株価下落
 

土屋さん

 もし、お暇でしたら、教えてほしいのですが。

 株価が下落しています。
 土屋さんが「日本経済の力からいうと、日経平均で8000円
くらいが妥当なところでしょう」
と言っていたのですが、それが現実になりつつあります。
 8000円が最終的に落ち着く線とすると、株式市場は心理状態
の影響が大きいから、悲観した投げ売りが相次いで、一時的に
は6000円くらいまで落ちることもあると思われます。

 1926年の世界恐慌は、ウォール街の株価下落に始まったと
言われています。
 これは、株価の下落が、直接に通貨収縮のような事態を引き
起こして連鎖倒産を起こしたのでしょうか。
 それとも、直接は関係なくて、株価下落は、単なる先ぶれで、
本格的不況はその後にやって来たのでしょうか。

 知りたいのは、現在の日本の株価下落が、直接に大連鎖倒産
を引き起こす可能性があるでしょうか、ということなんです。

 今、企業会計は株式を時価評価しているから、株式のうち、企業
保有分は、そのまま企業資産として計上されます。株価の下落は
そのまま保有企業の損失になる計算。
 特に、株式の保有が多い、保険会社、銀行などが耐えられるで
しょうか。

 新聞で、株式の時価総額を見たら、約250兆円です。
 すでに、株価はバブルのピーク時の3分の1くらいになっています。
とすると、時価総額にして、500兆円くらいが、消えてなくなった
ことになります。その500兆円は、まったくの、夢、泡、だったわけ
です。土地のバブルの分も入れたら、きっと千兆円くらい、夢と生まれ
泡とはじけた。実際に投入された余剰資金は、きっとその10分の
1もいかないくらい。
 それなのに、千兆円くらい資産が増えた気になって、それに合わせ
た生産設備を作った。それで、生産過剰になってしまった。
 そんなことを考えました。
 

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 九十九里の土屋です。草取りを続けていたら、8月半ばに左手の人差し指が痛み出
し、草を抜けなくな
り、しばらくしたら右手が上がらなくなりました。右手は回復
しましたが、左手の人差し指はまだダメで、最近まで仕事以外にキーボードを打つの
は控えていました。まあ、何とか大丈夫そうなので、少しずつ復帰します。

>  株価が下落しています。
>  土屋さんが「日本経済の力からいうと、日経平均で8000円
> くらいが妥当なところでしょう」
> と言っていたのですが、それが現実になりつつあります。
>  8000円が最終的に落ち着く線とすると、株式市場は心理状態
> の影響が大きいから、悲観した投げ売りが相次いで、一時的に
> は6000円くらいまで落ちることもあると思われます。

 日経平均が8000円を切れば、「収益から考えると、もうこの辺が底だろう」という
見方が主流になると思います。しかし、日本では政府が必ず出てきて、底打ちを妨げ
ます。政府は今でも厚生・国民年金、郵便貯金、簡易保険などを(勝手に)使って20兆
円以上の株を買っています。年金資金、郵便貯金などの自主運用が決まり、公的年
金、郵貯、簡保などから合計40兆円(許容限度は60兆円超)を「株式市場で運用する
ことが望ましい」と決めたので、あと20兆円以上を使って株を買う予定です。40兆円
(これまでの分は株価下落でずいぶん目減りしているでしょうが)は東京証券市場の
株式時価総額の15%にも当たり、先進資本主義国で国家がこんなに株式市場に介入し
ている国はありません。
 底打ちを妨げるから、いつまでもだらだらと不信と無責任にもとづく不況が続き、
将来の経済力を衰えさせています。政府と銀行はダイエーや見込みのない建設・不動
産会社(そして銀行経営者)を守り、多くの技術力ある中小企業をつぶしています。
米国や中国の政府は日本のエリートを笑い、喜んでいるでしょう。

>  1926年の世界恐慌は、ウォール街の株価下落に始まったと
> 言われています。
>  これは、株価の下落が、直接に通貨収縮のような事態を引き
> 起こして連鎖倒産を起こしたのでしょうか。
>  それとも、直接は関係なくて、株価下落は、単なる先ぶれで、
> 本格的不況はその後にやって来たのでしょうか。

 これについては、次に書きます。このメールが長くなりすぎたので。
 これだけは分かってもらいたいのですが、米国の株価暴落で世界大恐慌が始まり、
ルーズベルト大統領のニューディール(新規まき直し)政策で世界大恐慌が終わった
のではない、ということです。高校の世界史の教科書を読むと、そのように読めるの
です。

