第4回・アンチキルケばか詰作品展
短編の部
短1  吉川慎耶 作 (登場4回)  アンチキルケばか詰 5手                      

【詰手順】 

  6四金 同歩/6三歩 5五飛 6四玉 7三角 迄 
 

【投稿時・作者コメント】

 この詰上りが1度やってみたかったので作りました。

【評価】 

 自力正解者・・・8名
 A・・・3、B・・・4、C・・・0  平均点・・・2.43(2位) 
 お気に入り投票 : 1


【解説(のようなもの)】

 初形を見て5五金が邪魔駒と気付くかが解く側からのポイント。そしてその消し方が実に巧妙です。玉方の居食いを利用したのが実に上手い。普通作では4手かかるところをアンチキルケルールを利用すれば2手で邪魔駒が消えてしまいます。その内容を5手で実現したのですから文句なしの好作です。
 本作も私と作者でかなりのやり取りの上修正していったのですが、飛角を持駒にして初形8枚で収まれば上出来ではないかと思います。トップバッターにはもったいない位でした。

                        *
橋本孝治
 
「消したところに限定打。邪魔駒消去を打ち換えで表現する鮮やかな手順。A」 
小峰耕希
 「協力詰では作るのが難しい邪魔駒消去がすっきり表現されている。居食いは攻方がするものかと思っていましたが、受方でも出来るのですね。B。」
 受方・居食いで新作を是非〜
若林
 「ぱらっとした配置に強い持ち駒。歩の居食いによる原型消去は良いですね。直球の邪魔駒消去は初めてかも。心意気を買います。A」
北村太路(FM使用)
 「わ!5五金が邪魔駒で形を崩さずに消去!両方わざと玉にくっつけつつ、5一を睨むとは。余詰防止は苦労されていますが、やりたいことが好印象。評価:A」
もず
 「作者の思惑通り悩みました。余詰防ぎの駒があるために、63と74の歩が不自然に見えません。B」
隅の老人B
 「金を捨てて、無仕掛。これが詰むから、不思議。B」
伊達 悠
 「歩を元の位置に復活させる物を解くのは初めてです。みなさん一度くらいは考えたことがありそうな詰上がり。B]
短2  吉川慎耶 作 (登場5回)  アンチキルケばか詰 5手                      

【詰手順】 

  6一と/6七と 同玉/5一玉 6二銀 5二玉 5三飛 迄 
 

【評価】 

 自力正解者・・・8名
 A・・・0、B・・・4、C・・・3  平均点・・・1.57(7位) 
 お気に入り投票 : 0

【解説(のようなもの)】

 次の3番と姉妹作のようですが、実際は短3の創作中の余詰筋をそのまま作意に転化させた作品です。紛れの6一とがまさか詰むなんて・・・といった経過でしたが、さすがに狙いがはっきりしないので解答者には不評でした。でも野暮ったすぎてセンスの良い人たちは意外と苦労したようです。

                        *
橋本孝治
 
「多くの紛れがある中で、一番野暮ったい手が正解なのは、却って盲点。B」 
伊達 悠
 
「6六銀の筋ばかり考えて、単純な飛車取りは意外な盲点。何かずるい感じも受けたので評価;B」
小峰耕希

 「解答者から見ると余り面白くない。C。」
若林
 「んんんんん。絶連ですねー。2枚の金がどう考えても不要にしか見えないのですが……誘惑にかけてfmで回答送付前に確認してしまいました。C」
北村太路(FM使用)
 「ふむ?C」
もず
 「玉が51に戻るのは既定路線。短3へのつなぎと見ればうまくできています。B」
隅の老人B
 「初手の玉手には、負いりました。5手でも、最後まで難しい。B」
短3  吉川慎耶 作 (登場6回)  アンチキルケばか詰 5手                      

【詰手順】 

  6六銀 4六玉 4一歩生/4七歩 5六玉 4五角 迄 
 

【評価】 

 自力正解者・・・6名
 A・・・3、B・・・2、C・・・1  平均点・・・2.33(4位) 
 お気に入り投票 : 1

【解説(のようなもの)】

 本作は実に巧妙かつ難解でした。小峰さんが無解ですからかなりの難解作と言っていいでしょう。飛車も角も取れる初形や詰上りが予見出来にくいのがその理由です。特に成りたいところを不成でいく3手目が光ります。詰上りまで不動の上の3枚が気になるといえば気になるところでしょうか。

