JARVIS はじめに



 私が日本語教師として赴任している JARVIS CHRISTIAN COLLEGE は米国テキサス州の北東部の Hawkins という町にある小さなカレッジです。その名からも分かるように、このカレッジは Disciples of Chirst (「キリストの弟子たち」の意)という教会が創立したクリスチャン系の学校です。元来、黒人の人たちを対象にして作られた学校なので生徒のほとんどは黒人ですが、一部アフリカやアジアからも留学生が来ているようです。

 Hawkins という町も人口1300人というとても小さな町なので、普通のアメリカの地図で位置を確認することはできません。ただ、近くに Tyler という比較的大きな町があるのでそこは普通のアメリカの地図にも載っているようです。位置的にはダラスの東200km というところでしょうか。気候的にも地形的にも私の好きなスペインに近く、降水量が少ないながらも結構緑の豊かで平地の広がった穏やかなところです。ここに来るまでは砂漠の中にある修道院のようなところかと思っていたのですが、夏になるとコオロギが部屋に入ってくるような自然に恵まれたところでもあります。

 私はこのカレッジの構内にある職員住宅に住んでいるのですが、空調設備も整っておりとても住みやすいところです。食事も構内の食堂を自由に利用できる(タダ)ので特に問題はありません。ただ、私は車の運転ができないので買い物には難儀します。

 ところで、こちらに着いて分かったのですが、ここには日本語が分かる人がほとんどいません。お世話をしていただいているタルプレイさんにしても分かる日本語はわずかで、日頃の会話はすべて英語ということになります。私は特に英語に自信があるわけでもありませんし、ここテキサスでは過度の巻き舌によるテキサス訛りが聞き取りにくいのですが、さほど不安は感じません。恐らく JARVIS 方々が暖かく迎えてくれているからだと思います。

 ここは海から離れているのですが、近くを通る列車の音が遠くを通りすぎる船の音のように聞こえます。私の生まれた大分からは24時間もかかる遠いところですが、何となく馴染めるところが不思議です。
 

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