>  知りたいのは、現在の日本の株価下落が、直接に大連鎖倒産
> を引き起こす可能性があるでしょうか、ということなんです。
>  今、企業会計は株式を時価評価しているから、株式のうち、企業
> 保有分は、そのまま企業資産として計上されます。株価の下落は
> そのまま保有企業の損失になる計算。
>  特に、株式の保有が多い、保険会社、銀行などが耐えられるで
> しょうか。
>
>  新聞で、株式の時価総額を見たら、約250兆円です。
>  すでに、株価はバブルのピーク時の3分の1くらいになっています。
> とすると、時価総額にして、500兆円くらいが、消えてなくなった
> ことになります。その500兆円は、まったくの、夢、泡、だったわけ
> です。土地のバブルの分も入れたら、きっと千兆円くらい、夢と生まれ
> 泡とはじけた。実際に投入された余剰資金は、きっとその10分の
> 1もいかないくらい。
>  それなのに、千兆円くらい資産が増えた気になって、それに合わせ
> た生産設備を作った。それで、生産過剰になってしまった。
>  そんなことを考えました。

 これまで、建設、不動産、流通業の何十社もが何百億円、何千億円という巨額の債
権放棄を受けました。きつい言い方に聞こえるでしょうが、資本主義の下では、経営
に大失敗したそれらの企業がつぶれ、また、人々から預かった大切なお金を失った銀
行も消えるのは仕方ありません。大失敗企業がもっと早くつぶれていれば、社会全体
への悪影響は少なかったのです。一方では、救済をほとんど受けずに倒産した中小企
業は数知れません。それらの多くは、上記の大会社や銀行ほどには経営を悪化させて
いないのに、消え去りました。
 どうも政治家や経営者は問題をわざと混同させているように見えます。救うべきは
大企業ではなくて、人々です。それを、金融システムを守る等のもっともらしい理屈
をつけて、企業・銀行経営者を救い、政策決定した官僚の責任を問わないから、社会
がおかしくなるのだと思います。
(その点ではスウェーデンなどは徹底しています。だから国家に対する「信用」があ
ります)
 株価下落はそうしたごまかしを許さないところに追い込みますが、政府は熊谷組や
ダイエイなどを救おうとするでしょう。残念ながら、政府は郵便貯金、公的年金、簡
易保険などの600兆円を超える隠し金(国民の貯蓄です)がなくなるまで先送りをす
るつもりでしょうから、不幸なことに、そこまでは大きな連鎖倒産は起こらないで
しょう。しかし、その時には日本の経済力は相当落ち、私達の貯蓄は実態がなくなっ
ているでしょう。

 今の株価でも、銀行も生保も耐えられません。銀行は融資先企業をちゃんと査定し
たら、債務超過でしょう。その上に、株の含み損が数兆円に達しています。生保も毎
年の逆ざやが非常に大きく、その上に、今の株価ではやはり保有株式は大きな含み損
を出しています。
 銀行の株価が下がれば、持ち合い先の企業に悪影響を及ぼします。それが今度は銀
行の業績を悪化させます。最近はその悪循環が続いていますが、それでも底打ちさせ
ない限りは展望が開けないでしょう。政府は企業や銀行(の経営者)を守るのではな
く、国民を守れば問題は解決に向かいます。

 日本の地価総額は毎年減り続け、ピークの90年の2450兆円から、昨年までに1.000
兆円が帳簿から消えました。でも、バブル期に企業が実際に土地購入に使ったのは
100〜120兆円くらいでした。
 日本全体の株式時価総額はピークの89年末で890兆円ありましたが、今では500兆円
も減っています。
 土地と株式で1.500兆円が帳簿から消えたといっても、実際に投入された資金は
150〜200兆円くらいでしょう。

 古山さんが言われたように、バブル期に増やしすぎた生産設備の過剰がポイントで
す。それと株価については、別のところに書いたものを現在の数字に代えて、以下に
のせます。(長文ですみませんが、キーボードを長く打つのが怖いので、数字しか代
えていません)。

     「日本の株価」について
 9月4日にTOPIX(東京証券取引所株価指数。68年初め=100)はバブル崩壊後
の最安値886をつけ、89年末の最高値の30%にまで下落しました。70%もの下落で
す。(日経225種平均は2000年4月に30銘柄も入れ替え、連続性がなくなったので、
ここでは全体を表しているTOPIXを使います)。また、東証一部の株式時価総額は254
兆円となり、89年末から57%も減りました。
(米国の株価にはスタンダード・アンド・プアーズ<S&P>500社指数を使いま
す。ダウ工業株30種平均は超優良企業30社で入れ替えも多く、米国の株価を代表する
には不適切なので)。