                        *
橋本孝治
 
「鮮やかな空中捕捉。最上段の不成はチェスのアンダープロモーションに似た感覚です。B」 
 アンダープロモーションとは、ポーンが最下段に行って他の駒に昇格するとき通常はQになるが他の弱い駒になることだそうです。(チェス用語辞典より) う〜んたしかに・・・
小峰耕希
 「解けなかった…。それでついさっきfmに教えて貰いました。要は狙いが全然見えておらず、完敗と言う他ありません。初手銀限定打の意味付け、3手目の歩不成等、非の打ち所が無い。A。」
若林
 「短2があったし、これは角を取るしかないでしょう。残念ながら2題で相乗効果……とはいかなかったようです。単体では悪くありません。B」
 これを読むと短2は無かった方が本作が引き立ったかもしれませんね
北村太路(FM使用)
 「ふむ?短3はちょっとアクロバティックな感じだが。似た感じから玉が戻るのと、戻らないのと、という対比ですが。短3は歩不成もあるが。読んでないのでわかりませんが、玉方の守備駒は必要駒なのでしょう。でも、作意にあまりにも響かなさすぎる気がします。少し響くものがないですね。ちょっといい点はあげれないかな。C」
もず
 「ここで出た歩生。はじめは初手に41歩成ばかり考えていました。A」
隅の老人B
 「歩生に気付かず大苦戦。5手詰に30分。A」
 隅の老人Bさんをこれだけ苦しめられたら作者は充分ですね
短4  太郎@神無一族 作 (登場4回)  アンチキルケばか詰 5手                      

【詰手順】 

  2一飛 5八馬/2二馬 同飛生/2八飛 3九玉 4八角 迄 
 

【評価】 

 自力正解者・・・9名
 A・・・3、B・・・4、C・・・1  平均点・・・2.25(5位) 
 お気に入り投票 : 1

【解説(のようなもの)】

 本作は5番とペアで、OFM103回出題のもず作に触発されて創ったものだそうです。
初手2一飛と5九香を5一に利かせるために5八歩を取っての2二馬はこうやってみたいところです。面白いのは3手目。2段ロケットのように飛車が2二〜2八へと近づいてくるのがユニークです。わざと3九へ逃がす不成はばか詰めの定番です。難解さはありませんが技を見せる太郎さんらしい作品です。

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橋本孝治
 
「短4と短5は一種のツインですね。飛に龍、角に馬という組み合わせも面白そう。B」 
伊達 悠
 
「見て2分で解けました。最後の詰め上がりがちょっと不安にさせられるところ。評価;A」
小峰耕希
 「本当はBですが、作者が作者なので、49歩配置が目障りなのを口実にC。」
若林
 「お、ひっくり返った。既成手順ではあるけれど、楽しさ満点。A」
北村太路
 「ワープしてきた壁の馬をそのまま吹き飛ばす飛 B」
吉川慎耶
 「面白い構想。B」
もず
 「コンパクトな遠打。58歩の配置が鍵ですね。B」
隅の老人B
 「妙手がビッシリ。最後に59香の意味が解る。A」
皆さんの評も全体的にコンパクトです
短5  太郎@神無一族 作 (登場5回)  アンチキルケばか詰 5手                      

【詰手順】 

  1一角 5八馬/2二馬 同角生/8八角 8九玉 7八角 迄 
 

【評価】 

 自力正解者・・・9名
 A・・・1、B・・・7、C・・・0  平均点・・・2.13(6位) 
 お気に入り投票 : 0

【解説(のようなもの)】

 前作とのペア作。3手目生角の2段ロケットが炸裂します。前作が解ければ一瞬で解くことが出来るでしょうが2作で1つの作品として見るべきなのでしょうね。七郎さんの評にあるように素直に手筋を表現した良作というのがまさにピッタリという気がします。

