水害の記録と今後の為の忘備録

2004/9/29発生

2004/9/29 夕方 台風21号の接近に伴う豪雨によって、市内を流れる2つの川がほぼ同時に氾濫した為住んでいた社宅も水害の災禍に見舞われました。
このページは、思い出と共に、今後の対策を考える意味でも少しでも誰かの役に立てばと思い作ることにしました。

河川氾濫から一夜明けた状況です。
社宅アパートの地下倉庫が完全に水没してます。配電盤も地下倉庫の壁なので結局電気の復旧までに3日掛かりました。
某炎なページでも書かれていますが、とりあえず3日間何の助けも得られないことを想定して、緊急用品は準備しておきましょう。

くまが会社から帰ってきた時には、とりあえず駐車場の水は引いていましたが、目撃者によるとくま号はボンネットまで沈んでいたそうです。
少なくとも、泥痕から見ても、ドアノブ下、バンパー辺りは完全に水没してます。
くま号よりももう少しだけ駐車場所が高い位置にあったFitもフェンダーアーチ付近まで来てます。
室内もシートの下側は湿ってます。

車両保険入っていたこともあって結局、2台とも廃車となり、2台分の保険でマイナーチェンジした新型Fitに乗り換えました。

車が水没したら。

車両保険に入っていますか?

入っていたら、入っている車両保険が水害もカバーしている保険か確認しましょう。
大抵の車両保険は、エコノミー(いわゆる車対車のみ)でも災害時は保険が適用されます。
(水害がカバーされる)車両保険に入っているのであれば、基本的に車に触らず、まずディーラー(or 面倒見てもらっている工場等)と保険会社に電話です。(ディーラーや工場が加入している保険代理店をやっていれば取りあえずの連絡は1回で済みます)
特に、中途半端な水没(床下のみとか)の場合下手に触って動かなくなった場合、保険の責任範囲が変わりますので、まずはTELし、指示を待つこと。

特に車両保険で、保険の対象となる部品類が有る場合は(メーカーOPや、後から追加契約した装備)、そのままにしておくこと。
特に全損扱いになった場合は、外されているとトラブルの元ですので。

保険に入れていない後付けの部品であれば、取り外して回収するのも良し。(ただし取り替えた部品などで元に戻せない場合は取り外してはダメ(マフラーやダンパー、タイヤ・ホイールなど)
特に全損の場合、所有権が保険会社に移り、保険会社から保険金(+一時金(保険金額の1割)+レッカー費用 など契約や保険会社によって扱いが違うのでよく契約内容を確認しましょう)が支払われる分、保険会社では使用できる部品などを回収した上で売却し保険費用の一部を回収しているようです。
そういう意味で、純正部品を残していてパーツ交換している場合は、元に戻すことはOK。(ただしそこまでしてパーツ回収する価値があるかどうか?ですね。)

保険の支払いは、車両の引き上げをもって決済されるようですので、引き上げが遅いほど支払いも遅くなるようです。

私の場合は、完全水没したロードスターでいえば、シート、シートレール、ヘッドライト、テールランプ、MDIユニット、ビッグスロットル、ロールバー、油圧計、水温計、マスターシリンダーガゼットなどがその気になれば外すもしくは、交換できるパーツでしたが
作業の手間と後処理の事を、今すぐに処理しなければならない事と天秤に掛けて、きっぱり諦めました。
ただ、簡単に取り外せるバイザープラグや、サイドリフレクターは、元に戻しました。

車両保険に入っていない場合は、基本的に修理するにしろ自腹ですから、廃車にするなら
部品を剥ぎ取って、少しでも次の車の資金の足しにするのも良いでしょう。

被害を最小限にするため次の点に注意。
※いきなりエンジンを掛けてはいけません。
特に吸気側で浸水し水を吸い込んでいる場合は、エンジン内に水が入り、
圧縮工程で圧縮できなくなり、コンロッドやクランクを破壊し、エンジンが
壊れて取り返しのつかない状態になります。

@まず、バッテリーの水没状況を確認。(バッテリー搭載位置によっては、
漏電ショートの可能性がありますので、非常に危険)
水没を免れていれば、バッテリーからの配線が濡れていないか確認しましょう。
(濡れていれば、ショートや、漏電の可能性有り。最悪車両火災や、感電死します)

Aバッテリーの水没がなければ、車内、トランク、ボンネットを開けて水没状況を確認。
水が溜まっているようであれば、水抜き穴があればそこから、なければコップなどで掻き出しましょう。
(車内の必要な小物・貴重品などはその際に回収しましょう。車検証も忘れずに)

