救急蘇生法


はじめに

 救急蘇生法とは、病気やけがや災害発生時に傷病者を正しく救助して、 心臓の動きや呼吸が停止した人をよみがえらす手当を言います。医師や最近、救急隊員はその仕方を熟知していますが、それより前に皆さんが知っておかれると役に立つのです。脳死を回避し、正常な体の動きを回復させることが救急蘇生法の目的です。まず傷病者を観察して下さい。

をしらべます。


気道確保

気道確保は、空気まで入りやすいようにする手当で救急蘇生法のなかでも基本的なもっとも大事なことです。
この気道が確保できていれば助かったと思われることが多いのです。また気道が通っていなければ、次の人工呼吸も効果はまったくありません。私たちは器具を使用し、気管内挿管をしていますが道具のない現場では用手的に 実行します。救助する人は、両方の手を下顎の先にあて、下顎を押し上げるようにして、頭を後方に傾けるようにします。そうしますと舌根沈下を防ぐことができます。これだけで止まった息がふきかえすことがあります。そして一度は口の中をみてみましょう。意外と食べ物などが入っていることがあり、その場合は取り出しましょう。 また、胸と腹の部分を同時にドンと押さえてみます。この時、気道内異物が飛び出ることがあります。さあ、これで人工呼吸の準備が出来ました。


人工呼吸

現在ではマウス・トゥ・マウスといって、傷病者の口または鼻から直接息を吹き込むのが最も一般的です。 思い切ってやることが大事です。空気が入らない場合は、気道内に異物があるか、気道の確保が十分でないこと多いのです。5秒に一回ぐらい吹き込んで、がふくらむかどうか確認してください。


心マッサージ

心臓が止まっていたり、動きがきわめて弱いとき心臓のポンプ作用を再開するために、心臓マッサージを行います。動かなくなっている心臓を外から強く押し血液を絞り出させるようにするものです。硬い床面で、規則正しく一定のリズムで、胸の中央を手のひらで押さえます。上半身体重を利用して、胸の中央(胸の左ではありません)を垂直に押し下げるのです。かなり強く押し、肋骨が折れるぐらいの力が必要です。 心臓マッサージを毎分80〜100回の速さで3〜5cm押し下げ、5回に1回の割合で人工呼吸を行います。



図は「日本医師会雑誌」第99巻・第13号臨時増刊[釘宮豊城薯]「蘇生術」より引用

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