座禅エクスタシー
飯塚嘉穂劇場2000年7月30日

REPORTED by GP-Z


台風の接近も心配される天候の中、家を出る。雨がちらほら降ってくる、
博多駅でナッツさんと落ち合う、その頃から雨はやんできた。
飯塚へドライブ、ナッツさんが持ってきたラブ・サイケデリコなど
聞きながら40分ほどで飯塚へ到着した。


車を止めて嘉穂劇場へ様子を見に行く、まだ開演まで2、3時間ある。
通りからちょっと入った住宅も多いとこに嘉穂劇場があった、
正に劇場でロックのライブをやる場所とは思えない、、、
が、リハやってる!浴室だ。音がよく聞こえた、あたりに響き渡っていた。
近所迷惑では?と思ったくらい。

劇場の表に例の座禅エクスタシーの看板と、
林檎姫を能條純一みたいな
絵でかいた看板があった。あの看板の前で写真撮りたいね、
とナッツさんと盛り上がったんでフィルム付きカメラ探しに街へ向かう。
カメラ買ってから喫茶店で時間つぶす、
街にも赤い上着がちらほら
見かけてすぐ座禅の客と分かる。開場の時間が近づいて劇場へ向かう。
敷地へチケット見せて入る、もう人がいっぱいで列ができている。

みんな赤い上着で、ちょっと異様な雰囲気だ。
入場の列と、もうひとつグッズを買う列まであった。グッズは、
Tシャツ、ステッカー、扇子くらいのようだ。
ずいぶん並んでから、
本当に靴脱いで劇場に入る。無断で発育の写真とか載せた雑誌が
あったとかで、チェックが厳しい、それや靴脱ぐとかで時間が
かかったようだ。赤い座禅エクスタシー座布団もらって中に入る。

席はとの25列目、6人がけの桝席になっていて、と列は横の並びで
真ん中やや左の列、2人づつならぶ桝席で25は前から13番めになる。
下克上の3階から考えるとめちゃくちゃいい席だ。

しかも桝のなかで一番前で、その前は通路になっている。劇場内は1階2階
合わせても千人は、超えないと思われる。舞台は障子が閉まってて、
マイクスタンドがいくつかとすすき、右手にキーボードらしいものが見える。
客電も座禅の提灯で雰囲気がある、ホントに座禅でスタンディング禁止の
アナウンスがある、膝立ちまではいいそうだ。なかなか始まらない、
結局40分押しくらいでピアノのイントロが流れてライブが始まった。




イントロは「時が暴走する」でテープのみ?で歌は入らず。
打ち込みの音が流れだして、これが「積み木遊び」の打ち込みヴァージョン
だった、障子はまだ閉まったままで、着物姿の林檎姫が左手から、そそと登場。
ちょっと小首を傾げた感じでささやくように歌い始める。
何時の間にか、これも着物で右手のブースにマニピュレーターがいる。
ショートの着物姿の林檎はなんともかわいかった。



途中から障子が開いてバンド演奏になる。なんと全員着物だ、前にはすすき
後ろには竹林。右手からマニピュレーター、キーボード、ベース、ドラムス
ギターだ、器材は下克上と同じようだ、ベースはジャズ・ベース、ギターは
レスポールのブラック・ビューティー前回はわからなかったけど、アームが
付いている、シンクロナイズドとかフロイトローズじゃなくレトロな板ばね式
らしい。ベースアンプは今度はアンペッグと分かった、ギターアンプは
これも前回と同じくマーシャルのヘッドにオレンジのキャビネット。


林檎はギターまだ持ってないが、オレンジのアンプが用意してある。
ベースがおしりから響いてくる、こんなのは初めてだ!
バンド演奏になってからも、少しアルバムとは違う雰囲気の演奏だ、
ベースもCDではスラップのとこを、指弾きにしたりしている。
続いてなんと「眩暈」これが聞けるとは!鳥肌もんでした。
そして「少女ロボット」のセルフ・カバー、「リモート・コントローラー」
と続く、なかなか凝ったセットリストになるぞ、と思わせる。
この辺まで、ギターとベースは曲ごとに楽器を替えていた、レス・ポールから
フェンダーのジャズマスター?かな。ベースはリッケンバッカーも使う。
ここで、MCが入る「こんにちは、虐待グリコーゲンです。」
「...ざいまーす。」と簡単に終わって。「茜さす帰路遠かれじ」に入る。

もう、これもライブで聞きたかった曲の一つだ、聞き惚れました。
前回のノリノリと違って歌を聞かせる感じの選曲だと思う。
しかし、ここからノリノリタイムだった。まず、東芝イーエムアイと墨で
書いてある本を持って来て、身体を横にしてちょっとかがんだ感じで
顔だけ正面向けて歌い出す。セックス・ピストルズの「EMI」だ、

このヴォーカルがなんともはまってて、彼女の声がパンク系にも意外と合うと
知った。パンクのカバー集でも聞きたいなぁと思った。
続いて林檎が愛用のスタープレイヤーを抱えて「アイデンティティ」だ。
そして「病床パブリック」と観客を煽りまくる感じでノリノリタイムは
進んだ、バンドの演奏の劇場の屋根を吹き飛ばしそうな勢いだ。
ここでまた聞かせる曲に戻る、シンディ・ローパーのカバー
「Unconditional Love」だ、実は帰って調べるまで、
どこかで聞いた曲とは思ってたけど、バングルズのカバーと思ってた。(^^;
いいメロディーの曲です。