 日本では60年代半ばから資本の自由化が認められ、外国企業による日本企業の乗っ
取りが心配されました。それを防ぐために、日本の大手企業は取引相手の企業や銀行
と株式の相互持ち合いを進め、安定株主工作を行いました。(A社が取引関係のある
B社の株を買い、B社はA社の株を買い、お互いに株を売らないことにする)。その
結果、企業同士の株式持ち合いは4割に達し、上場企業全体で平均すると7割の株の
所有者は企業になりました。(60年頃には個人が7割を所有していたのに)。そのた
め、市場に流通する浮動株は少なくなり、企業が株式の需給をコントロールできるよ
うになりました。このころは高度成長期の後半で、人々の貯蓄も増え、株式投資は少
しずつ盛んになり、株価は上がり出しました。
 70年代になると、時価発行増資が盛んになり、株価が高いほど得をする上場企業は
証券会社と組み、また、証券会社は大蔵省のお墨付きを得て、株価をつり上げまし
た。この構造的な株価操作で、企業は多額の資金を調達しました。そして、石油危機
を乗り切った日本は自信を持ち、経済成長と企業利益の増大が期待されたので株価は
上がり、「株神話」が確立しました。
 特にカネ余りのバブル期には、大企業は公募増資、転換社債、海外でのワラント債
(新株引受権付き社債)発行など、平均1%以下という超低コストで資金を調達し、
機会があれば実施した主要1000社はバブル期の4年間に数十兆円を集めました。
 しかし、濡れ手に粟のカネは良いことばかりをもたらしません。ゼロに近いコスト
で巨額の資金が調達され、それに加えて、土地と株の含み益は潤沢にあったので、大
企業は収益性に問題のありそうな事業にもどんどん投資しました。特に当時は、利益
率より規模拡大(特に売上高)が追求され、事業の多様化などで90年の設備投資はG
DP(国内総生産)の20%という最高値に達しました。経済成長率が年平均10%を超
えた高度成長期でさえ、設備投資はGDPの18.5%でしたから、20%という値は成長
率10%以上でなけば正当化できません。バブル最盛期の3年間でさえ成長率は平均
5.5%でしたから、投資の半分くらいはその後に赤字になったでしょう。
 (銀行の不良債権問題、特に「大手30社問題」は、融資先の企業が利益を生まない
資産を大量に抱え、損切りしていないことです。)
 資金を調達しすぎたため、日本の大企業はバブル期でさえも、利益水準に比べて資
本が過大でした。企業評価の国際基準では、過大な資本は非効率な経営を意味し、株
式市場ではマイナス材料です。株主から預かった資金をどれだけ効率よく使っている
かという指標に「資本利益率・ROE」があります。税引き後利益を自己資本で割っ
た値ですが、ROEをみると、日本の製造業は米国の製造業の4分の1にすぎませ
ん。増資などで皆から集めた資金をずいぶんと無駄に使っています。すなわち、国民
の貯蓄が本当に必要とされているところに使われずに、不要な部門に多く使われてい
るということです。これが日本人の生活レベルが過労死までして働いている割には低
い原因です。
(福祉、環境、教育、生きがい創出などにお金が向けられないようなシステムができ
ていて、様々な既得権を持つ多くの人々が改革を邪魔しています。)

バブル期でさえ、株の供給を増やながら株価を高めることは長くは続きません。株式
数が増えれば、一株当たりの利益は減り、株価を押し下げる力が働きます。
 株価の妥当性を測る指標の一つにPER(株価収益率)があります。株価が「一株
当たり利益」の何倍になっているかを表し、PERが高ければ、企業があげる利益に
比べて株価は割高だとなります。PERは、株価は企業の収益や期待成長率に基づい
て決まるという考え方で、現在のところでは最も妥当性が高いと思います。(日本で
も米国でもバブル期には「Qレシオ」など、高い株価を正当化するエセ理論が生まれ
ています)。
 日本企業は利益率が低いのにさらに株式発行を増やしたので、もともと高い日本企
業のPERはさらに高くなり、ピーク時には70倍にも達しました。これは欧米人に
とっては極端に不合理な高さで(米国のPERは90年代初めまで平均13倍強、90年代
後半でも平均22倍)、当然ながら、空売りを仕掛けられました。

 90年代半ばからの米国の株価上昇はバブルですが、日本と大きく違うところがあり
ます。米国では経営者が株価の上昇で巨額の収入を得るストック・オプション制度も
あって、多くの企業は自社株を償却しました。市場から自社株を買い上げて、それを
破り捨てれば株式数は減るので、一株当たりの利益は増え、株価を上げます。米国の
バブル期には多くの新興企業が株式を発行しましたが、自社株償却の方が新規発行額
よりもはるかに多く、昨年までの7年間で差し引き8700億ドル(約100兆円)が株式
市場から引き揚げられました。
 米国の株価は2000年春のピークまでの5年間に3倍になりました。一方、日本で
は、89年末までの5年間に株価は3倍強になりました。株式数を考えると、日本の歪
みの方が大きかったことが分かります。

