Victor R-701(1955頃6球+マジックアイ)

  

 

 急に古いラジオが欲しくなり、骨董が趣味の友人(自分で作る庭コーナーに出てくる友人)宅に古いラジオを見に行った。さすが骨董が趣味と言うだけあってコンディションは良いのだが、鳴らない(沈黙)状態であった。何とかして生かしてやりたいと思い、

私:「このラジオ譲ってくれ」

友人:「金はいらん。何とか復活させてやってくれ」

 と言うわけで、当時としては高級なラジオを友人から頂いた。ここからが正念場である。何分古い物なので電源ケーブルがボロボロでとても電源を入れる状態ではない。まずは掃除からである。良く観察すると、戦時中のものとはまったく違いずっしりと重く立派なラジオである。チューニング窓はランプが薄暗いが、分厚く重いセルロイド製。戦後の急激な復興をラジオを通じて感じる。

 

 木製ケースから本体を取り出してシャーシ上面・下面を掃除機で埃を吸い取り、手の入る部分はふき取りで綺麗に掃除をする。このラジオは製造から約46年が経過しているにも関わらず非常に綺麗な状態であった。ボリュームが効かない状態であったので分解して消毒用アルコールで清掃の後、躍動子のバネ調整し概ね完了した。

 真空管も当時の輝きを取り戻した。この機種は全てナショナル/Victorの両社の刻印が打たれた球であった。構成は後面から見て左からUZ6D6,6WC5,UZ6D6,UZ42,RX80BX,奥に6ZDH3A+6E5。

   

Tube Location及びスピーカーユニットのバックプレート

  

スピーカーユニットのバックプレート右下に「41055」と銘うたれている。1955年製のものかも知れない。


突然のアクシデント  機嫌良く1時間程度楽しんだ後、ラジオを移動させると底部分にオイル状の染みを発見した。


 

●音質及びインテリア

  音質は、スピーカーユニットの振動板が比較的薄く、剛性不足もあるせいか若干抜けが悪く感じる。しかし木製ケースが大型なので想像以上に低域の再生能力が高く「Phone」からCDプレーヤーを接続して音楽を聴いても十分楽しめる音質である。修復を終え、現在このラジオは高級機ということもあり我が家の座敷(脇床)に鎮座している。インテリア的には何とも言い難いが、見た目の収まりはまあまあというところ。(家内はブツブツ言いながらも掃除の時にこのラジオを使用している)