アンチキルケ入門・第2回

【アンチキルケ入門編・第2回】

 昨日に引き続きアンチキルケ入門の第2回です。
 今日はいろいろな王手について勉強しましょう。

1.王手の仕方

 アンチキルケでは大きく分けて3つの王手の仕方があります。

 1.通常の王手(普通詰将棋と同じものです)
 2.駒取りして復活した場所で王手となるもの
 3.攻め方の飛び駒(飛角香)と受け方の玉の間にある駒を除去して王手をかけるもの

 1は通常のものですので説明は省略して2から説明します。

2.駒取りして復活した場所で王手となるもの

 図9

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 この図では5五の飛車による王手は3種類あります。1つは普通の王手の2五飛ですね。
 もう2つの王手がアンチキルケ特有の王手で、5五の飛車で5三の歩を取ります。
 この瞬間は王手ではありませんが、駒を取ったので飛車は指し始めの位置(2八)へ戻されます。
 これで王手になりました。5三の歩を取る時に飛車が成って歩を取れば、5三飛成/2八龍となりますし、不成で取れば、5三飛生/2八飛となります。成と不成で2つの王手です。

 角でも同じですね。(図10参照)

図10

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 この場合も飛車と同様に、3種類の王手があります。
 5五角、5三角成/8八馬、5三角生/8八角です。

 金・銀・歩の場合も同様です。桂・香の場合は不成がポイントになりますので
 よく覚えておきましょう。

図11

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 桂の場合は3一桂生/2九桂、香の場合は3一香生/1九香が王手になります。
 ともに不成でないと王手にはなりません。

3.攻め方の飛び駒(飛角香)と受け方の玉の間にある駒を除去して王手をかけるもの

 この王手もアンチキルケ独特のものです。現在発表されている作品ではこの筋を使うことがとても多いのでのでよく覚えておきましょう。

 まず図12を見て下さい。
 
 図12

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 普通の詰将棋では絶対王手がかからない局面ですね。
 しかしアンチキルケでは、王手をかけることが出来ます。
 もう分かりましたね、そうです5六の金が5五の歩を取った瞬間、指し始めの位置(4九か6九)に戻りますので5九飛による王手となります。普通詰将棋で言う開き王手のような感じですね。

 では今度は両王手を見てみましょう。図13を見て下さい。

図13

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 この局面では5七角とすれば角は8八に復活し5九の飛車も直通して王手となりますので両王手をかけることができます。(5七角/8八角)

 なかなか面白いでしょ。じゃあ今度は3重王手に参りましょう。(図14)

図14

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 この局面で4六桂と歩を取りますと、桂は2九に復活して王手、6四角も直射して王手、3九飛も王手と見事に3重王手が出来ました。いや〜面白いですね。
 じゃあ4重王手は・・・・おっとこれから先は読者の皆さんに考えてもらいましょう。

今日の王手編はいかがでしたか?だんだん面白くなっていくでしょう。
おっと昨日の宿題の答えを忘れてました。

 図は昨日の日記を見てもらうとして、正解は「5二銀 3一玉 32金 まで」でした。
 ポイントは5一をどう抑えるかでした。3二金の詰上がりはちょっとビックリしますね。

 では今日の宿題です。


 アンチキルケ ばか詰 5手

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 昨日の宿題より少し難しいかと思いますが、今日の王手編をよく読めば閃くと思います。
ヒントは「王手の方法と5一を抑える」です。