第1回・どこにも出せない普通詰将棋作品展 第8番
出題:6月1日 たくぼんの解図日記
作者: 利波 偉
命名:春棋会に捧ぐ
【詰手順】
▲5五と寄 △同 銀 ▲同 と △同 玉 ▲6五と引△同 銀 ▲同 と △同 玉
▲7五と寄 △同 銀 ▲同 と △同 玉 ▲8六銀 △6五玉 ▲7六銀 △5五玉
▲6六銀 △4五玉 ▲3六金 △5六玉 ▲4六金 △6六玉 ▲5六金 △7六玉
▲6六金 △8六玉 ▲7六金 △9六玉 ▲9四飛 △同 桂 ▲8八桂 △9五玉
▲1五飛 △8四玉 ▲9六桂 △9三玉 ▲8五桂 △8二玉 ▲8一と右△7二玉
▲7一と右 △6二玉 ▲6一と右 △5二玉 ▲5一と右△4二玉 ▲4一と右 △3二玉
▲3一と右 △2二玉 ▲1三成香 △同 馬 ▲2一金 △1二玉 ▲1一金 △2二玉
▲2一と △3二玉 ▲3一と左 △4二玉 ▲4一と左△5二玉 ▲5一と左 △6二玉
▲6一と左 △7二玉 ▲7一と左 △8二玉 ▲9三角 △同 金 ▲8一と左 △9二玉
▲9三桂成△同 玉 ▲8三金 △同 玉 ▲8五飛 △7三玉 ▲7二と △同 玉
▲8二飛成 まで 81手詰
作者の言葉(投稿時)
春棋会というのは今から30年位前に柳原裕司さんが作った会で、私は最初から同人として参加し、後には飯田繁和氏・伊藤正氏・大西宏明氏等のビックネームも加わった。最初は柳原氏が代表で私が引き継いだりもした、でも5年くらいで終結した。それは、柳原氏が社会人になり、私は受験になり編集長をやる人材が居なくなったことと、五年くらいが矢張り区切りだったからにも思う。その最終号に載ったのがこの作品で、結果発表も当然無かった。当時の作品は余詰があって今回修正したが、非限定やキズもあって、雑誌にはとても投稿できないし、またそういったレベルの作品では無い。 今回陽の目を見せて、十代のころの詰将棋人生について清算したいので投稿しました。 しかし時が流れて、今も詰将棋会に春棋会出身でいるのは、伊藤正さん(は詰将棋の詩出身だけど)と岡本正貴さんくらいで、時の流れと趣味でも継続することが如何に難しいかを感じさせられました。
★作者・利波さんは詰パラ6月号の表紙に登場されました。私より5つもお若い。
また名前の読み方も初めて分かり。表紙って偉大だなあと思った。(あんまり関係ないか)
私は「としなりはじめ」と読んでいましたが、全くの誤読でした。
氏はネット上でよくコメントされるので、私も含め助かっている運営者の方も多いでしょう。
思っていることをズバズバ言われるのは、私のように小心者には出来ないので羨ましい限り。
春棋会というのも名前は聞いたことがありますが、まったく詳細は分かりませんでした。
是非ともブログで成り立ちや活動内容・エピソードなど書いていただいたらと思います。
柳原さんや伊藤正さんや岡本正貴さんとはすばらしいメンバーですね。柳原さん元気にされているんでしょうか?
作品も序盤で、と金2枚と銀を交換し、取った銀を連打して右に追い、次には一転金で左に追います。この時、銀が取られていくのがユーモラス。
そこから飛を切り下に追い落としてと金送りで右辺へ追う。1三金を奪い角を取ったら再びと金送りで左に追い収束です。
今回の作品展で何作かあるまさに楽しめる趣向作。非限定やキズがあってもいいじゃないですか楽しめれば・・・
そんな声が聞こえてきます。時代も感じる見事な趣向作で第1回の本作品展も幕を閉じます。
短評
加賀孝志 | ||||
楽しい駒送り、と金の動きがユーモア。私は作品は難易より解いて楽しければよいと思う。 作者も言われていますが、こんなコーナーを是非詰パラに作ってほしいものです。(私は担当はやりませんが) |
遊星人 | ||||
パラ誌の表紙作を拝見するまで、名前の読み方が判らず、自分だけの勝手読みで「利―り、波−ば、偉−い」さんと読んでいた。そう、「りばい」さん。これには、それなりの訳がある。利波さんの作品やコメントを読んでいると、かなり辛辣で鋭い。そんなイメージから三国志で有名な「司馬仲達=しばい」を連想していた。「しばい」=「りばい」です。「しばい」は晋国の開祖とも言える英傑。(諸葛孔明の好敵手)利波さんも詰将棋界の中堅として大いなる活躍を期待しています。作品は全駒使用の力作でした。 「りばい」さんとはペンネームで使えそうです。リバイアサンという映画もありました。これは関係ないか。 |
隅の老人B | ||||
寄せては返す大波小波、楽しく解図です。 「若い頃は良かった」、いつの時代にも年寄りの言う言葉ですが、 リバイさんも同じかな。「私は未だ若いよ」ですね。 若さに任せて、一気に作図。「今なら、こうだな」と振り返ってみても、 遠い昔へは帰られない。 「悔悟の気持ちは尊いが、またすごすごと戻る泥濘の道」になりませんように。 先輩の言葉には耳を傾け、心したいと思います。 |
DISABLED | ||||
全駒が盤上にあるだけで参ってしまいました。並べて打った銀を飛と金のコンビネーションで次々と消してゆくところには作者の腕を感じました。 私は全駒だと合駒読みが少なくてラッキーと思っちゃいます。 |
利波偉 | ||||
自作。古色蒼然たる作品で誠に恥ずかしい作品です。でも私の当時の詰将棋をつくるコンセプトは、解いた人を楽しませることでした。(最近は、何か一つ狙いを入れることを心がけている)古典的な趣向ながら楽しさはあるとは思います。今回一流の方が解答して評を見れるのでしょうから、この作品もうかばれるというものです。 私も同感です。最近は狙いがよく分からない作品が多いように思えます。コンピューター発展のせいでしょうか。 |
小峰耕希 | ||||
確かに春棋会出身の方は殆ど存じ上げません。というより会の存在自体初めて知りました。 まだ生まれてないですからね。私も良く知らないくらいですし |
おかもと | ||||
「春棋会会報」の最終号をひっぱりだして原図を見てみました。何もかも皆なつかしい… なんて沖田艦長のセリフじゃないけど、いや、こんなことをやっていた時代もあったのですね。この作品については、下段に落としてからのと金ずらしがもう1往復できれば、というところでしょうか。 メンバーのおかもとさんですね。この作品のおかげで解答いただいたようですね。ミニ同窓会ですね。 |
KUMA | ||||
このような趣向を連結する作品って思ったよりないように思います。そういう意味では貴重なのかも。手順もあっさりしていて解いて楽しかったです、私でも解けたし。 皆さんに解いて頂き楽しんでいただく。良いですね〜。 |
風みどり | ||||
時間切れかと思ったが、とても易しくて助かった。確かに現代では厳しい評価になるかもしれないけれど、このような易しくて楽しい長編の需要もあると思うのですけどね。 あります。あります。今回皆さんの評を読んで本当にそう思いました。 |
冬眠蛙 | ||||
目で追える楽しい趣向作ですね。こういう作品好きです。 冬眠蛙さんも是非お願いします。 |