ヤケドをどう治す?

Q1

火傷の重症度はどのようにして判定されるのですか?

Q2

重傷のやけどと思われる場合はどんな病院で治療を受けるのがよいでしょうか?

Q3

家庭でできる応急処置について教えてください?

Q4

火傷の後遺症にはどんなものがありますか?どのように治療するのですか?

Q5

どのようなやけどの時に植皮が行われるのですか?

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Q1:火傷の重症度はどのようにして判定されるのですか?
 やけどが重いか、軽いかは主としてやけどの範囲と深さの程度によってきまります。
 範囲の計算は〔9の法則〕という図式でおおよその見当がつけられます。また手首から先の広さが1%とみて計算することも簡単な方法です。
 深さについては1度、2度、3度に分けられます。
【1度】は日焼けと同じでただ赤くなってヒリヒリ痛みますが、ほうっておいても自然に治ってしまうので治療の対象にはなりません。
【3度】というのは皮膚の全部の厚さが焼けてしまうので皮膚は固くなってしまい、痛みもかえって少ないのが普通です。
【2度】はこの中間の深さのもので水疱(水ぶくれ)をつくります。この2度のやけどは深い2度と浅い2度とでは症状も治り方もかなり違います。浅い2度の場合は水疱のところが赤みがあって痛みが強く、適当な治療がされると、おおよそ2週間ぐらいで自然に上皮がはってきて、ほとんど痕を残さないで治ります。深い2度の場合は赤みが少なく、むしろやや白っぽく見え痛みも少ないのが普通です。水疱の下に死んだ皮膚の白っぽい痂皮(かさぶた)ができています。これがとれると下に皮膚がはってくるわけですがそれまでにかなり日数がかかり、治った後にもかなり目立った後を残します。
 したがって、深い2度のときは3度と同じように植皮が必要となる場合が多いのです。 【3度】は皮膚が全部やられてしまうので、ごく狭い範囲の場合をのぞいて植皮が必要となります。
Q:やけどが重いか、軽いかの線をどこに引くのですか。
 1度はのぞいて2度、3度のやけどを合わせて体の面積の15%以上あれば、重傷と考えられ入院して積極的な治療を行わないと生命の危険があります。小児や老人の場合は10%ぐらいでもショックになることがあり当然入院が必要となります。またもっと小範囲のものでも3度や2度の深い場合や、体の部位によって、たとえば顔や手のやけど、肛門部、陰部のやけどの場合も入院したほうがよいでしょう。

 


Q2:重傷のやけどと思われる場合はどんな病院で治療を受けるのがよいでしょうか?
 重症のやけどの時は数時間後にショック状態になるのがふつうですので入院して点滴注射などによるショックの対策を考える必要があります。
 このやけどショックの治療はなかなか難しいものなので、十分な設備と専門科のいる病院への入院が必要です。ショック時期をうまく脱出できてもその後には広い創面が生じ植皮などでカバーしなければなりません。またその後にきず痕の瘢痕のため、関節の動きが悪くなったり、醜い瘢痕ができたりしますので、形成外科のある総合病院が一番適していると思われます。

 