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橋本孝治
 
「この種の遠打は、もずさんの作品があるので、どうしても比較してしまいますが、単品で見れば、素直に手筋を表現した良作ではないでしょうか。B」 
伊達 悠
 
「4が解けた瞬間につみました。評価;A」
小峰耕希
 「「洗練」の一言に尽きる。B.」
若林
 「短4が良いです。B」
北村太路
 「ワープしてきた壁の馬をそのまま吹き飛ばす角 なるほど、とは思いつつ、ちょっと感動が薄いのは、5八馬/2二馬が絶対入りそうな形だからか。B」
 いい表現です
吉川慎耶
 「初形が17。おっと、もう平成18年か…。B」
もず
 「これもコンパクトな遠打。角が並ぶ詰め上がりはある種異様な感じです。B」
隅の老人B
 「Cのお陰で、こちらは楽。出題順で評価はB。」
順番逆の方が良かったかな?
短6  吉川慎耶 作 (登場7回)  アンチキルケばか詰 5手                      

【詰手順】 

  3六桂 3四玉 4六桂 4五玉 5五飛 迄 
 

【評価】 

 自力正解者・・・9名
 A・・・0、B・・・3、C・・・4  平均点・・・1.43(8位) 
 お気に入り投票 : 0

【解説(のようなもの)】

 いろいろなことに挑戦する吉川さんですが、本作の狙いは詰上がりです。逃げれそうで逃げれない詰上り。結構面白いかなと思ったのですが解答者の反応はイマイチでした。桂2枚とりあえず打ってみたら詰んでいたって感じでしょうか。創作経験がある人であればそんなに見えにくい詰上りではなかったようです。今回個性のある4作で楽しませてくれた作者の今後も期待大です。よろしくね。

                        *
橋本孝治
 
「アンチキルケの「取禁」的な性質が、新感覚の詰上りを産み出しています。この路線は一大鉱脈かも。B」 
伊達 悠
 
「これは10秒。一回作ってみようと思ったことがありました。評価;C」
小峰耕希
 「解が特に美しいという訳ではなく、狙いもよくわからないのでC。」
若林
 「うーん。打って終わってしまった。何か紛れるのかな。C」
北村太路
 「捻りすぎたか?筋が悪すぎる私は一発で正解してしまった。ちょっと恥ずかしい。というか正解か自信が全然ない。狙いがピンと来ませんでした。C」
もず
 「これは面白い詰め上がりですね。はじめは桂打の詰め上がりばかり考えていました。B」
隅の老人B
 「59飛は香でも同じ?。お陰で紛れに落ちて大苦労。B」
 吉川さんと相性が会わないんですかね。5九香でも同じです。
短7  若林 作 (登場4回)  アンチキルケばか詰 5手                      

【詰手順】 

  9五香 9四金 7一飛成 8三馬 9三香 迄 
 

【投稿時の作者コメント】

 連続の移動合い。簡単なウォーミングアップに。

【評価】 

 自力正解者・・・8名
 A・・・6、B・・・3、C・・・0  平均点・・・2.67(1位) 
 お気に入り投票 : 2(1位)

【解説(のようなもの)】

 狙いは解いてみれば納得の連続移動合いです。私は解くのにかなり苦労しました。3手目の7一飛成が実に読みにくかった。
 連続移動合いの意味づけは2手目の金の移動合は角筋を開けるため、4手目の馬の移動合いは6一を空ける為でした。 それにしても3手目の馬の移動合いで6一を空けるという意味合いがしびれますね。最終手の香短打も決まっています。
 過去2回はなかなか結果が出なかった作者でしたが今回は充分実力を示した好作でした。お気に入りトップ&平均点でもトップでした。パチパチ
 9六の金が解答者に残念がられていますがこれはどうにもならないでしょうねえ。

                        *
橋本孝治
 
「連続移動合いがテーマ? 96金が95香を誘発するので易しかったです。71飛成がちょっと新鮮。(非限定になりやすい手なので。)B」 
伊達 悠
 「4日。最終形がわかりませんでした。評価;A」
小峰耕希
 「受方の移動合2連発。単騎の香が取れそうで取れない。B。」
若林
 「移動合を楽しんでいただければ。B」
北村太路(FM使用)
 「この詰上がりは予想だにしなかった。思わず両王手を考えるし、飛の横利きは馬の復活で止めたくなるし、うまくかわされた感じです。9六金の配置だけがちょっと惜しいですね。A」
橘 圭吾
 「香打に対して移動合で最後は綺麗に金が間接的にピンされている。これは面白かったです。A」
 橘さんの唯一の短評です。そのことでも本作の素晴らしさがわかります。
吉川慎耶
 「両王手かと思って大長考。A」
もず
 「ピン+北村手筋の最終手が緊張感たっぷりです。54飛で51を縛るのは違いそうな気がしたので71飛成には早く気付きました。A」
隅の老人B
 「5手で2度の移動合。このルールなら、何でも出来る?。A」
 元気があれば何でも出来る!ダァ〜
短8  北村太路 作 (登場4回)  アンチキルケばか詰 7手                      

