★検査適応
スクリーニングや診断を目的とした内視鏡検査すべてが適応となり得ますが、以下に最もよい適応例、除外例、注意例を示します。
(最もよい適応例)
・従来の経口内視鏡検査がかなり苦痛であった場合
・開口困難がある場合
・鎮静剤の使用が好ましくない場合
(除外例)
・緊急時や治療目的の検査の場合(処置具の問題などがあり、適応ではありません)
・従来の経口内視鏡検査が苦痛でなかった場合(この検査のメリットはありません)
・希望しない場合(無理に行うべきではありません)
(注意例) → この検査を行うかどうかは担当医の判断に任せています
・鼻の手術を受けたことがある、あるいは鼻の病気で治療中の場合
・よく鼻出血を起こす場合
・二次検査目的などで来院し、病気の存在が強く疑われる場合(今のところ、従来法がよいと考えています)
これらのことを踏まえた上で、極細径内視鏡による経鼻あるいは経口内視鏡検査、従来の経口内視鏡検査の3つの方法をケースバイケースで使い分けています。
★前処置方法@(以前の方法)
当初用いていた方法ですが、やや煩雑です。原則としてブスコパンなどの鎮痙剤や鎮静剤は使用していません。
(検査開始15分前) 体位は座位
プロナーゼMS2万単位+重曹1g+ガスコンシロップ5ml+約40℃の微温湯80mlを服用し、その後に体位変換をしてもらいます。
(検査開始10分前) 以後、体位は仰臥位
0.05%プリビナ(硝酸ナファゾリン)を両側の鼻腔内に2〜3滴滴下し、その後に吸い込んでもらいます。挿入予定の鼻腔が狭く内視鏡が挿入できない場合は反対側を用いるため、両側に処置を施します。
(検査開始5分前)
5mlの注射器に用意した2%キシロカインビスカス4mlを、通りが良いあるいは患者さんが希望する側の鼻腔内にゆっくり注入します。ビスカスが喉まで来たら、なるべく吐き出してもらいます。
(検査開始4分前)
長さ15cmにカットした4mm径の12Frネラトンカテーテルの先端から10cmのところまで2%キシロカインゼリーを薄く塗り、さらに8%キシロカインスプレーを2回噴霧します。これを挿入予定の鼻腔内にゆっくり10cm挿入し、1分間留置します。同様の処置の施した長さ15cm、6mm径18Frネラトンカテーテル(内視鏡とほぼ同じ太さです)に交換し、1分間留置します。
(検査開始直前) 最後に左側臥位に変更
ネラトンカテーテルを前後に動かして、スムーズに動くことと鼻の痛みがないことを確認してから抜去します。鼻腔に付着した薬剤を綿棒で除去します。左側臥位に変更した後、唾液は口から出してもらいます。場合により8%キシロカインスプレーを数回咽頭に噴霧します。
★前処置方法A(現在の方法:中間の太さの管1本だけを鼻腔内に留置)
現在はこの方法を用いています。上の方法と同様に、ブスコパンなどの鎮痙剤や鎮静剤は使用していません。
(検査開始10分前) 体位は座位
プロナーゼMS2万単位+重曹1g+ガスコンシロップ5ml+約40℃の微温湯80mlを服用し、その後に体位変換をしてもらいます。
(検査開始8分前) 以後、体位は仰臥位
0.05%プリビナ(硝酸ナファゾリン)を両側の鼻腔内に3〜4滴滴下し、その後に吸い込んでもらいます。挿入予定の鼻腔が狭く内視鏡が挿入できない場合は反対側を用いるため、両側に処置を施します。
(検査開始4分前)
長さ2cmにカットした14Frネラトンカテーテルを用いて、5mlの注射器に用意した2%キシロカインビスカス4mlを通りが良いあるいは患者さんが希望する側の鼻腔内にゆっくり注入します。キシロカインゼリーが喉まで来たら、なるべく吐き出してもらいます。
(検査開始3分前)
市販されている16Fr前処置用スティックに2%キシロカインゼリーを薄く塗り、さらに8%キシロカインスプレーを2回噴霧します。これを挿入予定の鼻腔内にゆっくり挿入し、2分間留置します。
(検査開始直前) 最後に左側臥位に変更
スティックを前後に動かして、スムーズに動くことと鼻の痛みがないことを確認してから抜去します。鼻腔に付着した薬剤を綿棒で除去します。左側臥位に変更した後、唾液は口から出してもらいます。場合により8%キシロカインスプレーを数回咽頭に噴霧します。