第6回・アンチキルケばか詰作品展
アンデパンダンの部

ア1  若林 作 (登場6回)  アンチキルケばか詰 9手(2解)                      

【ルール注意】 解は2つあります。2つともお答え下さい

【詰手順】 

解1 4八桂 5五玉 5九香 5六銀 同桂/8九桂 6六玉 7八桂 6七玉 7六銀
    迄 9手詰
 
解2 4八桂 5五玉 5八香 5六銀 同桂/2九桂 4五玉 3六銀 4六玉 3八桂
    迄 9手詰

【投稿時の作者コメント】

 飛角図式で行きたいですし、この2解はツインで行きたいのですがどうでしょう?

【解答成績】 

 自力正解者・・・6名
 
【解説(のようなもの)】

 初形飛角図式からの2解問題です。短編の部の作品ともリンクしています。美しい初形から桂馬を解1では左へ解2では右へと復活する対比が狙いで、左と右で銀と桂の持駒を打つ順番が違うのも対になっています。気をつけないといけないのは右の場合の香の打場所で5九では最終手飛車に取られてしまいます。
 2解問題とすれば初形も含めていい問題ではないでしょうか。余詰じゃないですよ

                        *
若林
 「左右で銀桂の順番が変わる、というのが受け入れられるか。」
 いい感じです
橋本孝治
 
「2解で左右の復活を分けるのですね。洗練された表現とは言えませんが、まあまあという所でしょうか。」 
北村太路
 「1つ目の解の飛を遮る5八香が少し味があるかな。短編の余詰と言ってしまえばそれだけになってしまいますが。(FM使用)」 
 
香の打場所&打つ順番とポイントは押せていますね
隅の老人B
 「鶏肋、余詰も言いよう。作者の気持ちは解ります。」
  
ふふふ
吉川慎耶
 「短5の歩が大きなヒント。」
もず
 「2解として優れた表現だと思います。短編に出ていたら断然お気に入りでした。」
癇癪老人
 「二つ目(右)はなかなか見えませんでした。」
伊達 悠
 「うーん、悔しいけどもう一つの解の方はFMに解かせました。って、FMに解かせた方の解(左)の方が簡単だったかもΣ(゜□゜ノ)ノ」

右と左 どっちに行っても答えがあるので解き易い?どちらが難しかったかはそれぞれでした
ア2  伊達 悠 作 (登場2回)  アンチキルケ打歩ばか詰 7手                      

【ルール注意】かならず最後は打歩で詰ますアンチキルケばか詰です

【詰手順】 

 3三香 3二桂 4二角 2二玉 2四龍 同桂/2一桂 2三歩  迄 7手詰
 

【解答成績】 

 自力正解者・・・6名
 
【解説(のようなもの)】

 普通詰将棋のような初形だが、内容はなかなかいける。自分の退路を合駒の桂による駒取りで復活させて封鎖する。なんだかばか自殺のような感覚です。新人としては出色の出来といえますね。次の3番と同一テーマで本作が桂のパターンで次作が香のパターンでした。比べてみるとはやり解いてみようという気がする本作のほうが評判はヨカッタです。

                        *
若林
 「綺麗に出来てます。限定合いから龍捨てによる退路封鎖。」
橋本孝治
 
「打歩詰誘致のための合駒の発生と移動…。山田修司氏の取歩駒発生の構想作を連想させますね(その裏返しですが)。打歩関連手筋をフェアリーに応用すると、凝った作がいくらでも出てきそうな気がします。」 
打歩打開ではなくて打歩にするというのが面白いですね
北村太路
 「駒は多いが、桂限定合は面白いです。(FM使用)」 
隅の老人B
 「合駒を移動して逃路を封鎖する。配置も良く、好作。」
吉川慎耶
 「簡素な初形から繰り出される手順が上手い。(FM使用)」
 