 はっきり言って、僕は日本の株式市場も株価も信用していません。ある企業の株式
時価総額が所有する純資産よりも少なければ、株を買い占めて企業を所有し、その後
で企業を売れば差額が儲けになります。日本の上場企業の半分がそうした「お買い
得」企業なのに、株の買い占めや企業買収はほとんどありません。なぜならば、多く
の日本企業の決算は「損失の飛ばし」などで粉飾されているので、皆が「うちもやっ
ているのだから、あそこもやっているだろう」と信用していないからです。破綻した
日本長期信用銀行は破綻の直前まで自己資本比率10%を超える優良企業でした。そし
て、その粉飾を大蔵省も認めていました。長銀が破綻して粉飾が明らかになっても、
誰も責任を取りません。
 その上に、日本の証券市場はあまりにも前近代的でした。個人投資家は証券会社や
機関投資家(生保や投資信託など)より知識も情報量も少ないのですから、欧米では
様々な法律によって保護されています。しかし日本では、ほとんど保護されていませ
ん。英国ではサッチャー政権のときに国営企業の民営化が進められ、日本の電信電話
公社に相当するBTも民営化され、株が国民に売り出されました。政府は国民の資産
形成を目的としていたので、株価は7%の利回りが得られる水準に決められました。
一方、日本政府はNTT株の放出で11兆円を得ましたが、利回りは0.5%以下でし
た。多くの専門家が「収益からみてNTTの株価は極端に高い。後で値下がりしたら
国民に多大な損失をもたらす」と警告しましたが、超高値で売りに出されました。結
局、その警告通りの事態になりましたが、誰も責任を取りませんでした。

 それ以上に日本の証券市場・業界はほとんど無法地帯です。インサイダー取引は日
常茶飯事で、証券取引委員会は機能していません。実は、自動車部品会社を経営して
いる親戚がインサイダー取引で大儲けしました。(30年も前のことでもう時効でしょ
うから話してもいいでしょう)。同業の上場会社C社が経営不振で株価は35円でし
た。親会社が救済に乗り出す情報を得た彼はうちから借金までしてC社の株を買いま
した。親会社が救済に乗り出してから株価は急騰し、2年後には700円になりまし
た。20倍の大儲けです。これは完全なインサイダー取引で、米国ならば彼は疑いなく
刑務所行きです。しかし日本では調査さえ行われず、彼は犯罪を犯したという意識さ
えありません。彼ほどの額ではないですが、うちの親戚は皆儲けしました。こんな話
はごろごろしています。

現在、米国の株式市場の問題が指摘されていますが、90年代前半までは比較的まとも
でした。欧米の株式市場の目的は、国民の貯蓄が企業に預けられて、企業が発展し、
国民の資産が形成されることです。日本では企業と証券会社を儲けさせるために株式
市場は利用され、最近は少し良くなったと言っても、あまりにも歪んでいます。日本
の証券会社は庶民の投資家を雑魚(ざこ)と呼ぶように、うさんくさい「株屋」体質そ
のもので、目的を全く取り違えています。そしてその上に、それを政府が了解してい
ます。
新聞や雑誌を見ると、エコノミストや企業経営者が「株価を上げるためには、政府が
金融をさらに緩和し、公共事業を前倒しでやるべきだ」とか色々なことを述べていま
すが、健全な株式市場を創ることなしに、個人のお金は入ってこず、何事も始まりま
せん。
 彼ら、彼女らなど、アタマのいいエリートたちは、この長期不況を金融・財政政策
などで克服しようと、首都に向かって様々な方法を述べていますが、僕はポイントが
ずれていると思います。根本問題はテクニカルな方法ではありません。私達の社会、
特に地域社会をどれだけ暮らしやすくしたいか、という思いが欠けているから、内容
が空虚なのです。
 最後に、日本の長期不況の原因を的確に表している言葉をあげます。どこかで読ん
だのですが、日本に来ている外国人留学生が以下のように日本人の教授に質問しまし
た。
「私は大学で、高い地位についたら、それだけ多くの責任を取らなくてはならないと
教わりました。でも日本の大学では、高い地位についてもなるべく責任を取らない方
法を教えているように見えてしまうのですが」。
 

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古山です。

土屋さん、株価の説明をありがとうございます。

こうことですね。
政府は株価をなんとか支えて、大企業を助けるだろう。
さしあたっての、大連鎖倒産は生じないだろう。
しかし、それは、将来いっそう大きな危機を準備している。
われわれの積み立てた年金や貯蓄は、助けなくてもいい
大企業を助けるのに使われて、いくらも残らないだろう。

そんなところでしょうね。
悲痛な思いになりますね。

春に政府が株の空売り規制をしましたが、「姑息なことをする
なあ」と思っていました。なんか、健全じゃないです。

こんなことを考えました。

・国家の領域と、経済の領域を切り離さなければいけない。
 経済の自律性がないと、社会主義国、あるいは日本のよう
 なことになる。国家は、公共サービスと人権の保障に専念すべき。

・株式会社という経営形態が経済の中心であるのはよくない。
 企業は、利益だけで評価されてはならない。利益追求タイプは、
「人々の必要とするものを生産する」ことでは、かなりよくできて
いるが、生産過剰、競争による資源の浪費、労働者の搾取、
の問題をつねに持っている。
 どのような財物やサービスを生産して社会貢献したのか、従
業員の生活をどれだけ豊かにしたか、で評価されなければい
けない。
 株式を「利益を分配してもらう権利」ではなく、「生産物を安く
優先的に受け取る権利」にしたらどうだろうか。企業は、利潤
追求を目的にしなくなります。

・官僚制システムは、法律にしたがってきちんとやる必要の
あることだけに限定する。
 官僚は決まり通りにやったかどうかだけが問題にされる
職業だから、結果に責任をとらない。すぐに異動してしまうし。

