虫に刺されたとき


はじめに

 日常、虫による被害を受けることは多いことです。地球上には無数の生物がいて、互いにそれらが共同生活をしていることも事実です。この食物連鎖のなかで、人間には時として有害と思える虫から身を守り、もし被害を受けた場合、適切な治療を受けなくてはなりません。
虫に刺される被害の中で、発病する原因として、

などがあげられます。 ハチ刺咬によるアレルギーショックの死亡例は、新聞、テレビで時々報じられていますね。つつが虫病は、つつが虫の幼虫が病原微生物のリケッチャを媒介し発病します。また日本脳炎は、ブタで増える日本脳炎ウィルスを小型アカイエカが、媒介していますが、今日ワクチン摂取で著減しています。


ハチ刺症

アレルギーを生じさせるハチは、スズメバチミツバチアシナガバチなどです。個人差はありますが刺傷後から、局所の発赤、疼痛(いたみ)、腫脹(はれ)が出現します。ハチの毒素にアレルギーがあると、吐き気やじんま疹などの全身症状がみられ、さらにひどいときには、呼吸が苦しくなり、意識がなくなり血圧が下がってアレルギーショックとなるのです。
 したがって、蜂に刺されたぐらいといって軽く考えずアレルギー体質の方は、救急病院か外科系の病院に急いで介助者と駆け込む必要があります。
余談ですが、私の知っている患者さんは刺さったハチの針をすぐ抜きます。ミツバチには針には毒嚢(ふくろ)があり、20分以上毒を放出し続けるといいますから適切な処置かもしれませんが、毒嚢を指でつかむと毒を押し込みますのでご注意下さい。このようなケースをときどき経験していますが、2回目以後ハチに刺された方は初回より症状が軽いという印象を持っています。


つつが虫病

つつが虫病をご存じでしょうか。この愛媛県でも平成8年4月に今治市でも男性の方がつつが虫病にかかり、今治中央保健所から医療機関に報告されました。以前は東北地方の風土病といわれていましたが、最近ではつつが虫の種類が変わり全国どこにでも生息するようになりました。したがって西日本地区でも春秋につつが虫病の発生報告が頻繁にみられています。
野山での仕事、ハイキング、山菜取りに出かけた際、ダニの一種のつつが虫に刺され感染します。感染後、数日を経て刺し口に近いリンパ節が張れてきます。2、3日後、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛を伴って突然発熱し徐々に39〜40度に達します。その後、全身に発疹が拡がるのです。西日本では、あまり知られていないために重症になることもあり 上記の症状の他に、虫の刺し口がみられれば、つつが虫病を強く疑う必要があります。確定診断は専門的な検査を必要とします。


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