*2002年から教育はどう変わるんですか
*総合的な学習の時間はなぜ導入されたんですか
*「総合的な学習の時間」ではどんな学習を行うのですか?
*小学校における外国語会話等の活動はどのような位置付けなのですか
*国際理解教育って (・_・)? なあに
*国際社会で生きるための人間像とは
*国際理解につながる英会話の授業のポイントとは・・・?
*小学校でなぜ英語教育が必要なのでしょうか
小学校では英語を通してどんな力を身につけたらいいのでしょうか
*英語教育で注意しなければならないことは何でしょうか
*第2外国語の習得の仕方についてどのような方法があるのですか?また、その特長について。
2002年から教育はどう変わるのですか??
新指導要領によれば、2002年からは新たに小学校では「総合的な学習の時間」が導入されます。この「総合的な学習の時間」が実施されるのは3年生から6年です。これから英会話教育を国際理解教育の一環として始める学校では、年間の計画などはっきりしていなくても、試行錯誤で始めてみることが重要です。こんな活動をやってみたら,子供達が非常にのってきたというものを増やしていけばいいと思います。
「総合的な学習の時間」はなぜ新しく導入されたのですか?
小学校学習指導要領(文部省)によれば、次のような目的で総合的な学習の時間が
設定されました。
@自ら課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決していこうとする資質や能力を育てる。
A学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることがで きるようにすること。
つまり、児童に豊かな体験を通して、自ら学び、自ら考え自分自身でよりよく生きるための力を育成できるための今までの「教える」という考えから転換するための「活動の時間」を設定したわけです。今までの教科の枠を取り除き、横断的・総合的な指導を推進するのが「総合的な学習の時間」です。
「総合的な学習の時間」ではどんな学習を行うのですか?
学習活動については「総合的な学習の時間」のねらいを踏まえて
*国際理解教育*地域学習
*情報*福祉*健康*環境教育
などの児童の興味関心に基づく課題、地域や学校の特色の応じた課題、横断的・総合的な課題
などを考えた学習活動が行えると考えられています>それぞれの実態に合わせてより柔軟に対応することが大切です
小学校における外国語会話等の活動はどのような位置付けなのですか?
国際理解に関する学習の一環としての外国語会話等を行うときは、学校の実態などに応じ、児童が外国語に触れたり、外国の生活や文感度に慣れ親しんだりするなど小学校の発達段階にふさわしい体験的な学習が行われるようにすることが大切です。
単に語学の学習や中学校の外国語教育の前倒しではなく、外国の文化に親しむ、異文化理解を図ることが大切であると思います。新しい文化に触れることで、また自国の文化の見直すきっかけにもなると思います。
中学校や高等学校の英語教育とは大きく異なる
>「総合的な学習」である
>学習指導要領がない
>検定教科書がない
>国際理解教育の一環である
国際理解教育って (・_・)? なあに
21世紀ますます国際化の進展する日本において大変重要な教育の一つであるといわれています。
国際理解教育とは、自国とはちがう国の文化や生活様式を理解するだけではなく、自分と違う人の生き方や考え方に触れ、互いの生き方 を尊重する態度を育て合い、人間尊重主義に立つ人づくりをめざして行われなければならない教育だと思います。
したがって次のような考え方に基づいて、実践活動を進めていく必要があるのです。
@各国、各民族の相互依存関係の理解と連帯・協力の精神の育成
A日本人としてのアイデンティティの確立と異文化理解の深化
B国際化に対応できる資質の育成を支える技術的側面の能力育成、特にコミュニケーション能力や発表力・表現力等の育成
C自己認識の深化と自尊感情の育成とともに集団性における自・他の理解と尊重の育成
D個の確立と個性尊重重視に基づく人権尊重の徹底
国際社会で生きる人間像とは?
広い視野を持ち、異文化を理解するとともに、これを尊重する態度や異なる文化を持った人々とともに生きていく資質や能力を持った人
日本人として、個人として自己を確立した人
国際社会において相手の立場を尊重しつつ、自分の考えや意思を表現できる基礎的な力を持った人間
外国語能力の基礎や表現力等のコミュニケーション能力
国際理解につながる英会話教育の授業のポイントとは?
