第1回・力試し?普通詰将棋出題 解答発表!

出題:5月3日 たくぼんの解図日記

作者:遊星人  詰手数 87手


【詰手順】
▲9四香 △9三飛 ▲8二金 △同 玉 ▲7一馬 △7三玉
▲6二馬 △7四玉 ▲7六飛 △7五桂 ▲8四馬 △同 玉
▲8六飛 △8五角 ▲7六桂 △7三玉 ▲6三金 △同 角
▲8二飛成 △6二玉 ▲6三銀成 △同 玉 ▲7二角 △5三玉
▲9三龍 △同 香 ▲6三飛 △4四玉 ▲6四飛成 △3三玉
▲4五桂 △2三玉 ▲3三金 △同 銀 ▲同桂成 △同 玉
▲3四銀 △2四玉 ▲2三銀成 △同 玉 ▲4五角成 △3二玉
▲2二と △同 玉 ▲2四龍 △3一玉 ▲3二歩 △4一玉
▲4二歩 △3二玉 ▲3三歩 △3一玉 ▲4一歩成 △同 玉
▲3二歩成 △同 玉 ▲2三馬 △4三玉 ▲3三馬 △5二玉
▲5四龍 △5三角 ▲6四桂 △6二玉 ▲5一馬 △7一玉
▲6一馬 △同 玉 ▲6三龍 △6二角打 ▲5二桂成 △7一玉
▲6二成桂 △同 角 ▲7二歩 △8二玉 ▲7一角 △同 角
▲9三香成 △同 桂 ▲8四香 △9一玉 ▲9二歩 △同 玉
▲8三龍 △9一玉 ▲8一龍 まで87手詰

作者の言葉(投稿時)

「囲いで思い当たる自作がありますが、どこへも投稿できません。添付しますので、解図ソフトで解いてみてください。
命題、"傷だらけの人生" 作品集にはあります。

★第2回詰四会の課題に呼応して詰四会報に送って頂いた作品です。残念ながら詰四会作品展には発表できませんでしたが、
このまま埋もれさすには惜しいので、詰四会報に掲載させて頂きました。しかし見れば見るほど、皆さんにお見せしたくなり急遽、
第1回普通詰将棋出題ということで発表させていただきました。ご了解頂きました遊星人さんには感謝です。

【作者コメント(詰四会報・解答時)】 

「"傷だらけの人生"、人の目に触れられた事で満足をしています。少しだけ補足すると、デパート3が原図です。
紛れで出てくる、93飛合いを使いたいと今川さんと話している内に、数日で"傷だらけの人生"になりました。
手順前後は修正不可なので、投稿は出来ません。"投稿を目的にしない創作の遊び"です。

詰将棋パラダイス 2007年1月号 詰将棋デパートB
千葉県 遊星人 作

 
【詰手順】
 
 8四桂 同金 8二金 9三玉 9五香 8二玉 7一馬 7三玉
 7五飛 同金 6二馬 7四玉 8四金 同歩 6三馬 まで 15手

 この作品の3手目の8二金に変えて9五(9四)香と攻めると9三飛合が唯一の合駒で不詰
 この筋を作品にしたのが"傷だらけの人生”です。

今回の出題に際しての作者の言葉


「傷だらけの人生」

偶々、私信に添付しただけの作品が思わぬ展開で人目に触れ、

嬉しい思いをさせて頂きました。

作家は自作だけに適用する「こだわり」を持っ。 

私の「こだわり」とは、手順前後を許さない。

非限定の駒交換と、玉方応手を許さない、など。

他人の作品では気にも留めないのに、何故か自作では許せない。

  「こだわり」とは不思議なものだ。

 
「馬鹿は死ななきゃ治らない」こんな作家は、私一人に願いたい。



★詰パラ1月号のデパートに発表された図の2手目9三飛の紛れを作意に昇華させたのが本作。
それにしても飛合〜75桂跳ねとは素晴らしい手順です。この順で作品を創りたいと思うのは当然でしょう。
中盤も一筋縄ではいかない手順が続きます。とくに34銀〜23銀成は難手です。
一目2四銀の方が筋が良さそうに見えますね。そして続く2三銀成!。
その後の右上での歩打〜歩成のやり取りなど目を見張る順が続き最後は91での雪隠詰。
玉の大移動・この駒の捌け具合・・・も印象に残ります。この実戦形から指将棋の手数並みの87手の傑作。
作者のこだわりには、口は挟めませんが、ここで発表できたことは良かったと思います。

解答者 3名!

