第10回・アンチキルケばか詰作品展
アンデパンダンの部ア1 小峰耕希 作 (登場6回) アンチキルケ打歩ばか詰 5手
![]() 【ルール注意】必ず最後は打歩で詰ませて下さい。
【投稿時のコメント】
フェアリーの恩人の窮状を放っておく訳に行かないので、無理矢理アンチキルケ打歩協力詰の裸玉を捻り出しました。もし僕の情報収集不足で前例があったらごめんなさい。 【詰手順】 3一飛 2四玉 2一飛成 1三玉 1四歩 迄 5手詰 【解説(のようなもの)】 数不足に呼応してくれた作者には心からお礼申し上げます。 アンチキルケ打歩ばか詰の裸玉はリストを作っていないですが前例は無いはずです。 解くのは簡単ですが唯一解ということに意義がありそうです。 手順も飛車に引き寄せられる玉が不思議な感じで楽しめます。 * 隅の老人B 「遠飛打に近づく玉、79玉から始めたら?、たぶんダメ。おかしなことを、考える。」 4六玉の7手詰の時点で3解ありますね 若林 「裸玉ならまあありかも。ちょっともの足りず。同じ35裸玉の打歩なら持駒銀銀歩で#9を採りたいですね。」 それはそれで別の作品として好作と思います。なかなかいいですね 橋本孝治 「今回の作品展で最初に解いたのがこの作です。目に入ったら反射的に解きたくなりますよね。」 条件反射とでもいいましょうか?普通詰将棋だとそっぽを向きますが・・・ 小峰耕希 「投稿時にも書きましたが、たくぼんさんが作品不足で困っているのと事だったので、締め切りぎりぎりに捻り出した物。その状況の中では裸玉+限定打+成生限定とうまく出来た方じゃないかと思います。因みにこの図、例えばルールをアンチキルケ協力詰にして持駒を飛香のようにすると余詰みます(香以外の前方に効く駒も同様)。乞うご研究!」 飛+銀が3解と一番解が少ないです。 小五郎 「玉が竜の引力に引き寄せられたかのような手順。」 北村太路 「内容は無し。」 そんなにはっきり言わなくても・・・ もず 「さすがに簡単ですが、裸玉ですのでOKでしょう。」 そうそう!OKでしょう 伊達 悠 「これは・・・・・・原理図だ!・・・・・・いや、悪い意味ではなく。」 作者もそう思っていると思います ア2 小峰耕希 作 (登場7回) アンチキルケ打歩ばか詰 11手
![]() 【ルール注意】必ず最後は打歩で詰ませて下さい。
【投稿時のコメント】
この持駒にこの手数で余詰まないのは幸運でした。前回よりちょっと難解かも知れません。 【詰手順】 6九銀 同龍/8二龍 6八金 同角生/2二角 5二飛 5九と/5三と 4八金 同角成 5三銀成/7九成銀 5五角 5九歩 迄 11手詰 【解説(のようなもの)】 本作は傑作です。狙いは詰上がりとそれまでの手順ですが、まず詰上がりを説明しておきましょう。最終手5九歩を同馬と取ればどうなるのでしょう? 同馬と取れば2二馬と復活して逆王手が掛かります。この時同王は5九が抑えられているので出来ませんので同飛と取るよりありませんが、そうすると2八に復活して8二龍の利きが1二まで届きますので×。ですから2二馬と復活したら詰んでしまいます。これは打歩ではないため禁手というわけで5九同馬と取ることが出来ないのです。ゆえに5九歩までの打歩詰となります。あ〜ややこしい。でもそこ至る手順も秀逸です。 最後の骨子と成る8二龍は2手目で復活させるし、2二に地点も一旦生角で埋めておき最後に移動合で動かし最終手同馬を禁手に誘導しているし、歩の入手もアンチキルケ復活を利用しているし、銀成も限定だし文句無いですね。 小峰さん渾身の一作でしょう。 * 隅の老人B 「法則問題は難しい。最終手の解説で、たくぼんさんも悩む。歩の入手と、その歩を使う場所確保は、巧みなアンチ方法でした。」 法則問題は一番苦手です 若林 「主眼は最終形ですね。北村手筋まで含めた法則系。歩の入手ルートもアクロバティックで面白い。打歩ならではの好作だと思います。」 橋本孝治 「これは凄いですね。詰上りは"間接北村手筋"とでも呼べば良いのでしょうか。陰の主役82龍を復活で配置したり、4手目と8手目を生と成で対比させたり、”53と”を取る前に一拍置いたりなど、凝りに凝りまくっています。傑作。」 私の肩こり同様凝りに凝っています。どれだけの方がそれを理解できるか? 