軒並み好評です
もず
 「22で詰ませたいのに玉の退路に攻方の駒を利かせにくいので合駒の復活で埋めてしまうという。ア2とア3はテーマ的にセットだったんですね。苦労して解いた後になって気付きました。こちらは最低限の手順ですっきりまとまっていて好感が持てます。」
伊達 悠
 「これはまだまだ解きやすい気がしますね。今改めて見てみると。」

 きれいに出来ているというのが皆さんの感想です
ア3  伊達 悠 作 (登場3回)  アンチキルケ打歩ばか詰 9手                      

【ルール注意】かならず最後は打歩で詰ますアンチキルケばか詰です

【詰手順】 

 1五角 3一玉 3四香 3二香 4二角成 2二玉 3三香成 同香/1一香
 2三歩  迄 9手詰
 

【解答成績】 

 自力正解者・・・6名
 
【解説(のようなもの)】

 引き続き同一構想の作品で本作は香パターンです。前作より2手長いのと、ポイントがつかみにくそうな初形でかなり難解だったようです。でも図を良く見ていると1一の空間が目に止まるかもしれません。北村さんの評の香と香の間をすり抜ける角という表現が面白いです。前作と違うのは合駒をさせるために打った香が取らせる駒になることで前作の龍捨てに比べるとややインパクトは弱いかもしれません。
 次は銀と言う声が多いですので伊達君頼みますよ。

                        *
若林
 「っと、ア2と同じですね。ア1の龍捨てのほうが映えるかな。」
橋本孝治
 
「前問の姉妹作と当たりをつければすぐに解けるものを、たくさんある11手の紛れに嵌って苦戦しました。次は銀を復活させる作かも…。」 
 
これは実際に解いていないので難易度が分かりませんが橋本さんやもずさんが苦労したところを見るとなかなかだったんですね
北村太路
 「元ネタは一緒か。香と香の間をすり抜けていく角がこちらは面白い。(FM使用)」 
隅の老人B
 「狙いは、ア2と同じ。次は銀合かな。」
吉川慎耶
 「1筋の駒とア2の解を見て分かりました。配置が拡がっていてア2には劣ると思います。」
もず
 「22で詰ませたい気がしたのですがなかなか詰まなかったので玉を左に追ってみたり上部に追い出したりと様々な筋を読まされてしまいました。」
伊達 悠
 「こっちのほうがそれなりに紛れがあるようなないような。できれば七色図式にしたかったのですが。」

 なかなか貪欲ですね。大物の予感がします。
ア4  若林 作 (登場8回)  アンチキルケ打歩ばか詰 9手                      

【ルール注意】かならず最後は打歩で詰ますアンチキルケばか詰です
【注意】本作は第5回作品展・伊達悠作の改作図です。

【詰手順】 

 9一角 8二飛 同龍/2八龍 6二玉 3二飛 4二歩 同飛成 
 5二馬 6三歩  迄 9手詰
 

【投稿時の作者コメント】

 配置を生かしてこんな図面ではどうでしょう。龍を85に置いたままだと初手74馬/28龍の紛れが強すぎるので下げました。初手角打ち歩合い同角の紛れを作るため88に。22歩配置がアレですが、手順は良くなっていると思います。

【解答成績】 

 自力正解者・・・5名

【解説(のようなもの)】

 打歩といえば歩の入手ですから、歩を合駒したくなるところを我慢されれば解くほうは苦労します。普通の人は8二歩合を読みますね。ただ解答者にはやや微妙な反応が多かったようでアンチキルケらしさがもう少し出ればとういうのが大方の意見でしょう。
 私も九州Gで合駒が出そうでなかなかでない作品を出しましたがテーマとしてはなかなか地味ではありますね。解答者の気持ちになって作品を創っている方特有の感覚かもしれません。

                        *
若林
 「本当は22の駒は復活で発生させたいですよねえ。こういう筋なら。それができれば新作になったかな。」
橋本孝治
 
「最初に歩合いができるのに、最後の最後まで歩合いを出さないというのは、狙いとしては面白いと思います。ただ本作に限って言えば、後半が普通の打歩ばか詰みたいになってしまって、アンチキルケの効果がいまいち伝わってきません。アンチキルケの効果を強調するという意味では、歩合いを最後に回すという演出よりも、歩自体に活躍して貰うという方法も考えられます。また、下は原理図なので面白くありませんが、「最初に出現した歩を最後に取る」という構成なら、作り方次第で大きな効果が期待できると思います。」 