・強制、競争、試験合格、卒業証書を動機とする教育は、目先
の利害を追うようにし向ける。それらは、すべて、自己防衛
や野心をかきたててる術策であり、自分にとらわれた人間を作る。
教育から、おどし、競争、卒業証書を追放すべき。
 

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大枝です

土屋さん、株価の説明をありがとうございます。
古山さんのご意見も大変興味がありました

私は、それとは別の視点から、こんな事を考えています。

> こうことですね。
> 政府は株価をなんとか支えて、大企業を助けるだろう。
> さしあたっての、大連鎖倒産は生じないだろう。
> しかし、それは、将来いっそう大きな危機を準備している。
> われわれの積み立てた年金や貯蓄は、助けなくてもいい
> 大企業を助けるのに使われて、いくらも残らないだろう。
>
> そんなところでしょうね。
> 悲痛な思いになりますね。

何故政府はこんな事をやってるのか?
もしかしたら官僚出身の政治家が多すぎるせいではないかと?

それも結局は国民が選挙で選んでいるわけで、この辺がとりあえず
「民主国家」であるわが国においては国民の目を肥やさなければ
どうにもならない問題かな?とかも思いました。

もう一点は、贈収賄の問題です。もう古くから贈収賄はどこの国でも
禁止されているのですが、その最大の理由は国家を衰退させて
結局国を滅ぼす結果になるからです。
これは歴史の裏を良く見ている人には充分理解されている事でしょう。
ところが、どうにも日本の指導者層には贈収賄に対する「罪意識」が
大幅に不足しているようです。私の知っている(面識がある程度です)政治家
が「贈収賄って誰も被害を受けるわけでもなく、双方いい思いが出来る
のに、なんで罪になるんだ?」なんてとぼけた事を言ってるのを聞いた事が
あります。かれらの意識とはその程度だと思ってもよろしいのでは?
「被害者は国民である」事は自明の理ではありますが、彼らにはそこまで
見えていないことが問題なのではないでしょうか?
「とりあえず法律で禁止されている、だから絶対にばれないようにすれば
いいのだ」位にしか思っていないようです。
鈴木宗雄の証人喚問の時でも彼の「うそ」はともかく彼の「考え方」に
びっくりしていましたが、それを不思議だと感じる人は国会議員のなかには
ほとんどいないみたいなのも、怖いことです。

だから、まずは贈収賄に関する「監視」「調査」「摘発」をもっともっと強める
必要があるのでは?と思っています。
日本は全然甘いと思います。その違いが政策に現れてくるのでは?
多分、国民には見えていないけど、政治家の中では「誰が何をしているか?」は
誰もがしっていて「政争」の道具として使われていて、時々政争の結果として誰かを
蹴落とそうとする時にだけ「表面化」するだけで、誰も贈収賄を監視している
人はいないのではないかと思いますが、いかがなものでしょうか?
多分官僚を含めた政治家の一群は「ムラ社会」を作っていると私は観察しています。

そして官僚の「わたり」と呼ばれる退職金のハシゴは「時差式贈収賄」で
あると認定する必要があるのではないでしょうか?

それではまた(^^)/~~
 

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ヨコレスです。

ooeda masahiko wrote:
>
> 大枝です
>
> そして官僚の「わたり」と呼ばれる退職金のハシゴは「時差式贈収賄」で
> あると認定する必要があるのではないでしょうか?
同感。ぜひ、「時差式贈収賄」という言葉を流行らせましょう。
これどう考えてもおかしいですよね。

実は今日、高速道路を使って東京、埼玉まで出掛けたのですが、日本の高速道路
料金は世界一です。それでも赤字なのはなぜなのだろう、という話題になりました。
そして、結論は、道路公団の天下り官僚の給料と退職金に消えている、
もともと水増し工事をしている、との結論に達しました!
(かなり乱暴な推察ですが、結構あたっていたりして)

きくちゆみ
 

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 九十九里の土屋です。雨が降るというので、一昨日、昨日と必死に畑を整備
し、やっと大根と最初の葉もの野菜をまきました。やっと、一安心です。でも、左の
人差し指を使わずに30kgの米袋を無理なく持てるかがちょっと気がかりです。
 古山さんも僕と同い年くらいですね。林家三平さんではないですが「ほんとうに、
体だけは大事にして下さいよ」。
 僕は今、IBMの音声認識ソフトを使っています。新聞記事などの固い文章はほと
んど言ったとおりに入力しますが、話し言葉は認識率がずっと落ちます。修正には時
間がかかりますが、指には負担がかかりません。

  古山さんwrote
> ・国家の領域と、経済の領域を切り離さなければいけない。
>  経済の自律性がないと、社会主義国、あるいは日本のよう
>  なことになる。国家は、公共サービスと人権の保障に専念すべき。