小峰耕希 「テーマは"北村手筋を詰上りに隠し味として使用する"。創作(逆算)方針としては、@詰上りに不要な駒は置かない。A詰上りに必要不可欠な受方の龍と、一旦22に不成で復元し最終的には55に移動合をする角は、初形では初期位置に置かない。もし出題図で龍が2段目にあったりすると狙いが透けて見えるし、2手目で復元させた龍が詰上りで役に立つのは悪くない伏線だと思う。自分としては悪くない物を作ったつもりなんですが、解答者はどのように感じるのでしょうね? 特に橋本さんと若林さんの見解に興味があります。あともう1つ、本局は実質的に協力自玉詰になっている訳で、自玉詰系が出題されない本作品展の中にあっては、双玉打歩協力詰は重要な一分野になりうると思うのですが、これも皆さんの見解を伺ってみたい気がします。」 自王詰系の発表場所が増えればと思います。私は無理! 小五郎 「二枚の角の成と不成。引き戻した角をまた移動中合させるなどストーリー性に富んでいて楽しい。」 これを解いてくる小五郎さんの実力には脱帽です。 北村太路 「これも法則系でしたか!内容は難しすぎて私の理解を超越しています。なんかすげー事は間違いない。動いた駒も全部生きてて意味があるし。作者はどこから組み立てていったんでしょう?なんかすげー。(fm使用)」 すげー連発ですね。興奮が伝わってきます。 もず 「密度の高い攻防ですね。22に角が復活したところで82龍の利きが止まったので飛を51から打つものと思ったのですが、さらにそこからひとひねりあるとは予想外でした。」 5二飛の意味づけが深いので難しい〜 伊達 悠 「と思えば・・・・・・超難解作だ!パラの”七色星団の戦い”、いやそれ以上のものを見せていただきました。最高の作品だと思います。」 TOP\の有力候補といっていいでしょう ア3 たくぼん 作 (登場24回) アンチキルケばか詰 11手
![]()
【投稿時のコメント】
【詰手順】 4七桂 5四玉 6六桂 6三玉 5五桂 6二玉 7四桂 7一玉 6三桂生 8一玉 8二桂成 迄 11手詰 【解説(のようなもの)】 私のポケットに長く仕舞い込んでいた作品です。どこに出すか悩んでいるうちに長い時間が過ぎてしまいました。形式美作品+簡単という事で存在価値はあると思います。 ひねくれた作品が多い私ですが、根は素直ないい人と分かっていただけたでしょうか? * 隅の老人B 「アンチらしい手は最後だけ。それで、アンデパンダンへ。たくぼんさんは奥床しい。」 私の作品はほとんどアンチキルケらしくないとよく言われます。 若林 「ここだけの話、ってオープンですが、同一図面が手元にあって笑いました。」 出すところが無くて困ったことでしょう?? 橋本孝治 「収束に非限定が発生しがちな2枚桂の追い手順ですが、アンチキルケの性質を使えば、非限定なしで成立させることができるということですか。普通のばか詰では余詰や非限定になるけど、アンチキルケなら大丈夫。そんな小ネタが、他にも結構転がっているかもしれませんね。」 アンチキルケの楽しさもたくさんの人に分かってもらいたい・・・そう思います 小峰耕希 「桂一色図式+攻方2枚桂の三段跳び。普段なら悪くないけれど、定期開催ラストバッターとしては少々寂しい気も。あ、でもこれが無いと自作が最後になってしまって恐れ多いので、やっぱり本局は必要です!」 トリではなくたまたま最後の作品です。小峰さんの作品が実質上トリでした。 小五郎 「桂一色で一見簡単そうなのですが、真ん中あたりで詰まそうとしたためかなり回り道をしてしまいました。」 51に穴が開いているように見えるでしょ・・・・ふふふ 北村太路 「問題図見たら、5一で詰ませたくなったのですが、手をすすめたら、8一で詰みました。最後までたくぼんさんにはやられっぱなしだったなぁ。」 まだまだこれからもありますから・・・ もず 「なぜか最初は手順が見えませんでした。跳ね方が限定されるようにと考えるとこれ以外にないのですが。」 桂が跳ねられるように逃げれば自然と解けるでしょう。 伊達 悠 「単純というと単純。しかし6三桂生でフェアリーになっている。」 アンデパンダンの部 総評&解答成績
【解答成績】
解答者数 8名 うち全題自力正解者 7名 最後は3題と少なめだったので全題正解者7名と好成績でした。 |