第3回 詰四会フェアリー作品展
はじめに
 第3回詰四会フェアリー作品展の結果発表です。
難解作は無かったと思うのですが、解答者数は10名とやや伸び悩みました。
フェアリーはなかなか難しいです。
ばか詰のみの解答も何名かあり、ばか詰は、相変わらずの人気ですね。
 今回の課題は普通詰将棋向きでしたので、次回はフェアリー向きの課題をと思ってます。
 (詰四会代表幹事・フェアリー担当 たくぼん)
☆概要☆

出   題:平成19年 9月15日(土)
解答締切:平成19年10月10日(木)
解答発表:平成19年10月13日(土)

本作品展は、正式発表としTOP\の対象となります。
敬称等も略させていただいております。ご了承ください。

ルール説明に関してOFMのルール説明をそのまま記載しております。(七郎さんすいません)詳しいルールはそちらをご覧下さい。

第3回詰四回フェアリー作品展(PDF版)
第1番 神無太郎 作

PWCばか自殺ステイルメイト 84手 正解者5名



【ルール説明】

PWC:取られた駒は取った駒が元あった場所に復元する。
ばか自殺ステイルメイト:先後協力して最短手数で、攻方の王を王手は掛かっていないが、合法手のない状態にする
*先手王はありませんが、先手が指す手が無い状態にしてください。

【詰手順】

59歩 57玉 58歩 56玉 57歩 55玉 56歩 54玉 55歩 53玉54歩 52玉 53歩生 51玉 52歩生 同玉
「53歩 51玉 52歩生 同玉」×17 まで 84手

【作者のコメント】

次の JEWEL BOX 用かなと思っていましたが、
あまりにも第3回の詰四会の課題の「清く涼しい作品」にぴったりだったので。
なお、fmでのチェックはできていません。

★ルール名と手数を見て手を上げた方もいらっしゃるかもしれませんが、考えようによっては実は簡単だと思います。
 ばか自殺ステイルメイトとは先手の指す手が無い状態にします。本作でいえば持駒の歩を全て消してしまえばいいのです。
ではどうすれば歩が消えるか?
PWCは別名交換キルケといい取られた駒は取った駒が元あった場所に復元するのでなかなか駒が消えません。
歩であれば、復元場所が2歩になるか行き所の無い箇所になる場合に取った方の持駒になり盤面から消えることになります。
本作の場合は、後者の行き所の無い箇所になる場合に相当します。詰手順の「52歩生 同玉」の部分がその部分。同玉と取ったとき本来なら51歩と復元すべきですが、これが行き所の無い駒になるため復活出来ず、後手の持駒となります。本作ではそれを繰り返すことにより持駒の歩を全て消去することが出来ます。ちなみに成ってしまうと詰んでしまうのでご用心。
たとえば2歩を利用として消去を考えれば、59歩、57玉、58歩、47玉、48歩、58玉(ここで1歩消える)といった筋ですが、最後1枚が消えません。
しかし読まない紛れは、かなり多いのでFMで完全検討が出来ないんでしょうね。