> ・株式会社という経営形態が経済の中心であるのはよくない。
>  企業は、利益だけで評価されてはならない。利益追求タイプは、
> 「人々の必要とするものを生産する」ことでは、かなりよくできて
> いるが、生産過剰、競争による資源の浪費、労働者の搾取、
> の問題をつねに持っている。
>  どのような財物やサービスを生産して社会貢献したのか、従
> 業員の生活をどれだけ豊かにしたか、で評価されなければい
> けない。
>  株式を「利益を分配してもらう権利」ではなく、「生産物を安く
> 優先的に受け取る権利」にしたらどうだろうか。企業は、利潤
> 追求を目的にしなくなります。

 そうだと思います。ただ、「国家の領域と経済の領域を切り離す」ときの具
体的なイメージはどのようなものでしょうか。すごく根本的なポイントだと思いま
す。
 シュタイナーの「学校、銀行、農場、病院」(タイトルは正確ではないですが)は
具体的に経済と金融のことを書いていたように記憶しています。とてもいい
本なので、皆に読んでもらいたく、図書館に寄贈しました。最近読んでいないので、
また読んでみたくなりました。
(話は飛びますが、シュタイナーの「アカシア年代記」はすごいですね。最高に気に
入っています。近いうちに妻が読みます)。
 シュタイナーの「経済は友愛に基礎を置く」という言葉はとても好きなのですが、
かなり深い内容だと感じます。合原さん、森
陽子さん、皆さん、教えて下さい。

 とにかく、環境への害が少ない経済活動をする方が利益が上がるシ
ステムが求められていると思います。(本当に環境を考える人は使い切れないほどの
カネを欲しがりませんが)。
僕が考えていたことをはっきり言ってくれている文に
会ったので、別の「環境時間税」というメールで送ります。

 環境保全がポイントだと感じます。これからの世代のために、環境を含めて、暮ら
しやすい社会を創る----そのために、炭素税など、税の制度を活用すれば、新しい産
業が興るとともに、皆のため・社会のために働いているという意義と喜びを感じるこ
とができ、社会は活性化すると思います。
(もう30年も前になりますが、東京では光化学スモッグが出て、自動車の排気ガス規
制がものすごく厳しくなりました。その頃、自動車会社に勤めていた知人の技術者は
「これまで自動車は悪いガスをたくさん出してきた。これからは公害の少ない車をつ
くらなくては申し訳ない」と言って、サービス残業もものとせず、燃えていまし
た。人間的にとても輝いていました。)

> ・官僚制システムは、法律にしたがってきちんとやる必要の
> あることだけに限定する。
>  官僚は決まり通りにやったかどうかだけが問題にされる
> 職業だから、結果に責任をとらない。すぐに異動してしまうし。

> ・強制、競争、試験合格、卒業証書を動機とする教育は、目先
> の利害を追うようにし向ける。それらは、すべて、自己防衛
> や野心をかきたててる術策であり、自分にとらわれた人間を作る。
> 教育から、おどし、競争、卒業証書を追放すべき。

 それと、大枝さんがおっしゃるように、官僚の「わたり」と呼ばれる退職金のハシ
ゴは犯罪です。「時差式贈収賄」はぴったしの言葉ですね。
 皆がおかしいと思っているのに、なんでこんなことが長く続いてきたのか不思議で
した。でも大枝さんが書いてくれたように、
>でも過去何回も話題に出ていながら、その犯罪性に誰も触れる事が出来ずに、
>官僚と官僚出身の議員と官僚出身の議員に取り込まれている議員達の
>激しい抵抗にあって、法律化は全部挫折しているんですよ。

 そうだったんですか。職業倫理が通じない人たちが政治を行っているのだから、お
かしくなりますね。株だって下がるわけだ。うーん。
 軍備だけ「普通の国」にしようとするのでなく、「わたり」こそグローバル・スタ

ダードとやらに合わせて、なくすべきですね。

 それと、これだけ「多様化」して、人々の所得や資産が二極化している状況で、
「日本国民」一般というのはどんどん意味が薄れていると思います。
 特に、官僚と財界人が人々の貯蓄を使って、自分たちの利益にしているのが明瞭な
今、「国」=私と考えて、そのように行動したら、絶対に損します。多くの日本人は
戦争中にまじめに貴金属を供出し、節約して国債を買い、
戦後に紙屑にされました。信頼すべきものは何なのかを考えるときだと思います。
 

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 九十九里の土屋です。急に涼しい日が続いていますね。

  古山さんwrote
> > 政府は企業や銀行(の経営者)を守るのではな
> > く、国民を守れば問題は解決に向かいます。
>
> これは、具体的には、
>
> ・危ない大会社を公費で延命させない。公費は倒産したあとの
>  混乱を小さくするのに使う。
> ・年金や郵貯の資金を株の買い支えに使わない。
> ・土木工事より、地域の暮らしをよくするために資金を使う。
>
> 私はそんなことと理解しました。
> それでいいでしょうか。

