【アンチキルケ入門・第4回】
2日ほど間が空きましたが、続けましょう。今日が第4回です。
今日は、前回の”合駒を取る”の中の1つ「居食い」です。
前回、合駒編では、復活地点が埋まっていない場合には王手した駒で合駒は
なかなか取れないということ説明しました。
合駒を取るには王手駒ではない駒で取るのが一つの技なんですね。
その中で、王手駒でない駒がいる地点がその駒の復活地点と同じであれば、
合駒だけ手中にして王手している瞬間までまた戻ることになります。
これを「居食い」と呼びます。
玉方にしてみれば、たまったもんじゃあない(笑)
言葉では分かりにくいので図で説明します。
図18 アンチキルケばか詰 5手
これは完全作ではなく説明図です。(解は6つあります)
初手はなんでしょうか?チョット考えてみて下さい。
そうです。今まで読んでこられた方ならすぐ分かったと思います。
5一を抑えるため5八飛ですね。
最後は1九玉、2九金までが見えてますので、後手は2手目金を合駒します。
その金を手中にする方法に「居食い」が出てきます。
4八金に、同玉/5九王・・・これが王による居食い。
4八、3八金に、同金/4九金・・・これが金による居食い。
4八、3八、2八銀に、同銀/3九銀・・・これが銀による居食い。
どの駒による居食いでも、金だけ手中にして元の局面に戻っていることを
確認してください。玉方はたまらないですね。
手筋としてちょっとユニークな感覚が好感持てます。
今のは王・金・銀による居食いでしたが、次は香です。
香はちょっと特殊で自分一人で居食いが出来ます。(飛、角も出来ます)
例題を見てみましょう。
図19 アンチキルケばか詰 5手
簡単なので解は略しますが、1手目と3手目の対比が居食いの面白いところです。
さてお次は桂ですが、実は神無七郎さんより例題用に送っていただきました。
七郎さんありがとう〜。
と言うことでこれを今日の宿題にしましょう。
宿題 神無七郎 作 アンチキルケばか詰 5手
おっと第3回の宿題の答えを忘れてました。
【再掲・第3回宿題・北村太路 作 アンチキルケばか詰 5手】
正解は 3三銀 1三玉 2四角 1二玉 2二銀成 でした。
初手は1五角とか3三(4二)角とかが浮かびますが、それでは詰みません。
3三銀が意表をつく一手で、3手目の角のラインを一旦影にするのはなかなか
浮かびません。最後は角のラインを通して5一を押さえ見事に詰みました。
裸玉でこの手順というのは驚きですね。傑作です。