第3回出題・解説編

【第63881回出題(2005/9/14)・解説編】

こんにちは、たくぼんです。この3日間、アンチキルケにどっぷり浸っていました。
頭の切り替えが間に合わない感じもしますが1週間のご無沙汰でした(古〜)
第3回出題の解説を始めましょう。
今回の作者は期待の新人・小峰耕希さんでした。
(そう言えば私も今年のパラ6月号がデビューですから新人ですよ・・・うんうん)
今回の解答者は14名で過去最高。皆さんありがと〜〜う。

第3回出題 ばか詰 27手 小峰耕希 作 正解者 14名63893

20050914074902.gif

<作者の一言>

 僕のフェアリー第1作が、たくぼんさんの好意で出題して貰えました。
 手順の方は単純極まる内容なので、楽しく詰めて頂ければと思います。

【詰手順】

2九と 同玉 3九と 同玉 4九と 同玉 5九と 同玉 6九と 同玉 7八銀 同玉
8九銀 6七玉 7八銀 5六玉 6七銀 4五玉 5六銀 3四玉 4五銀 2三玉 3四銀 
1二玉 2三銀生 1三玉 1四と まで 27手

【詰上図】

20050922082835.gif

【解説(のようなもの)】

 一筆書きで絵を描くような玉の軌跡を見せる作品です。
 まだまだ素材の域を出ていないかもしれませんがこれはこれでオンリーワン。
 世界に一つだけの花ですね。
 このような作品だからこそ楽しんでいただける解答者の方がいるだけで充分でしょう。

 2二歩一枚で玉の軌道を限定させているところなどもキラリと光ります。

 作者にはもっともっと素晴らしい作品を創る素質は充分にあると思いますので、
 いろんなことにどんどんチャレンジしていって欲しいと思います。
  
 今回の解答者の皆さんの短評は、本当に心に沁みるものばかりです。
 私からもお礼を申し上げたいと思います。

 それでは、いつものように解答者の声を・・・(到着順)

橘 圭吾さん 9/14 12:33

銀の単騎追いが狙い?活動玉が狙い?
どちらでももう少し練ってみると面白いかと思います。

今回の解答一番乗りは、橘さんです。初めての方ですね。今後ともよろしくお願いします。
今回はアップ時間を意表をついて朝の8時過ぎにしました。気まぐれなんですね。


金子義隆さん 9/14 18:21

目で追っているうちに詰みました。1分かかっていないと思います。
何にせよこの手数は大したものです。
私は小林看空さんがフェアリーランドを担当なさっていた頃、ばか詰一局、
打歩ばか詰一局投稿した記憶がありますが、どちらも潰れて返送されました。
ガッカリして、その後は伝統ルールの作図しかしなくなりましたが、あれが
潰れずに掲載されていたら、今頃はフェアリー作家になっていたかも。
本局は易しいけれど、新鋭にエールを送りたいと思います。いろいろな分野
に挑戦して、進むべき道を探り当てて下さい。

若いですからいろいろな事にチャレンジするのは将来絶対に損は無いと私も思います。
しかし今の普通詰将棋界で金子さんの詰将棋が見られるのは看空さんのおかげですか〜。
フェアリー界にとっては”看空さんのせい”ですか〜(笑)。
いやいやフェアリー界はまだ待ってますよ金子さん〜。
小峰さんがこのまま大成されたら”私のおかげ〜”(陰の声:自分が早く大成しろ!)


太郎@神無一族さん 9/14 21:09

解図時間:手数を数えながら10秒くらい

原図の雰囲気を残しつつ改造してみました。
ポイントは玉の軌道の最大化。
駒取りが入りましたが、収束の連続銀生・詰上り孤立駒なしでよしとします。

ばか詰 31手

20050921200934.gif

改造時間:fmで確認しながら30秒くらい

解図から改造まで1分かかってないですね。すごいです。
小峰さんの作からの改良ポイントは玉の軌道の最大化です。
1九〜8九〜1一までの軌跡を味わってください。
ちなみに小峰図の1八、3八〜6八のと金は歩でも作意は成立します。


もずさん 9/14 22:32

解図時間は3分ほど。収束がなぜか見えませんでした。
余分な要素もなく、素朴で楽しめる作品だと思います。
盤の中を大きく動く玉の軌跡が見どころと感じたのですが
69から78に行くのがショートカットという印象だったので、
その部分を少し変えた図を作ってみました。

ばか詰 31手

20050921202300.gif

もずさんも図を送ってくださいました。着眼点はまさに太郎@神無一族さんと同じですね。
まずさんも同じく8九まで玉を連れてきました。いや〜私も勉強になります。
もずさんは原作に忠実に、太郎さんは太郎色をちょっと混ぜて・・・・。
2人の作風が感じられてそれはそれで興味深いですね。
お2人のアドバイスは「妥協しない」ということでしょうか。
まあこれでいいか〜ではなく、もっと良くならないか、もっとこうできないか〜
を考え実行することが大切ということですね。(耳が痛い)


ぼけ老人Bさん 9/14 10.33

詰パラなら「やさしいフェアリーランド」ですね。
易しく、楽しく、これも大切。

まさに仰せの通りだと私も思います。
そりゃそうと「ぼけ老人B」という名前はちょっと抵抗が大有りなんですが何とかなりませんか?


