも、このままでいいのか、私は不安で書かずにはいられません。 1997/06/18 |