B車両の制御用コンピューターの状況を確認しましょう。
(普通車は、大抵助手席の足元、軽自動車などではグローブボックス等の裏にある場合もあります。)
これが完全に水没していると、最近の電子制御の車は大抵全損扱いになります。
もし水没していたら、一旦本体を取り出し、乾燥させます。
これが水没したままで、ショートしていると制御がおかしくなり最悪事故に繋がります。

Cエンジンルームをチェックし、タイミングベルトやオルタネーターなど回転部や駆動部をチェックし、水没状況を確認します。
さらに、エアクリーナーや、吸気パイプなどもチェック。
吸気側にもし水などが溜まっている場合は、とにかく外せる部品を外して、乾燥させませよう。(応急的にはエアクリーナーを外した状態で処置をしても良いでしょう)
付着しているゴミ類を取り除きます。

Dプラグコード、プラグを外して、水濡れがないかをチェックします。

Eその状態で、セルモーターを廻します。(エンジンを掛ける)
コポコポ音がしてエンジンがセルによって廻ります。

Fこれによりシリンダー内に水が入っていないか確認します。
(2人で作業し確認するのがいいでしょう。)

G水が入っていなければ、プラグ、プラグコードを元に戻し、エンジンを掛けます。
すぐにエンジンがかかるようであればしめたものです。
暫くの間マフラーから水が出つづけますが、そのまま掛けておきます。
(触媒を乾燥させるのと、排気系の内部に溜まった水を出すのが目的)
(修理可能な状態であり、エンジン掛かったとしても、排気系内の水は完全に
抜けないので、マフラーや触媒などのパイプの接合部を一度ばらして抜くそうです。)

Hエンジンが掛からない場合は、吸気系の詰りやガソリンタンクへの水の浸入の可能性が
考えられます。こうなると素直にレッカー呼ぶなどして工場にもっていきましょう。
(あるいは、廃車にする決心をしましょう)

Iエンジンが掛かればついでに空調を暖房にして車内を少しでも乾燥させましょう。
なお防音・断熱の為フロアカーペットの裏側にはフェルト類がありますので基本的には
内装を剥がした上で、洗浄乾燥させるか、交換してしまいましょう。

Jエンジンが掛かったからといってOKなわけではありません。
灯火類や各種電装部品の作動チェックをしましょう。
大抵水没すれば、色々なワーニングランプが点灯していると思います。
取説などで、念のため状況確認し、速やかに修理工場へ持ち込みチェックしてもらいましょう。

Kなお基本的に床下でも水没した今の時代の車は電気配線などが多少なりとも浸かっていると思います。
いつショートや錆びによる不具合が出るかも判りません。
エアバッグがいきなり爆発するかもわかりません。
またエンジンオイル、ミッションオイルにも水が混ざっている場合がありますので、
できるだけ早く交換しましょう。

L水没した以上そのリスクを理解した上で車に乗りましょう。

当然冠水した道路を走るのも水没に遭遇したのと同じような状態になります。
危ないと思ったら引き返す勇気が大切です。
あまり良く知らない道で、冠水した道を通っていて、高架下でそのまま水没なんてこともありえます。
自然を甘く見るとしっぺ返しを食らいますよ。


自宅が床下浸水した。
畳や、床板が剥がせるのであれば、剥がしてしまいましょう。
その上で床下に流れ込んできた土砂やゴミを取り除きます。
除去後は石灰を巻いた上でできるだけ乾燥させましょう。
エアコンや扇風機などをうまく利用してやることで、早く乾かせるかも。
乾燥したら、消毒薬を撒いて元に戻します。

自宅が床上浸水した。
基本的に家財道具など紙・木製品は処分しましょう。
それ以外でも汚水が付着しているわけなので不衛生になりますので
捨てれるようであれば思い切って処分しましょう。
後は床下浸水と同様ですね。

地下室が水没した。
まず、照明やコンセントが設置されている場合は、ブレーカーを切ること。
感電する可能性が高いです。
それが出来ない場合は、水を汲み出すとかしないこと。素直に行政なり業者さんに
助けを求めましょう。
仮にするとしてもゴム長靴、ゴム手袋など電気を通さない素材の保護具でかつ
濡れないようにした上でやりましょう。

水没=汚水が流れている可能性が高いです。消毒は必ず行いましょう。
また高潮などでは、後々塩の影響が出てきますので、塩水に浸かった場合は
早いうちに充分な量の真水で洗い流しておきましょう。

Homeへ戻る