 そうだと思います。政府は国民が失業、病気などのときに守ることを第一にすべき
で、土地や株の投機で破綻した会社を救えば、無責任・甘えがはびこり、人々の意識
は荒廃し、そのうちに再びバブルを起こします。
 政府が大会社を救わないとなれば、甘えは消え、課長クラスや平社員も会社の行動
に目を向けるようになります。日本の中小企業が強いのは、誰も救ってくれないか
ら、自己責任で必死に考え、工夫するからです。

 政府が「日本は資本主義国家だ、自由主義国家だ」と言うならば、株式市場に政府
が介入するのは言動不一致です。特に、政府が年金資金などを使って、値下がりリス
クのある株を無断で買うのはとんでもないことです。

 さて、日本経済の最大の問題は「貯蓄過剰・消費過少」です。その根本原因は「生
産者第一」の政策です。戦後、何もかもが不足しているときには、これは理にかなっ
ていました。しかし、日本が成熟経済(欲しいものはほとんどある状態)になったの
に「富を生産者に集中する」ことを続けたので、今はそれが逆に日本経済を衰えさせ
ています。
 (消費と貯蓄には適正な割合があり、消費過少・貯蓄過剰でも、消費過剰・貯過少
でも、バランスの取れた経済発展はできません。)
 日本の貯蓄過剰は、第一に、将来(特に老後)への不安、第二に、地価が高いの
で、不動産取得のために他の先進国と比べると格段に多く貯蓄しなければならないか
らです。
 地価はまだ本来の水準よりは高いと思いますが、かなり下がりました。
 しかし、老後の大きな不安は高まるばかりです。多くの人が将来不安のために貯蓄
をしているならば、政府あるいは企業、NPOがその貯蓄を使って、不安をなくす対
象をつくるのが本来の道です。
 人々が本当に求めていて最も不足しているのは、道路でも自動車でもなく、福祉の
施設とサービスでしょう。(中央+地方)政府が人々が求めるものを提供すれば、住
みやすい社会ができ、人々は安心します。今の日本は、人々の貯蓄や税金をマトモな
ところに使っていないので、社会が揺らいでいます。
 例えば、預かったお金を良質の特別養護老人ホームに使えば、人々は安心します。
そして、政府、政治に対する信頼が増します。もう20年前ですが、デンマークの小さ
な町の老人ホームに庭園の整備に行き、広い個室(家具などは入居者がそれまで使っ
ていたもの)、部屋毎の空調、十分な数の職員と午前も午後も来るボランティア、
等々に圧倒されました。
(ただ、あるおばあさんを見てギョッとしました。明日の朝、起きる理由のないよう
な生気のない目をしているのです。あまりに整いすぎているせいでしょうか?)
 設備過剰の産業で、大失敗した企業(特に土地投機で)は消えた方がいいのです。
例えば、その建設会社が銀行の債権放棄で生き残れば、その分だけ特老ホームはつく
られませんから。
 小学校を30人学級にする要望に文部省はカネがないと拒否しましたが、その費用は
年間1兆円です。政府は公共事業に40兆円は出しても、子供達に1兆円は出さなかっ
たのです。スウェーデンでは、25人学級に先生が2人だそうです。
 無駄な金遣いが多ければ、見かけ上の所得は増えても、人々の生活は良くならず、
富は増えません。

 僕の親友にスウェーデン人がいます。彼とはイスラエルのキブツ以来20年以上のつ
きあいで、義兄弟みたいなものです。彼の職業歴が実にスウェーデンらしいのです。
 彼は高校を出て、働いてお金を貯め、欧州を旅してイスラエルに来ました。そして
帰国して、写真が好きなので、僕が訪ねたときには写真店で働いていました。数年後
に仕事を辞め、世界を2年回り、日本にも来ました。それから帰国して大学に入り
(労働経験がある方が大学に入りやすい)、英語、ドイツ語に加えてフランス語と欧
州史を学びました。卒業後、EUの試験を受けましたが落ち、住宅会社に就職し、ド
イツ・東欧担当になりました。そして、その会社が日本に輸出を試み、彼は日本担当
として何回も日本に来ました。(僕も顧問として少し手伝いましたが、日本の明文化
されていない規制にうんざり)。その会社が業績不振で彼は解雇され、職業学校に通
い、IT技術を身につけ、90年頃に大手通信会社に就職しました。そして、通信産業
の不振で彼はこの年末に解雇されますが、ゆったりしたものです。奥さんも働いてい
るし、子供もいないので(欲しいのですが)、首都に大きな家を買い、友人と共有で
ヨットを持ち、奥さんの家族が持つセカンドハウスに行くほかに、半月以上の海外旅
行を毎年しています。彼は12月からまた職業学校に行き、さらに能力を伸ばすでしょ
う。スウェーデンの失業保険の条件は、スキル・能力アップですから。
 セーフティネット(綱渡りの下にある安全網)が整備されていると、財界や自民党
は「労働意欲がなくなる」と言いますが、どうなのでしょう。
 スウェーデンの老齢年金は日本よりかなり低いですが、(日本は医療、介護の割合
が非常に低く、高給取りの厚生年金給付が異常に高いのです)、人々は安心して、
(税金をガバッと引かれた後の)手取り給与をほとんど使います。彼もスウェーデン
のシステムにも様々な問題があることを言うので、僕はスウェーデンを美化するつも
りはありませんが、日本の過剰貯蓄問題を考えると、安心のシステムを創らなけれ
ば、日本経済は袋小路に入ってしまうような気がします。