お互いが積極的にコミュニケーションをとるのは苦手といわれている日本人です
海外に行ったときにも、積極的に「モーニン!!」といって声をかけるのは日本人ではありません(^^;)ってくらい日本人はコミュニケーションが下手です。ますます小さくなっていく国際社会の中で生きるためにも、お互いを理解しあう態度を育てる英会話教育を考えてみませんか?
@ すすんで知らない人にでも声をかけることのできる子供の育成を考えましょう。
>人前で話せるように練習する。全員で声を出すのでなく自分の考えを言う練習を積み重ねてみましょう
A自分を知り,相手を知ることを教えましょう
>自己紹介を通して自分のことを相手に伝える活動をしてみましょう。また、相手のことについてもゲーム感覚を用いたワークショップで理解を深めることができるように活動してみましょう。
私の好きなものは?・・わたしの好きなためものは?などの簡単な英語をつかて自己紹介する。
ビンゴゲームを通して相手を知る
>枠に「くだもの」や「のみものの」の名前を英語で書いておきて、それに会う 人物を集めるビンゴゲーム
同じ誕生日ごとの人が集まるゲームなど・・
B日本以外の国や人々に関心を持たせる。
地域に住んでいる外国の人をゲストティ―チャーとして招待し,自国に付いて 話してもらいましょう。
英語などを学んだあとに,必ずアクティビティーにつながる活動を取り入れた いものです。
小学校でなぜ英語教育が必要なのでしょうか?
教育現場の現実からの立ち遅れ・・
10年先どころか1年先も見えてない・・現実
いつ導入するのか
なぜ英語に取り組まないのか・・・説明できる必要性に迫られている・・・
ポジティブに反論ができるのか??
なぜ必要なのか |
その理由 | キーワード |
社会的必要性 | @英語は約20億人の人が話すといわれる言語である。つまり英語は世界的な言語である。今日英語はもっとも世界で使われている言語であって、世界の人々とのコミュニケーションを図る言語として必要言語である。アジアの国々でも英語に関する関心は高いものがあり韓国では1997年から初等学校で英語教育が始まっているとともに中国でも都市部では小学校3年生から、英語の授業がほぼ毎日行われている。 A英語は身近な言語である。・・・・英語は私達の身の回りで頻繁につかわれておりインターネットや海外との交流の深まりと共に外来語は国内で急速に増えてきている。子供たちの身近なゲームやまんがのなかにもたくさんの英語の表現が出てきている。 B英語は国際感覚を要請するのに適した言語である。英語の学習をとして児童は国際感覚を身につけ、国際理解を深めることが可能である。 |
世界的な言語 アジアの英語教育 |
人間的必要性 | @豊かな体験・・・英語は児童に未知の情報や異文化の体験を与える。その体験は児童の心を豊かにし、人間的な幅を広げるものとなる。 A人間性の基本・・・英語を通じて児童は、外国人や外国の文化に触れ、人間や文化の多様性を知ることになる。自分たちと違う価値のあることに気が付くことで、いわゆる「複眼」を獲得し自分たちの国の文化への比較・再認識を可能にするであろう。その結果、他人を考え方の自分との違いを、認めることのできる幅広さをもつことができるのではないだろうか? B新しい自己の確立・・・日本人はいままでに、多民族との接触があまりなく、共存したり他の言語を学ぶ必要性がなかったので、国、民族、国境や多民族とのかかわりに関する意識が低い傾向にあるといえる。英語やその背景にある文化を学習することで、日本的な価値の上に外国的な価値が加わり、あたらしい自己を確立するのに役に立つであろう。 C島国体質の改善・・・日本は国境を接することのない島国であり、ほとんど同一文化圏および同一言語、であるために同一の傾向が強い。ことなるものや外部のものに関する排他的な傾向や無関心も見られる。しかし英語を学習することによって、個性の尊重、多様な価値観の尊重、他者への寛大さなどを学ぶ機会になるであろう。そうすることで、島国体質の改善にもなるのではないか??また外国人との協調・共生・さらには国際交流や国際貢献への礎となろう。 |
国 民族 理解 個性の尊重 自分と違うものを認める |
大脳生理学・ 心理学時必要性 |