Q3:家庭でできる応急処置について教えてください?
 まず、冷たい水で冷やすことです。衣服に火がついた時はもちろんですが、熱湯をかぶったような時でも、衣服の上からとにかくすぐに冷たい水をかけることが大切です。やけどの部分を冷やすとやけどの深さが進行するのを止めることができると考えられています。またやけどの痛みに対しても非常に効果があります。
 冷却法で手っ取り早く簡単なのは手足なら水道を流しっぱなしにして、水をかけることです。また、奇麗な容器に水を満たし、浸けるのもよいし、水に浸けられない場所なら清潔なタオルを使って冷やすのもよいでしょう。冷やす温度は、10〜15℃位がよいと言われ時間は10〜20分位が必要でしょう。冷やした後は何もつけないで清潔なタオルで創をおおって病院に行くことです。消毒薬をつけることは必要ありません。強い殺菌力の薬は創に対しても障害があります。今でもやけどに味噌や油をぬって来る人がありますが逆効果ですので絶対にやめてほしいものです。
Q:浅い小範囲のやけどの場合はどうですか。
やけどしたところを水道などでよく洗い流します。その次に、抗生剤の入った軟膏をぬってガーゼをかぶせて軽く圧迫して包帯を巻きます。創からの分泌物がなくてガーゼの表面が乾いているようならば4〜5日してから包帯を交換します。一番下のガーゼが乾いて創にくっついているような時は無理にとらないでそのままにしておいて、その上からガーゼを当ててまた包帯をします。10日ぐらいで自然にガーゼがはがれて行きます。4〜5日後になっても分泌物でガーゼがぬれているような時はやけどが深いか、感染している可能性が強いので素人治療は無理です。必ず医師の治療を受けてください。

 


Q4:火傷の後遺症にはどんなものがありますか?どのように治療するのですか?
 やけどの後遺症として一番問題になるのは、治った後の創痕の醜さと(醜い瘢痕)と、創痕のひきつれのために関節の動きが悪くなったり形が変わったりすること(瘢痕拘縮)でしょう。
やけどのあとの醜い創痕に対しては、まずしばらく経過をみることが大切です。瘢痕は創が治ってから数ヵ月から一年ぐらいは赤くて盛り上がっていますが、徐々に色が薄くなり、平坦になって目立たなくなってくるのがふつうです。2〜3年待ってそれでも瘢痕が目立つようならこの瘢痕を切り取って植皮をするか、範囲が狭ければ、縫合せるかします。
 しかし植皮の場合でも非常にうまくいったとしても、全く自然な状態となるわけでは無く、また皮膚を採ったところの痕の問題もあります。非常に見にくい時は植皮することの利益が大きいのですが、それ程でない場合は植皮に慎重でなければなりません。あまり目立たない創痕の場合、特に露出しない部位の時はむしろ手術を控えるほうがよいように思います。なかなか難しい問題ですので形成外科の専門科に相談されることをおすすめします。
 第二の創痕のひきつれの問題です。深いやけどの創面が治る時は、植皮がなされない場合、創が縮んで閉鎖されることになるので、ひきつれることになるわけです。そこでこのひきつれ(拘縮)をとるとなると、思ったより大きな植皮が必要になることが多いものです。この拘縮については新しいやけどの治療の時におこさないようにすることが大切だといえます。しかしいろいろの事情でこの拘縮のおこることは避けられないことも少なくありません。一旦発生したひきつれに対しては、あまり長い期間そのままにしておかないほうがよいでしょう。

 


Q5:どのようなやけどの時に植皮が行われるのですか?
 やけどがある程度以上の深さになると植皮をしなければいつまでも創がふさがらなかったり、たとえ創がふさがっても醜い創痕を残したり、ひきつれのために、関節の動きが悪くなったりします。
 子どもの時に囲炉裏のやけどで指がくっついてしまった野口英世の話は皆さんご存知のことですが、植皮の技術の進歩した、いまならこのようなことはなかったのではないかと思います。
 形成外科の進歩によって植皮の技術も進歩したため、通常の植皮でつかないということは、あまりなくなりました。しかし難しい手術であることはかわりはありませn。皮膚を薄く採って植えたり厚く採って植えたり、いろいろの方法が行われます。
 一般的に薄い皮のほうがつきやすいし、皮膚を採ったところも治りやすく痕もほとんど残りません。しかし、植えたところは不自然で外力にも弱いのが欠点です。反対に厚い皮膚を使うとつきにくく、採ったところにも創痕を残しますしかし、植えたところは自然で外力に対する抵抗も強くなります。したがって、やけどの創の状態や部位などを考えていろいろの方法が行われることになります。植皮した場所は約一週間は包帯で圧迫して固定します。皮膚がつけば約一ヵ月でふつうに使えるようになります。