ナショナル(型番不明)

 昭和32年頃の5球スーパーラジオである。ケースは木製、フロントパネルは樹脂製でマジックアイは無い。当時の家庭用中級に位置する機種と思われる。音質は抜けも良く、パワーもあり、受信時の選択度も良好である。音量調節も「ガリ」一つなく、私の常用ラジオとして現役で活躍している。

  

        

スイッチ類はボリューム及び、電源SWとTone:Low/High同軸切り替え式

 



ラジオ/ピックアップの切り替えはフロントパネルではなく、背面ケースのスライドスイッチにて行う。

 





 一通り掃除を終え、内部を点検するも特に異常は認められない。非常にコンディションが良いラジオである。ブロックコンデンサーは昭和20年代に比べると随分コンパクトになっている。音質的にはVictor R-701に比べて年代が約5年以上新しいせいか、スピーカーユニット振動板の剛性が高く抜けが良い。また、現在のラジオに比べ木製ケースの内容積が大きいせいか比較的低域まで再生され良好である。また、シャーシへアースを取ると選択度・S/N比が格段に向上する。

 

 現在のラジオと違い、木製ケース脚の固定は釘で行っている。(後から加工を加えた物ではない)

 



 この当時(昭和30年代初期)のナショナル製ラジオのトレードマークでもある「世界的レベルの・・・」がほのぼのとした、また当時の意気込みを感じて妙に感動的である。