◇ 維新の群像 ◇



これは、勝海舟が志士達を長崎に招集して撮影したものだと言われています。
坂本竜馬、高杉晋作、西郷隆盛、桂小五郎、勝海舟、etc
幕末・維新に活躍したメンバーが一同に会した写真だと言われています。
しかし、実はこの写真は志士達が集合した写真ではないのです。
本当は「英語塾『敬遠館』の若者達」という写真なのです。
よく見てもらうとわかるのですが、竜馬と言われてるものも、海舟と言われてるものも、
巷でよく知られている顔とは少し違うと思います。

この写真でどれが誰と言われているのかわからないと言う人のために主な人物だけ少し解説しておきます
桂小五郎・・・・一番前で腕を組んでいる人
勝海舟・・・・・一番左に立っている人
坂本竜馬・・・・前列で座ってる人達の右から4番目の人
高杉晋作・・・・竜馬のすぐ上にいる人
陸奥宗光・・・・一番右に立っている人
西郷隆盛・・・・一番後ろの列の中央にいるごつい人
大久保利通・・・西郷のすぐ左にいる人
大村益次郎・・・桂の左後ろにいる丸顔で額の広い人
中岡慎太郎・・・桂の真後ろにいる人

これだけの人物が一同に会することができる時代を考えてみてください。
どこかで矛盾が生じてくるはずです。
例えば、この写真が薩長同盟後に撮られたとしたら、「何故この場に幕臣の勝がいるの?」ということになるはずです。
また、大政奉還後だとしたら、「どうして死んでるはずの竜馬や高杉がいるの?」ということになるはずです。

この写真が撮られたのは明治になってからです。
この写真では少しわかりにくいかと思いますが
一番前に石畳があります。
この写真の撮られた場所は写真屋のセットで
この石畳が出てくる写真は明治になってからのものに多くあります。

この写真の詳しいことをもう少し説明すると
明治2年、長崎の上野彦馬の写場で撮影されました
中央に外国人がいますが、彼はオランダの宣教師フルベッキという人です
その彼が、東京に移る際に長崎で教えていた英語塾の学生達との送別の時に写された 記念写真です
また、この写真の他に同じ場所で別の門下生達と同様に写した写真もあります。
その写真は こちらにあります。