純正シートを左右入れ替えることが出来るのか?
NB1の場合。

2003/8/3 一部加筆修正。

純正シートの運転席と助手席をレール毎そっくり入れ替えることが出来ないか?
と言う、ある意味くだらない思い付きから、チャンスがあったので実行してみました。

そもそもの発端は、こういうことです。
くま号の運転席は普段は、レカロ SP−G+ニーレックス イントルーダーと言う組み合わせの為、一応車検には通らない事になってます。
(実際ディーラーでの車検は、やんわりと断られました)
つまり車検を受ける為には、運転席には純正シートなり、適合するシート(あるいはレール)を用意しておく必要があります。
(ちなみに、助手席はレカロ AM-19 SP-JC+BRIMPレールなので、このままで車検通ります)

フルバケ用のサイドステーも、BRIMPレール(ロードスター運転席用)もすでに売り払って手元にないので、純正シートでやりくりしなければ(苦笑)
ただ、助手席は廃車にするまでこのまま行こうと考えてますので(チャイルドシートも装着出来そうなので)、そうなると純正シートを左右2脚保管
しなくとも1脚有れば充分。
また、需要もどちらかと言えば、運転席の方が多いので(運転席だけ交換して、助手席はそのままと言うケースが多い)、どうせ処分するなら、
純正の助手席を運転席に移植して、運転席をオークションなどで売り払う方が、パーツの有効活用が出来そうです。

そういった背景から、車検が終わり、シートをSP-Gに戻す前に、助手席も倉庫から引っ張り出して、データ取りしながら、実際に装着して見ました。
(幾つか画像・データ取り忘れてることに気づいたので、不足しているところは、またの機会をお楽しみに)

まずは、データから。
計測は、ボルト穴(or開口部)のおおよそ中心の直線距離をメジャーで計測。(レールの角度が付いている部分や、読み取り方の違いにより誤差はあります)
今回の目的は、付くか付かないかの確認なので、細かいデータは取ってませんので、このデータを元にレールを自作なり、加工されて、うまく装着できなくても
一切責任は負いません(爆)
そんなことをされる方は、それなりに現物を確認されるなりして詳細なデータを取ってくださいね。

シートとレールの固定ボルト穴のそれぞれの長さ
シートと記載
シートレールとボディの固定ボルト穴のそれぞれの長さ
レールと記載
運転席シート 34.7cm 34.7cm 30.0cm 30.0cm
助手席シート 32.7cm 32.7cm 未計測 未計測
運転席レール 33.7cm 34.7cm 40.0cm 39.7cm
助手席レール 31.7cm 32.5cm 40.0cm 39.5cm

助手席のシート側の前後のボルト間隔は、測定するの忘れてました(^^ゞ
ただ、レールの測定値から考えると、運転席側とほぼ同等かと思います。何かの機会に覚えてたら測定しましょうかね。

ちなみに、レールとシートを固定するボルトの2面幅は、12mm。
レールと、ボディーを固定するボルトの2面幅は、14mmです。

じゃあ、画像を交えて解説。

これが純正シートの装着状態です。
左の画像は、上から見た状態。フロアトンネル側、サイドシル側とも、ギリギリの幅と言えなくはない状態です。
右の画像は、ステアリングセンターとシートセンターがどれくらいオフセットしているかを見ようと思って撮影。
座面のセンターとホーンボタンがほぼ直線状なのでステアリングセンターにきちんと正対していると言えそうです。

左:運転席底部、レール付き
右:助手席底部、レールなし
(単に助手席のレール付きの画像取り忘れただけ)

ぱっと見、シート底面のフレームの形状を見る限りほぼ左右対称。
ただ、リクライニングレバー機構(外側)が入ったり、シートベルトキャッチの固定板を受ける部分の鉄板の形状が左右対称じゃないです。
各部位の採寸をすれば、もっと詳しいデータになるんでしょうけど、今回の趣旨とは違うので、取り付け穴の間隔のみ測定しました。
レールは、左右独立してますが、スライドロック機構は、ワイヤーで繋がれているため、きちんと両側がロックされるようになっています。
倉庫保管の時は、このワイヤーを外すと、レール単独でコンパクトに収納できます。

