三好美覚の理科の授業(鶏頭水煮を使ったニワトリの脳の観察)
中学理科2年
感覚器官とか感覚神経とか大脳とか名称は学びます。でも、図を見て終わりになりがちです。
やっぱり本物を見ないと。昨年、愛媛県の理数講座でニワトリの頭部の解剖をしました。解剖が
あまり得意でない私はなかなか踏ん切りがつかなかったのですが、以前からやろうと考えていた
ドッグフードである『鶏頭水煮』を使ってやることを決意しました。<2005.4.27>
●用意するもの 鶏頭水煮、ペトリ皿、ビニール手袋、つまようじ、ピンセット、ざら紙か新聞紙
●観察する視点 大脳、小脳、視神経、中脳など
●方法
愛媛県の県立高校で生物を学ぶ生徒は、このニワトリの脳の観察をしているそうです。生のニワトリ
の頭の解剖となると、頭骨をとるのにかなり手間取りました。固いのです。頭蓋骨の破片を飛ばしながら
の作業でした。ところが、この鶏頭水煮を使うと、簡単に大脳などが観察できます。とっても柔らかいから
慎重に作業する必要がありました。
※気温が低いと油が固まるので、湯せんして温めてからするとよい。缶詰によっては、かなりのゼラチン質
を含む物もあり、お湯で洗った方がいいものがあるかもしれません。
(1)素手で(ピンセットでは壊れます)にわとりの頭部を一つとり、トサカを上にしてペトリ皿の上に置きます。
(2)ピンセットでトサカを取り除き、頭の皮をむき、頭骨(頭蓋骨)が見えるようにしました。
(3)ピンセットで頭蓋骨を丁寧にとりはずし、脳が見えるようにしました。
(4)脳を取りだし観察します。取りだした脳を裏返し、脳の各部を観察しました。
脳を取り出すとき、眼球から大脳の下方(間脳)へ視神経が伸びているのを確認しました。
前の方にあるハート型の大きいのが大脳です。その後ろに中脳、小脳、えんずい、せきずいがありました。
ポイント:脳を下側からみると、視神経が交差して左右の眼球に向かって伸びています。
ポイント:鳥は空を飛ぶので、平衡感覚をつかさどる小脳がほかの脊椎動物に比べ、発達しています。
鳥は眼球活動をつかさどる中脳(視葉)も発達しています。
(5)カミソリで脳を縦長に切断して、断面を見ました。
ニワトリの大脳にはしわがありませんでした。
(6)くちばしを観察しました。
歯がありませんでした。舌があるのがわかりました。