> 地域の暮らしをよくするために、具体的にどのようなこと
> ができるでしょうか。

 地域地域でいろいろな方法が考えられますが、これはまたゆっくり書かせて下さ
い。(この数年、NHKの地域活性化についての番組に素晴らしいものが多いですか
ら、その例も挙げながら)
 具体策の前に、必要なのは「自立心」だと感じます。すぐに行政や代議士センセイ
を頼るところは、どんな良い方法があっても、うまくいくことはないようです。
 話が全体的になりますが、自立心のための条件は「地方分権」、特にカネを移すこ
とが不可欠です。住民が本当に望むものを、地方自治体が基本的に自分たちのお金で
つくるのが第一の条件です。地域の人々が自らの問題として考えると、人々が動き、
活力と知恵が生まれます。そこがポイントなのはこれまでの世界の経験です。
 サッチャー政権ができたばかりの頃、英国で午前は住み込みのホテル、夜はレスト
ランで働きました。当時の英国は「英国病」と言われ、お先真っ暗でした。人々は
「何とかしなければいけない」と真剣に思い、労働党の支持者の一部も「全面的刷
新」を訴えるサッチャーに投票したそうです。自信を失っていた人々が「英国は変わ
る、良い方向に」と希望を持ち、過去と決別して、英国を変えようとしていました。
それがとても若々しく、活気がありました。そういうやる気、活気がないところに、
どんな手段を持ってきても、効果は薄れると思います。
 (サッチャー政権の政策はあまりにも強者の論理で、金を稼ぐ能力の少ない人を不
当に貧しくしたので、僕は嫌いですが。)

 米国の地方政府は赤字を出してはなりません。米国にいたとき、公園を作るために
増税するかどうかの住民投票がありました。自分の財布からお金を出すかどうかの切
実な問題で、皆が真剣に考えていました。この「真剣に考える」というのが最も大事
なことで、住民の話し合いなどから様々なものが生まれていくのを見ました。
 とにかく、地方分権なしでは、ほとんどのことが中途半端になると思います。
 (今進められている「市町村合併」政策くらい、無責任なものはないと思います
が)。
 そして、環境問題抜きでは、地方が活性化することはかなり難しいと思います。二
酸化炭素排出権は金銭第一の方法ですが、それなりの価格がつけば、地方の富が正当
なお金を生みます。
 また、今までとは違った形の観光産業をそれぞれの地方が創り出せると思います。

> 土屋さんは、バブル(と後でわかった)好景気の最中に、
> 「これはただのバブルだ」と見抜いていました。

 経営者や銀行、証券、企業に所属するエコノミストなどは、主に前年比でものごと
を見ます。ちまたには、短期的な見方があふれていますが、多くの場合、間違いを起
こしがちです。常に「本来の水準」を見ていれば、今起きている現象がバブルかどう
かを比較的簡単に判断できると思います。だから、大儲けはしませんが、損もしない
で、長期的には最も得になるでしょう。
 別のメールで「本来の水準」というテーマを送ります。
 

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古山です。

土屋さん、長文で説明をつくしてもらいありがとうございます。
とても、参考になります。

近所で、店が潰れては、その跡地に新しい店ができています。ここ
のところドラッグストアが多い。どう見ても過当競争。立派な店舗が、
取り壊されては、新しいのができます。このうち、3年後に残ってい
るのは、いくつあるだろうか。
コンビニは、出来ては消え、消えては出来る。小さな薬屋や、食品店、
雑貨屋がたくさん消えた。
マンションが次から次へと建つ。そろそろ供給過剰じゃないのか。
不景気だからと、資金をジャブジャブ流した結果が、過当競争
に使われて、資源と労働を無駄使いしている。経済拡大にもなっ
てないし、生活をよくするのにも使われていない。
きっと、数字の上では、金がこんなに使われたから豊かなんだ、という
ことになるのでしょう。
なによりも、まだ立派な建造物が、ガレキの山になっていく。

問題は、金融政策ではない。
なんのために金を使うのかがはっきりしていないと、ただ浪費していく。
そう思いました。

>  さて、日本経済の最大の問題は「貯蓄過剰・消費過少」です。その根本原因は「生
> 産者第一」の政策です。戦後、何もかもが不足しているときには、これは理にかなっ
> ていました。しかし、日本が成熟経済(欲しいものはほとんどある状態)になったの
> に「富を生産者に集中する」ことを続けたので、今はそれが逆に日本経済を衰えさせ
> ています。

ああ、そういうことだったのかと、すごく納得がいきました。
見取り図がいっぺんにできた気がします。
消費する側から捉えることが大事なんだ。賢い金の使い
方を考えることなんだ。
それは、生活の質の向上なんだと。
 

                [ふくろうの眼]