| 某月某月 ......愛媛県 . 持ち時間 5時間 ![]() 参考図 クラゲ黒鯛まで 本日の対戦場所は、愛媛県の静閑な防波堤。 やや早めの朝食をとって、対戦場所に姿を見せた航希鰺釣り2級は、鼻の下と 顎の周辺に無精ひげをはやし、顔は褐色に日焼けし、いかにもこの対戦に気合 いを入れている様子が伺える。前期のC級順位戦3連勝の後の5連敗で負け越 したのが、よっぽど堪えたに違いない。 一方、前期順位戦B級2組からの昇進を果たしたクラゲ鯛釣り2段は、自信の 現れか大型クーラーを持っての登場。 そのクーラのあまりの大きさに、挑戦者的立場の鰺釣り航希2級は冷やかしの 言葉も見つからずただ黙って頷いている。 さて、記録係が「航希先生の先手です」の言葉に、ゆっくりと扇子を広げた後 おもむろにオキアミ袋を広げた航希氏。やはり今日もオキアミバッカン移しか ら、サビキ攻撃を仕掛ける得意の手である。 クラゲ2段は冷静に、リールの調子を見ながら受け手を捜して,サビキにはサビ キを当ててくる作戦か。 両氏、サビキをバッカンに移した後、コマセカゴをセット。このままオーソド ックスなアジの交換から、ひっとしてチダイの展開。中盤まで一瞬も気を抜け ないのか、まったくやる気のないのか計り知れない時が流れたが、航希の大サ バ1匹から一気に対局が動く。航希このままサビキ続くなら、大サバ2匹から 3匹の展開も大いにあり得り、クラゲ氏にとっては後手後手に回ってしまう。 いくら後半の追い込みに絶対の自信がある氏にとっても、これ以上相手得意で 争うのは避けたいところ。 よってやや考えての、4号ブッコミ打ち。奇策である。が、横目でチラリと覗 き見した航希の動揺から何かがあると記者は気づいた。 よくよく考えて見るとなるほど、普段は2号ハリスのフカセから、イソメの2 匹掛けを仕掛けたい処だが、一気に4号ブッコミ打ちで、航希の大サバ2匹の 気をそらし、万一のアジの一家釣りをも牽制する狙いある。一般には航希2級 のサビキ諦めの手もあるように思えるが、晩御飯が大サバ一匹では、おかあち ゃん許さず!の気配があるので、迂闊には動けない。。一見攻めていたように 思えた航希氏だったが、やはり好調の釣り師の柔軟な対応は、以外に懐が深く 航希氏には、有効な手だてが見えて来ない。 お弁当休みの昼前になって、やっと10号カゴ振りに手を出だし、最後の決戦 に望みを託す。さもあらん!とやや引き締まったクラゲ2段もすかさず12号 カゴ振り。ここで同12号カゴ振りの手もあるかと思えたが、12号用のオモ リを持っていなかったらしい。 飛距離では大幅に後手の有利な展開となるが、一瞬のネコ騙し作戦的奇襲攻撃 が得意な先手であるから予断は許さない。 昼食後、やはり有利な展開を見せたのはクラゲ氏。カゴ振り12号の脇を固め ていた4号ブッコミに待望のアタリ。浮いてきたのは紛れもない黒鯛42cm。 ニイッと笑う同氏に、大きく首を振る航希氏。このまま10号カゴ振りなら、 2本竿攻撃の猛攻から、黒鯛連発、に対し同小鰺、マダイ、同小鰺。 極めて先手不利である。しかし、「釣果の向上より、礼儀を重んじ社会人とし て恥ずかしくない釣り人を目指す!」を目標にしている航希氏だけに、中途半 端に諦めず、ビール2本を飲みながら相手にヤジを飛ばす成り行き的な作戦に 出た。その動揺作戦に揺さぶられたのか、クラゲ、ブッコミ竿,根がかりから 12号カゴ振りライントラブルへと悪手を付いてしまった。 勢いという物は怖い物である!後手のゴテゴテを見ていて心晴れ晴れの航希氏 の10号カゴ振りの浮きが、水上軽やかに沈み込みなんと、65マダイの妙手。 慌ててクラゲ氏、28メバルを返すも、その後が16イソベラ 12河豚と続 かず、勝負あった! つくづく釣りの勝負とは怖い物である。 |