第2回・最悪詰作品展 第12番

出題:6月15日 たくぼんの解図日記

作者:北村太路  最悪詰 29手


【詰手順】

▲1七香 △2五玉 ▲3七桂 △3六玉 ▲4八桂 △3五玉
▲2七桂 △4四玉 ▲3六桂 △5三玉 ▲4五桂 △6二玉
▲5三桂成 △7三玉 ▲6三成桂 △同 玉 ▲6四歩 △5四玉
▲4六桂 △4三玉 ▲3五桂 △3三玉 ▲4三桂成 △同 銀
▲4四桂 △3八角 ▲同 香 △同 と ▲2二角 まで 29手詰

★今回も登場北村さんの超難解作。
 桂4枚を駆使して詰型を作るわけですが、これは初形からは全く予想もつきません。
 4桂詰なんかをイメージしたら絶対解けないでしょうね。

 とりあえず最悪詰の解図の公式手順の先手の手を限定させるという方法で進めると、

17香、25玉、37桂、36玉、48桂、35玉、27桂、44玉、36桂とここまでは進みます。


ここで後手の選択肢は5つ。
そのうち43玉、53玉、54玉の3つが先手の手を1つに限定させる手になっています。
これを詰上型も予想できないのに選択するのは相当難解です。3筋の桂を捌いていくという感じは
分かりますが、手順の順序の選択も数多くあり一筋縄ではありません。
作意は53玉と落ち、45桂、62玉、53桂成、73玉、63成桂、同玉と外に追い出す順で、
これは絶対普通に考えても出てこない意表の順だと思います。
64歩に54玉と上がり46桂と跳ねさせるのもポイントです。早めに46桂とすると、62玉と落ちた時に、
54桂が生じます。33玉型にして44桂と香筋を通せば詰型が見えてきます。桂ばかりが頭にありますので、
序盤からは想像もつきませんが、ここまで来れば角合は分かると思います。

それにしても難解な作品で、正解者は、作者以外に2名だけでした。



短評

橋本孝治
北村氏の創作力をもってしても4枚桂追いは難しかったようですね。第5番のような収束を利用して、桂が跳ねる回数を増やしたいところですが、やっぱりすごく難しそう…。創作も難しいですが、本作は角で詰める収束が意表を突いていて、解答する側にとっても難しい作になっています。
★4桂追いは桂の跳ねる方向を限定せせるのが大変ですので、創作の難易度はかなり高いでしょう。
隅の老人B
全く解けない、見事な完敗。
真T
無解です。詰む形を一つも見つけることが出来ませんでした。残念。
小林看空
最初四桂詰かと思い悩む。王手を狭めていく手法は最悪詰ならでは。
★その方法でもなかなか正解にたどり着けない。
北村太路
最悪詰に対する自分の投了。やりたいところの半分もいかない部分を抜き出して検討。自分の力では検討できないし、自分の貧弱なPCではここくらいが検討の限界。いつも七郎さんの手をわずらわせるわけにもいかないし。ということで最悪詰の可能性はすごく大きそうですが自分がたどり着けるのはこの辺りが限界。また、昔のバージョンではworst1で検討できたのですが、今の版では検討できなくなってしまいました。のでC+マークが付いているのですが、自分では現在大丈夫なのかどうか疑問に思っています。最近PCの調子もよくないのです。
★worstの性能が上がれば、可能性は広がるでしょう。その時の北村さんの作品は楽しみでもあり恐ろしくもありですね。