@外国語学習の適性時期である。・・・・8歳くらいまでは母国語からの干渉無しに外国語を学習できるし、模倣能力も優れている。またこの時期に一つの外国語を学習すると、そのごいろいろな外国語を学習することが容易になってくるとも言われている。この時期は「臨界期」ともいわれ、この時期は外国語の学習の適性時期とも言われている。 A 右脳の活性が強い・・・・・幼児期から児童期にかけては、右脳の活性が強い。右脳には行動をつかさどる中枢があって、右脳の活性が強いことは行動も活発であることを意味する。子供は、言葉を行動とともに覚えていく。この時期に行動を通して、言葉を覚えていくというのは大変重要なことである。 B感性が敏感である。 C精神的に柔和である。 D情緒的にナイーブである |
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21世紀を よりよく生きるために |
時代が英語を求めている ビジネスに英語が求められている。 企業・・・日産・・フランスルノー社との合弁になり会議は英語がベースである 英語は社内の公用語である。 富士通・・・社内で社員が英語学習できる環境にある TOIECが昇進の条件の会社も多くなっている。・・・帝人・IBM・富士通・旭化成 学校・・・私立学校の87パーセントが英語をはじめとする外国語教育に取り組んでいる (文部省調べ 平成7年「教育方法の改善に対する調査報告) 私達の身の回り・・・英語を使う機会がない?? 身の回りに氾濫する外来語・・マウス、キーボード、イントラ、ゲーム、リセット グラス、特にここ最近の外来語の氾濫は日本語をこえている 日本語の新しい言葉を学ぶことは少ないけれど、外来語は多くある。 データファイル、ハッカー(切り刻む)、ビンテージ、チャイルドシート、バブル 意識することなくごく日常的に使っている外来語(特に英語)なぜ日本語に直さな いのか?? インターネットの普及していく現在においては言葉はますます増えていく。 広告・・・に使われる英語・・ファション 企業・情報・通信・学問のグローバル化・・・共通言語としての英語 教育現場の現実からの立ち遅れ・・10年先どころか1年先も見えてない・・現実 |
小学校では英語を通してどんな力を身につけたらいいのでしょうか?
簡単な英語を使ってのコミュニケーションができる力・・・
英語で簡単なあいさつ hello/ Good Morning/Good Evening/see you again/Good-by
英語で必要な表現を言える Thankyou / yes/ no/ I’m fine
英語で簡単なことを聞ける How are you/ Do you〜/May I〜/
国際感覚を身に付ける
外国人に接し,理解し差別や偏見を持たない
いろいろな価値観があることを知り、柔軟な思考/判断力を持つ
自分自身の言葉やアクションで自己主張をし「発信型コミュニケーション」能力の育成に役立つであろう。
国際理解の能力→小学校では「生活文化」(衣食住や習慣、行事など)を題材に授業を行ってみては?
衣食住
習慣
行事
非言語的手段によるコミュニケーション・ジェスチャー・顔の表現
レジャー
英語活動で一番注意しなければならないことは何なのでしょうか?
英語のゲームや英語の活動を十分に取り入れて、子供達が机に座ったままの活動を少なくなるようにしたいものです。
中学校の英語の前倒しにならないようにし、知識の詰め込みによって中学校になるまでに英語がすきといえる子供にしておくことが大切です。また、高学年ともなると、英語に対する興味がなくなってくるのも現実です。英語が嫌だと思わせないような指導をどの学年でも心掛けておくことが必要になってきます。
第2外国語の習得の仕方についてどのような方法があるのですか?また、その特長について
大きく分けて
@ナチュラル・アプローチ
Aオーラル・アプローチ
Bコミュニティカブ・アプローチ
CTPRジェームス・アッシャー
Dホール・ランゲージ
EMAT指導法
の3つに分けられる。
1 ナチュラル・ アプローチ アメリカの第2言語学者のクラッシェン |
