現在アンチキルケばか詰作品展開催中ですが、特別に入門編第5回です。
今回のテーマは簡単な「アンチキルケばか詰の解き方」です。
作品展解図のヒントになるかもしれませんよ。
今回は5手詰を題材にいきます。
アンチキルケばか詰の解法 その1
まず作品を良く見てみましょう。通常不要駒はありませんので一つ一つの駒には
それなりの意味があります。
アンチキルケばか詰は大きく分けて2つのパターンがあります。
Aパターン・・・玉を復活させて詰上げるもの
Bパターン・・・玉を復活させないで詰上げるもの
今日はAパターンについてお話します。
ではまずその作品がどのパターンかを考えます。
Aパターンかどうかを見分けるポイントは”5一の周りに駒が配置されているかどうか”です。
5手詰ですと、玉が復活してから1手か3手で詰めるには玉の周りに駒があるのが
自然です。ただし51玉で持駒(歩・金→52歩 41玉 42金まで)みたいに何も無くても詰めることが出来る場合もありますので
残り3手で持ち駒2は可能性ありと覚えておきましょう。
では例題を見てみましょう。
例題A

作例がないので私があわてて創ったものですので内容は置いておいてください。
図を良く見ますと、いろいろなことが分かってきます。
まずパターンを推測しますと、5一の周りには攻め方5三歩がありますね。
これはあやしいですね。5一の周りに駒がある場合はAパターンと見ていいので、
5一へ玉を復活させる手順と推測できます。
あと3七歩を考えて見ましょう。これは何の為と考えれば答えは1つですね。
Aパターンで玉が復活する為には玉が攻め方の駒を取らないといけません。
3七歩はその為の取られ駒と分かりました。
では手順を考えてみます。持ち駒は飛車だけですので、初手は飛車を打つ一手。
さてどこに打ちましょうか?
アンチキルケばか詰解法・王道のおまじない
飛車の打ち場所は、
1・ 5筋or一段目
2・ 最遠打or短打
このおまじないはよく効きますので使ってみてください。(ばか詰では2が使えます)
玉を復活させるAパターンと思われるので、1段目には打たない方がいい感じです。
(飛の効きで復活できませんからね)
では5筋の5九飛と打ってみましょう。1九の玉は3七歩を取らないと復活できませんので2八〜3七は絶対ですね。
手順は、5九飛 2八玉 5八飛 3七玉/5一玉 5二歩成 まで の5手詰でした。
初手5筋以外では最終手を同玉/5一玉とされて詰みません。
余談ですが、詰上がり図で玉方に8二飛を置いた図をみてください。(図)

実はこの図でも詰んでいます。最終手の5二歩成を8二の飛車で取ることは出来ても、駒を取った為8二に復活してしまい、
5筋の攻め方の飛車の効きを防いでいません。つまり5二歩成の場面で詰上がりということになります。
これは創始者の北村太路さんの名を取って「北村手筋」と呼ばれています。
今回の作品展にも出てくる手筋です。よく覚えておきましょう。
話を戻します。
Aパターンの場合は、王を復活させますがその方法も考えないといけません。
1・・・玉の周りの攻め方の駒を取らせて復活させる場合。
2・・・持駒を打って玉で取らせて復活させる場合です。
図を良く見て玉周りにあまり働かそうな攻め駒があれば1の場合が考えられますし
玉の周りに攻め駒が無い場合は2の場合が考えられます。
またいろいろな方向から王手が出来る金や銀(限定にしにくい)、王手を取れない桂が持駒の場合は2の場合は少ないでしょう。
Aパターンかどうかを見分けることがまず大事ですね。
さて今回の作品展Aパターンはいくつあるでしょうか?
まだ解いていない人は図面を眺めてこれはAかなBかなと
考えてみるだけで意外といけるかもと思うことでしょう。