村田桂花さん 9/14 23:46

手順を目で追うのに要するだけの時間で解けました。
限りなくシンプルですが、しっかり限定されていて悪くないです。
新しい方のフェアリー参入は嬉しい限りです。

シンプルな手順で好感が持てるというのは玉の軌跡が目に焼きつくからでしょう。

のんびりやさん 9/14 23:53

久しぶりにばか詰解きました。歩の配置とかから論理的に解けてうれしかったです^^
ではでは。

こう言う解答はうれしいですね。出題したかいがあったと言うのものです。
また解けたら解答お願いします。


若林さん 9/15 2:05

収束の為の小道具が全て配置されてしまっているので、
解くという意味では非常に簡単。78銀をノータイムで
同玉としてしまうとあとは一筋に追うだけ。
でも、斜めに走る銀はちょっと味が良いですね。
12まで生のまま走る収束があればもっと面白そう。

太郎さん案は2一まで行きました。1二は難しい感じがしますね。
若林さんも斜めに走る軌跡に好感触です。作者も嬉しい一言です。


酒井博久さん 9/15 23:42

詰上りに残る玉方のと金群が虚しく感じられました。
銀の斜め追いによる一気呵成の収束はよいのですが、
序がうまく噛み合ってない気がします。

これはこれで勉強です。8段目のと金が歩だとまた感じが変わるかもしれません。
ただ8段目のと金はどれ一つ省いても余詰みます。と金群にに変わる簡素な
配置があればそれはまた1局でしょう。
小峰さんまだ九州グループ作品展間に合いますよ〜。


橋本孝治さん 9/19 9:01

さすがにこれは一瞬で解けました。つまり「解図時間≒手数を数える時
間」です。
 まだ「作品」というより「習作」という段階なので、あまり細かい改良
提案はしませんが、フェアリーの創作を続けるならば、まず1970年代の作
品群を鑑賞することをお勧めします。才気溢れる作家たちが、創造力と情
熱を込めて、ばか詰という新しい世界を開拓していった跡を振り返れば、
きっとこれからの創作に対する大きな刺激を受けると思います。

う〜ん勉強になる。70年代の作品は私もほとんど知りません。
昔のパラを引っ張り出してみないと・・・


冬眠蛙さん 9/19 17:50

えーと柿木将棋で10秒くらい。という寝ぼけた発言はやめておいて、うーん、3・4
分くらいでした。22歩配置のせいで「33銀34との詰上がりかな」と勘違いしまし
て…。やっぱフェアリーむいてないっす。(笑)
改善案は私なぞが口を出せるはずもありませんが、とりあえず8段目のと金って全部は
要らないんでは…。いや、わからないっすけど。(^^;

え〜要りますね(笑)余詰のほうが探すの難しいですけど。

北村太路さん 9/20 18:07

玉が盤面を左右に動くのを簡潔に描いた爽やかな作です。
作者さんがここで出題しようと思えば、こういうのもありではないかと思います。
これを素材として見れば、すごく発展性がありそうなので、
評を寄せられるみなさんはいろいろいじってみたくなるところでしょうか。
軽快な作を求めるなら付け加えるのは蛇足にしかならないかも。
かなりシンプルな作りなので類作がありそうなのは心配です。

類作はないでしょう。というかこういった作品が発表される場所が無いように思えますね。
シンプルな良さがいい印象です。


小五郎さん 9/20 23:05

初めてにして斜め半分を大胆に使う構想、将来が
楽しみですね。タイムは1〜2分くらい。
2二歩は、なくてもいいのでしょうか??

2二歩がないと余詰ですね。(全部で7解あります)
玉の逃げる軌跡が7七〜6六〜5五〜4四〜3三〜2二〜1三でもOKなんです。
ばか詰って難しい〜〜ですね。


KAMUさん 9/21 22:32

解図時間 5分前後
思ったよりあっさり解けました。どうせなら、19→99→11というような
軌跡になるとかっこいいと思うんですが(難しいか)。今の図は手順と比べると
ちょっと大げさな感じがします。もう少し整理できそうな気も・・・。
図を見て(手数を見ずに)第一感は『8段目の"と金"をどうやってはがそうか』
だったのは、ここだけのヒミツです。

上のほうで「もっと良くならないか〜と考えましょう」とか言いましたが、
もっともっと上を見ている人がここにいました。(笑)
19→99→11ですか〜これはいつもののセリフをいうしかありませんね。
「太郎さんおねがいします」


【最後に】

今回は期待の新人・小峰さんの作品でした。新しい方がどんどん出てくるのは
とてもいいことです。ベテラン人の良い刺激になることでしょう。
小峰さん投稿ありがとうございました。