【詰手順】 

  4三銀生 同馬/2二馬 4六桂 同と/4三と 5四飛 同飛/8二飛 2四角成 迄 
 
【投稿時の作者コメント】

この図を見たら当然疑問を持たれると思うので、おまけを。

(おまけ) アンチキルケばか詰 7手

9三馬 5八龍/8二龍 7二角成 同飛 6三桂生 同桂 6一桂成 まで

下図を見たら、上図の方がいいと思ったんですが。
どうでしょうか?
さすがに5手では大変そうだし、9手では確実にテーマ以外の手が入りますので、こんなところではないかと思います。最近ちょっと時間がなくてもう一押しができませんでした。

【評価】 

 自力正解者・・・9名
 A・・・3、B・・・5、C・・・0  平均点・・・2.38(3位) 
 お気に入り投票 : 1


【解説(のようなもの)】

 本当に強引に5九香の利きを直通させる5筋お掃除大作戦。駒柱一掃というおまけ作も捨てがたかったが7手詰としてみると完璧な構成の本作がやはりいいと思います。2二馬復活は私も第1回作品を思い出しました。
 解答者の皆さんには楽しんでいただけたようです。

                        *
橋本孝治
 
「強引に51への利きを作る手順。22馬の復元は第1回作品展を思い起こさせます。B」
伊達 悠
 「いかにもパズルっぽい感じがする初形。評価;A」
小峰耕希
 「入れ替えパズルのような手順が面白いのでA。中1が無ければ更に評価が上がる?」
若林
 「5筋のお掃除。せっかくだから駒柱も見たかった。B」
北村太路
 「うーん、余詰防止の駒が多くなっても、5七より5五を空けた方がバランスがよかったかなぁ。・・・あれ、今やってみたら、5六飛→5七飛、5五と→5六と、3六歩→3六銀で、駒の数変わらずに5五が空くな。少しでも軽い(銀→歩)の方がいいとでも思ったのかな。謎だ。評価:自作でよくわからないのでBで。」
吉川慎耶
 「香筋がうまく通る。B」
もず
 「5筋の駒柱(1ます空き)から狙いは明瞭。手順も面白いですし、非限定をなくす工夫もさすがです。A」
隅の老人B
 「狙いが単純で、解きやすい。でも、創るのは大変?。B」
 本当にアンチキルケは余詰みやすいです
短編の部 総評&解答成績                      
【総評】

橋本孝治
 「お気に入り:短1.吉川慎耶作」
伊達 悠

 「お気に入り作、8番」
小峰耕希
 「短編部門の第1位は、解けなかった3番に投票します。」
若林
 「短編お気に入り:短4 それにしても随分辛い評価になってしまいました。」
北村太路

 「短編:7 1もよかったので迷いましたが、やはり7の方がいいかと思います。」
吉川慎耶
 「お気に入り作:短編7」
もず
 「お気に入り:短8」

                        *
【解答成績

解答者名 1 2 3 4 5 6 7 8
橋本孝治
伊達 悠
小峰耕希
若林
北村太路
橘 圭吾
吉川慎耶
もず
隅の老人B
はFM使用解答

解答者数 9名 うち全題自力正解者 5名

全題自力正解者は5名でした。

【お気に入り投票・結果】
今回のお気に入り投票は投票総数・・・・6

順位表
順位 No. 作者名 お気に入り 無解 A B C 平均点
1 7 若林 2 1 6 3 0 2.67
2 1 吉川慎耶 1 3 3 4 0 2.43
3 8 北村太路 1 0 3 5 0 2.38
4 3 吉川慎耶 1 3 3 2 1 2.33
5 4 太郎@神無一族 1 0 3 4 1 2.43
6 5 太郎@神無一族 0 0 1 7 0 2.13
2 吉川慎耶 0 1 0 4 3 1.57
8 6 吉川慎耶 0 0 0 3 4 1.43
※順位はお気いりポイント順(同点の場合は平均点上位順)

 今回のトップは僅差ながら若林さんでした。平均点もトップですから文句なしです。