解答者(コメントのみを含む)は3名でした。作者の予想は3〜5名位かと言われていましたが、
私はもっとあると予想していたのですが、まだまだネットでは難しいのかな。

ともあれ解答・コメントを頂きました3名の方には感謝いたします。

冬眠蛙:

94香、93飛、82金、同玉、71馬、73玉、62馬、74玉、
76飛、75桂、84馬、同玉、86飛、85角、76桂、73玉、
63金、同角、82飛成、62玉、63銀成、同玉、72角、53玉、
93龍、同香、63飛、44玉、64飛成、33玉、45桂、23玉、
33金、同銀、同桂成、同玉、34銀、24玉、23銀成、同玉、
45角成、32玉、22と、同玉、24龍、31玉、32歩、41玉、
42歩、同玉、43歩、32玉、23馬、43玉、33馬、52玉、
54龍、53角、64桂、61玉、51馬、71玉、61馬、同玉、
63龍、62角打、52桂成、71玉、62成桂、同角、72歩、82玉、
71角、同角、93香成、同桂、84香、91玉、92歩、同玉、
83龍、91玉、81龍迄75手。

え〜と、正直に書くと誤解しました。24龍、31玉のところで32歩、41玉、42歩、
同玉、43歩、同玉、34馬、32玉、33龍、41玉、51歩成、同玉、53龍、41玉、
42歩、31玉、51龍、22玉、23歩、12玉、11龍、同玉、33馬、12玉、22馬迄。
34馬に54玉で綱渡りで逃れているのが盲点でした。手順前後って?と思って柿木
で調べてみて愕然としました。…ので正解カウントはしないでください。ああほんとにがっかり。
何ががっかりしたって、作意の収束を味わえなかったこと。まさか左に戻って詰むとは
!手順を見るだけでも感心するのに、自力で解けたら本当に感動できただろうになあ…
。まだまだ修行が足りません。

誤解箇所に至るまでの手順も感心しきりでした。まずそもそも76飛、75桂のときの
84馬〜86飛に気付かず、3手目83銀成〜84桂の紛れに迷い込み、やっと辿り着
けば角合の利きに悩まされました。最初は76桂、73玉に65桂と一本効かすのがう
まそうに思えたのですが、ちゃんと81まで角が利いていて逃れ…。
あとは33で精算して34銀から23銀成もやりにくく、64飛成、33玉に34金か
ら43歩としてだいぶ悩みました。また、23銀成に上に逃げたときに龍追いで1歩使
わないといけなそうに見えて歩が不足したり…。
考えどころが多く、局面打開の快感をそこかしこで味わえました。最後の手順前後は確
かに惜しいですが、ほとんど気にならないです。たくぼんさんには失礼ですけど、パラ
で発表しても相当な高評価だろうに、ちょっと勿体ないなあ…と思いました。誤解はし
ましたが、とても楽しめました。またの出題を心よりお待ち申し上げます。
ではでは。

とみなが:

持駒が歩4枚になった時は、間違えているのではないかと、正直焦りました。
8八歩は仕方ないとは思いますが、1三歩は残したくないですね。
しかし上手く収束がまとまってます、7一同角が成程と思いました。

岩田俊二:

私は解くほうは全く不得意ですので,柿木将棋[で鑑賞した感想です。
香打に効きをつくる飛合から桂の移動合いで効き通し。もう一度効きをみた角合。
このへんまでが主題で,あとは収束でしょうか。
前半だけなら私でも作れそうな気がしますが、全体的にまとめるのが難しいのです。
この後をまとめてしまう力がとてもすごいです。

【正解者】 とみながさん  1名!

★本作が起因して本日第1回どこにも出せない普通詰将棋作品展を開催しています。
 そちらもよろしくお願いいたします。