ここで、長めのMCタイム&メンバー紹介になる。
嘉穂劇場でやることは、デビューとか関係なしで、決まってたそうだ。
「理由はこの雰囲気を見てもらえれば分かると思いますが、日本で
こんなにCDを買ってくれる人がいるとは思わなかったので、、、」と
いまいち分からない喋りが入る。で、メンバー紹介。ベースの亀田師匠は
客席から声がかかりまくる、モヒカンも飛ばす(^^)で林檎は
「危ないから気を付けてください、モヒカン尖ってますから。」みたいなこと
言ってた、でマニピュレーター、キーボード、ドラム、ギターと紹介して行く。

ひげや、髪を黒にしたとか、今回メンバーは男を強調したような話だ。
ドラムの人に前に出てコールがかかるが、場所的に動けなかったりする。
最後に、「ヴォーカルの椎名林檎です。」と自己紹介。


下克上では曲に行くときに「次っ!」て言ってたけど、今回はメンバー紹介の
時に言っていた。で、客席から体調がいいのかと声がかかる、
「体調いいですよ。点滴してきてないです。」と返事。リポD飲んだ?には
聞こえないらしくて「何かな〜?」で、リポDだと他の人の声で分かると
「こういうこと言うと後援の問題とか色々あると思うけど、某ユンケル」
みたいなトーク、それに「わたしも飲んだ」と声かかると「やった!」
で演奏に戻って、渋く「サカナ」が始まる。ベースがいいですね、これ。
そして、今回唯一シングル曲の「歌舞伎町の女王」。口元を袖で隠すように
して口笛を吹いていた。そして、ベースがスラップで大活躍の
「弁解ドビュッシー」いい感じです。


少し間があいて、幻想的にアレンジされたサビから入る「浴室」なんと
ギターはアコースティックだ、この曲はCDとも下克上とも違った表情を
見せていた。個人的には今回のハイライトの一つだった。

次は後で分かったけど、来生たかおのカバーで「マイ・ラグジュアリー・ナイト」
どっかで聞いた曲とは思ったけど。なかなかいい感じです。
それから「シドと白昼夢」やはり渋い選曲です。照明がこっちへ向いて
眩しいったらない。この曲だったかな?拡声器が出てきたのは。
続いて、また林檎がスタープレーヤーを持ってまさかと思った「ストイシズム」!
感激でした。

CD聞いたときは、こんな遊びの曲までメロディーがいい、
と感心してたけど、こうやってライブで聞くと遊びどころか本当にいい曲だ。
しかも入りが林檎の「さんのーがはいっ」という掛け声!
この掛け声、発育の時やってたと聞いていいなぁと思ってたんで生で聞けて
ラッキーでした。そして、あっさりと終わるとMCもなく引っ込んで行った
林檎一行でした。



アンコールをやっていると、なにやらピアノを運び込んでいる。
やがてメンバー出てくると林檎はピアノに向かって弾きかたり、後から知った
けど、これもセルフカバーで「日本に生まれて」でした。
なにやら途中で、後ろの竹林に長い黒髪に白い衣装の人形が磔になった姿が
現われた、これは何か深い意味があるのでしょうか?
ともかくまたMCもなく林檎達は去っていって、なぜか座頭市のナレーションが
流れてライブは終了した。



とにかく、素晴らしいライブだった、歌も演奏も曲も、そして演出も。
劇場の雰囲気、セットの雰囲気、メンバーの着物姿もあって別空間に
いるような感じを味わうことができた。個人的に幸せ空間と思いました(^^;
本当言うと、なんか世界に浸ってしまって下克上の時ほどよく内容を覚えて
ないんです。選曲も歌を聞かせるのが中心って感じで、林檎姫の歌は素晴らし
かった。短くした髪に、渋い色の着物がなんとも可愛かったし。
頭の普段使ってないとこに来る感動のライブだった。
マキシのカップリングの曲も捨て曲なしを証明してくれたし、シングルは
ほとんど買わない主義の僕だけど、林檎のだけは買う価値ありと思う。
ところで、ゴルゴを太らせてブスにしたようなSPらしき人がいて、途中で
客の一人に何か言っていた、その後はステージ袖に佇んでいた、恐っ(ーー;



さて、終了後だけど、なんと劇場の外の敷地内まで撮影禁止で看板の前で
写真とる計画はあえなくついえてしまった。ナッツさんとステッカーとか買って
帰ったけど、ナッツさんはTシャツが売り切れで買えませんでした。
今一歩でしたね、ナッツさん。結局グッズは完売だったようです。
博多までドライブして博多駅そばでラーメン食べて、ナッツさんをホテルへ
送り届けてから帰った。自宅へ着いてしばらくすると、忘れていた
雨がざっと降りだした。




「座禅エクスタシー」PROGRAM

7月30日飯塚嘉穂劇場セットリスト
イントロ(時が暴走する)
積み木くずし
眩暈
少女ロボット
リモートコントローラー
<MC>
茜さす帰路照らされど
EMI
アイデンティティー
病床パブリック
Unconditional Love
<MC>
サカナ
歌舞伎町の女王
弁解ドビュッシー
浴室
マイ・ラグジュアリー・ナイト
シドと白昼夢
ストイシズム

<アンコール>
日本に生まれて


GPさんすばらしい音楽レポートサンクスでした
concertに行けずに
涙流しながら一人concertやってた私にとっては
最高のconcertreportです。
椎名林檎めあてでここに見た人も
満足満足でございやしょう・・・・あ〜〜〜BGMは林檎じゃ〜〜




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