急性虫垂炎

虫垂の位置  腹痛の原因には、最も一般的な胃腸炎をはじめ、胃潰瘍、胆石症、膵炎、尿管結石症、腸閉塞などさまざまな原因がありますが、油断のならない腹痛の1つに急性虫垂炎があります。ずいぶん昔には、虫垂炎で多くの人が亡くなっていたのですが、16世紀になり原因がすぐ隣にある盲腸の炎症と間違えて考えられるようになったためか、この虫垂炎のことをよく“盲腸”といまだに呼ぶようです。

 幼児や小児には稀で、10代に最も多く、年を取るにしたがって少なくなりますが、成人、老人を通じて普通に見られる病気で、15人に1人は一生に一度は虫垂炎にかかるとは言われています。

 まず、みぞおちが痛くなり、次いで食欲がなくなり、むかついたり、ものを吐いたりした後に、痛みがだんだん右の下腹に移動してくる様な症状のある場合は、虫垂炎があやしいと考えます。ほとんどの場合は便秘がちになるようです。最初から、右の下腹が痛むこともありますが、むかつきがあるようでしたら注意が必要といえるでしょう。

 診断には血液検査(白血球数)やおなかのレントゲン写真を撮ったりしますが、検査では虫垂炎にかかっていても異常がはっきりしないことがあり、やはりいろいろな方法でおなかを触って(触診)診断するのが一番のようです。

 軽い虫垂炎は手術をせず抗生物質で治ることもありますが、ひどくなると虫垂に孔があき腹膜炎になることもありますので、早目に医師による正しい診断、治療を受けるようにしましょう。

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