      

クッションのサイドの形状の違い。
助手席のクッションなので、左がフロアトンネル側、右がサイドシル側。
クッションの生地の境目から、一番長いところで左7cm、右3cm
右の写真で白くポツポツ見えるのは、実はカビ(^^ゞ。地下倉庫に4年寝かせた為です。

さて、車体側の状態ですが、こんな感じになります。
砂やら、ゴミやら意外と溜まっています。
お金は落ちてませんでした(笑)

上部に2箇所穴が見えますが、そのうち上側がボルト固定部分、下側がレールについてる突起が収まる部分です。
画像が見難いですが、フロアトンネル側が固定、サイドシル側が長穴になっている為組み立て精度の誤差をここで受け止めているのではと
推測します。
下側の丸い穴がレール固定用のボルト穴。
穴のさらに下に見えるのは、4点ベルト用のアイボルトと右下にロールバーの足が写ってます。
フロアトンネル側は、適当に穴を開けて固定したので、よく見ると左右で位置が(実は高さも)違います(爆)
ちなみにNR-Aパックを装着する際のアイボルトの穴位置は床面から45mm、背面から70mmのところに穴開けるそうです。

先に提示したデータで判るとおり、助手席純正シートをレール毎装着しようとすると、レールとボディーの穴位置が約2cmずれてしまいます。
また位置合わせ?ピンの位置も違いますので、レールがボディーに乗りません。
ピンを切り飛ばしても、レールの穴を長穴加工して付けれるかどうか、怪しいところです。

レール毎の入替は、それなりの加工をしないと無理と判明したので、次は助手席シートに運転席レールを装着できないか?
と言うことで、チャレンジ。
元々、予想される難関は、レールが左右入れ替わるため、シートベルトキャッチの固定板がリクライニングレバーに当たるのではないか?

これは、運転席の正常な装着状態。
左が、ベルトキャッチ側、右がリクライニングレバー側。
左の画像の2本のボルトですが、実はシートに固定するようになっています。これによりキャッチの強度を確保しようとしているのではと思います。
右の画像のリクライニング部分のカバーの下に、2本ボルトがありました。
カバーを外して、このボルトにうまく共締めすれば何とかなるか?思ったのですが。。。
ちなみに このボルトの間隔は、リクライニング側、ベルトキャッチ側で異なってました。(メモの値がおかしいので値は書きません)

実は上の表を見れば判るように、シート側のボルトの間隔が元々狭いので運転席側レールを装着したとしても、ボディーへの固定は多分無理と思われます。
何でこんなことを書くかと言うと。。。

リクライニングレバー部のカバーの上からレールを留めようとすると、シートにレールが固定できません。
それではと、カバーを外そうとしましたが。。。
リクライニングレバーのプラスチックパーツを外さないと外れません。引っこ抜こうとしたけど外れそうになかったので、壊すのは手段に入ってないので
検証はこれにて終了。

結論

純正シートでは、運転席と助手席を入れ替えるのは簡単には行かない。
運転席は運転席に。助手席は助手席に。がよろしいかと。

手動でリクライニングさせる社外品のシートは、大抵左右の区別はないです。レールだけが代わるのみ。
逆に言えば、レールだけでだとステアリングとシートのセンターをきっちり出すのが難しいとも言えますが。

ちなみに、レカロAM-19 SP-JCの場合は、一応シートも運転席、助手席(と言うか、右、左があります)
リクライニング・ヒーター・ファンのコントロールのカールコードの出る方向が左右なのよね。
これでセンターが出てたかどうかは・・・覚えてません(^^ゞ