 アンチキルケ打歩ばか詰 7手

 これはいいですね。ここにも載せちゃいましたが第7回のアンデパンダンで頂くことにしましょう。ここだけじゃもったいないですね。(>七郎さん ご了承下さい)
北村太路
 「正直微妙な。8八龍の意味合いがつまらないし。改作する意図が正直わからないです。(FM使用)」 
隅の老人B
 「歩がないのに打歩詰、先ず82歩合を考える。」
吉川慎耶
 「今度は隅じゃないのか…。この形は苦手。(FM使用)」
癇癪老人
 「11手の紛れを相当読まされた。アンチキルケっぽいのは最初だけなのがちょっと弱いか。」
伊達 悠
 「やはりベテランの方が改作なさったものは一味違いますね。本当に恐れ入ります。」

 今月のはなかなか好評でしたよ。
ア5  たくぼん 作 (登場13回)  アンチキルケ打歩ばか詰 41手                      

【ルール注意】かならず最後は打歩で詰ますアンチキルケばか詰です

【詰手順】 

  3八金 1八玉 2八金 1九玉 1八金 2九玉 2八金 3九玉
  3八金 4九玉 4八金 5九玉 5八金 6九玉 6八金 7九玉
  7八金/6九金 8八玉 7八金 9七玉 8九桂 8六玉 8七金 9五玉
  8六金 9四玉 9五金 83玉 9四金 7三玉 8三金 6二玉
  7二金 6三玉 6二金 7三玉 7二桂成 8三玉 8二成桂 9四玉
  9五歩 迄 41手詰
 

【解答成績】 

 自力正解者・・・6名
 
【解説(のようなもの)】

 初めての打歩作品です。打歩に使う歩を取る方法を考えていただこうと言うことです。成桂に歩を取ってもらうために8九に桂を打っておくという簡単な狙いです。皆さんに楽しんでいただけたでしょうか?

                        *
若林
 「えーと、取れそうな歩は82のほうで、とすると87に桂を据えて。あとはひたすら金追いと。こういうのがさっくり作れるといいなあ。」
橋本孝治
 
「あらかじめ桂の復活場所を埋める伏線はすぐ気付いたのですが、91玉型の詰上りを想定したため、収束の最短手順を求めるのに手間取りました。金の追い方も、8段目と7段目を滑る2つの選択があり、手頃なパズル作品だと思います。
なお、これは好みの問題で一般にはお勧めできませんが、私だったら金単独行の紛れを減らしてでも6段目を埋めると思います。例えばこんな感じ。」 

アンチキルケ打歩ばか詰 45手


ふむふむ参考になります。これはこれで違う作品という感じがします。
北村太路
 「手順をみると、シンプルに追う手順だったんですね。難しい狙いがあるのかと敬遠したのは失敗でした。(FM使用)」 
隅の老人B
 「桂を打っておくのが伏線。玉と金の楽しい二人旅でした。」
吉川慎耶
 「17手目どっちの桂を奪うかで少し迷った。」
癇癪老人
 「桂を入手して収束かと思ったんですが違いました。よく出来てます。」
 
長いものを創るのは滅多にないのですがまあまあ満足の出来でした
伊達 悠
 「むしろ最小手順探しに苦労しました。」
アンデパンダンの部 総評&解答成績                      
【総評】

若林
 「アンデパンダンにば自系が登場する日は来るのだろうか(ぼそっ)。」
 ばか自殺系を始めるとそちらがメインになりそうですので他のサイトでお願いしますね。若林さんどうすか?

                        *
【解答成績

解答者名 1 2 3 4 5
若林
橋本孝治
北村太路
隅の老人B
吉川慎耶
もず
癇癪老人
伊達 悠
はFM使用解答

解答者数 8名 うち全題自力正解者 5名