@学習習得仮説 第2外国語は「文法」を意識的に学んで知識を蓄積させる「学習Learning」と幼児の母語習得のように無意識に獲得させる「習得acquisition」に区別される。 A自然形態素習得順序仮説 文法形態素は予想可能な順序で習得される Bモニター仮説 意識的に学習された文法の知識は、第2言語の運用に際しての発話のモニターの働きをするだけで発話に貢献することはない。 Cインプット仮説 目標言語のもっとも有力な入力(INPUT)は,学習者が習得した能力よりも少し上のレベルのものである。 D情意フィルター仮説 情意フィルターとは・・・心理的障害 高い動機付けと前向きな学習態度でこの心理的な障害は低くなる。 *大量に英語を聞くこと *発話ができるまでは教師は,強要したり、強制的に誤りを直さない *文法中心のシラバスは役に立たない *情意フィルターを低くする・・・・言語学習には態度が大きくかかわるということ |
2 オーラル・アプローチ イギリスのパーマー |
言語を「規範としての言語Language as code」と「運用としての言語language as speech」に分けて考える language as speechは @primary speech・・・・(音声を媒介とした第一次伝達) Asecondary speech・・・(文字を媒介とした第二次伝達)を習得すると効果的であるとしている 言語学習の5習性 >具体的なものや,場面での教材化の有用性を述べている。 |
3 コミュニティカブ・ アプローチ |
特徴として生の教材を使い、正確さよりも意味の伝達(流暢さ)に重きをおいて、コミュニケーションを実際に行いながら学び、プロセスが重視され教室内の活動が,実際の生活の中でもいかされようにするという考え。これは現在最も広く活用されているアプローチである。 教室では、ゲームやロールプレイ、インフォメーションギャップなどのタスクを通じて、できるだけ学習者間の意味のやり取りが促進されるような活動が行われる。 |
4 TPR ジェームス・アッシャー |
聴解能力をつけてから、口頭練習に移るという方法 第1段階・・・STAND UP・・動作の模倣のみ 第2段階・・・STAND UP・・声に出していいながら、動作を模倣する。 第2段階・・・STAND UP・・教師は命令のみ・・学習者は動作とともに音声を模倣する。この基本的な3段階がおわると、学習者同士で役割をしたり、生徒の役割を通してさらに練習する。 |
5 ホール・ランゲージ | 1980年代とくに後半から始まった言語教育の理論と実践。ホールランゲージは純粋な言語理論というよりは、学習者の実態や素朴な言語意識を基礎とした言語学習の理論と実践である。ホールは部分に対する全体という意味である。言語の学習は部分から全体にという方向ではなく、意味ある全体から学んでいくことが自然な方法である。という考え方にたっている。したがって部分やスキルだけを取り出しての練習方法に対しては否定的な考え方を持っている。 幼児期や小学校低学年に置ける典型的な言語習得の一つは、ビッグブックと呼ばれる絵本活用である。子供達に人気のある絵本を大型化したもので、それを教師が読み聞かせ、子供はそのお話を聞きながら、同時にかかれている文字を見ながら、自然に活字の世界に誘われ、活字意識を高めていくのである。 言語を学ぶ,言語を通して学ぶ、言語について学ぶという3つのレベルを、一体的に扱っていく学習方法。テーマを単元ごとに決めて、教科を総合的、横断的に取り扱っていくことも特徴の一つである。 |
6 MAT指導法 | MATはMODEL・ACTION・TALKの頭文字を組み合わせた略語で「先生が模範を示し、生徒がそれにならって動作(ACTION)をしながら英語で話す(TALK)という指導法。 MATの特徴・・・目的としては児童が自分の意思を英語で伝えるようにできることで、英語でのコミュニケシーションを行えるようにすること。それぞれの年齢で,母国語でいえることを、英語でも言えるようにすることであります。単に単語を並べただけの指導法ではなく、きちんとした文法で話せることをねらいとしています。最初からナチュラルスピードで話を行い、相手に通じる英語を話す、レッスン中の80パーセントは生徒に話をさせるようなプログラムを考える。そのためにも,できるだけ生徒同士だ話をする場面を作ったり、ロールプレイやペア学習,アクティビティを活用して,動きのある学習内容を考える必要があります。 一つのレッスン時間を5分程度にし,生徒が集中して学習に取り組めるように学習内容を考えるとともに、Q&Aの形をとり、相互に学習が進められように配慮することも大切です。 |
参考資料 「遊びから学ぶ小学校英語授業シリーズ18(教育ビデオライブラリー)申し込み先
〒101−0064 東京都千代田区猿楽町2−5−4 OGAビル
日本児童教育振興財団 ビデオ係