【短評】

癇癪老人
 
 「歩を2枚並べると最後の1枚が消えない。みごとに化かされました。」

橋本孝治

 「持駒歩だからこそできる単玉での全消去。香や桂ではこうはいきません。」

香箱

 「解けてしまえば至ってシンプル。」

★これが本作を一番理解している短評かも

真T

 「一目では解けませんでした。」

隅の老人B

 「手数でギブアップ。それに加えて、ル−ルも忘れた。ボケもここまで来ると楽しいね。」

★答えを見て唖然とするかも。

小峰耕希

 「これはあくまで素材・共有財産手順で、ルールを理解しさえすれば誰でも思い付く図です。むしろここからどう展開するかにこそ意味がある筈ですが…。」

★裸玉で纏めたという点で存在価値が充分ありと思います。共有財産は歩を消去する手順だけでしょう。
第2番 神無太郎 作

ばか詰 5手(2解) 正解者10名



【ルール説明】

ばか詰:先後協力して最短手数で、受方の玉を詰める 。
*2解ともお答え下さい。

【詰手順】

 A: 3三飛生 3二金 同飛生 4一玉 4二金 まで 5手

 B: 3三飛成 2一玉 2四龍 1二玉 1三飛 まで 5手

【作者のコメント】

初手の対比だけでかなり弱いですが2解ものです。

★単体で見たら普通の手順ですが、2解ということで初手の成と生の対比が見せ所の2解問題でしたが、余りにも手順が普通すぎてイマイチな評価でした。なお初形飛一式図式に言及されたものはありませんでした。
しかし解答者全員正解は本作のみ。見事に客寄せの役目を果たしていただき私は感謝しております。

【短評】

癇癪老人
 
 「なし」

橋本孝治

 「解くのは簡単ですが、2解にした意味が不明。」

凡骨生

 「成ると成らずでは手順が変わる将棋の面白さですネ。」

香箱

 「成るもよし、成らぬもよし。」

★初手はどっちかですが、どっちも正解ですから楽ですね

隅の老人A

 「これも、ツイン作品と呼べるのでしょうか?爽やかで、楽しく遊べました。」

真T

 「成と生の対比ですね。」

隅の老人B

 「ものも言いよう、余詰は2解。それでも楽しく考えた。」

★ふふふ。でも余詰っぽくない手順です

小峰耕希

 「"成"解が気付き難い。」

飯山 修

 「客寄せ用。これで回答可能になりました。

加賀孝志

 「私は2解は、1つは余詰と解釈しています。両方共素晴らしい手筋とは思えないので」

★郵便解答で本作のみの解答でした。
第3番 真T 作

PWC成禁ばか詰 9手 正解者5名



【ルール説明】

ばか詰:先後協力して最短手数で、受方の玉を詰める 。
PWC:取られた駒は取った駒が元あった場所に復元する。
成禁:駒を成る手を禁止する。

【詰手順】

 59飛 58歩 同飛 47玉 48歩 38玉 39歩 49玉 59飛
 まで 9手。


【作者のコメント】

狙いは二歩のための歩合です(北村手筋?)。作者としては香合を一瞬でも読んでもらえれば満足です。

詰上図



★出題作がほとんどヒットの作者ですが、本作も簡単ながら見事な狙いを持っており好評でした。
 PWCは端の方が詰みやすいので玉を端に持っていきたいと考えれば5九飛は思いつくでしょう。可成地域から飛を打つのはいかにも限定できなさそうですし成禁ですから意味が無いですね。
 そして2手目の58歩が狙いの一着。ここが香合ならどうなるかというと、上の詰上図の48か39の歩のどちらかが香なので、最終手59飛に対して39玉/49歩(香)で不詰です。48と38の駒が共に歩であれば、最終手59飛に対して39玉/49歩が2歩の為出来ず詰んでしまうのです。というわけで2手目は二歩にするための歩合という高級手筋でした。

【短評】

癇癪老人
 
 「成禁の意味はわかりませんでした。」

★余詰防止でしょう。下手に余詰防止駒を置くよりすっきりしますね。

橋本孝治

 「2手目の意味付けが秀逸。PWCは成を許可すると簡単に詰んでしまうので、成禁と組み合わせたのも納得。これなら裸玉で高級手筋を発掘できる可能性がありますね。」

★PWCはかなり詰みやすいので成禁がベストパートナーではないかと私は思っています。

香箱

 「成禁でなければ53飛、47玉、57飛成、38玉、39歩、49玉、59龍ですね。」

隅の老人B

 「最後の一手が愉快。故鶴田主幹なら、"取るに取られぬ、魚屋の猫"と来る。」

小峰耕希

 「成禁で詰ますには駒がもう1枚必要と気付くかが解図の鍵。僕にとっては今回の最難問でした。」

★ベストの解法ではないでしょうか。
第4番 たくぼん 作

偶数手ばか詰 12手 正解者7名



【ルール説明】

偶数手ばか詰:後手より始めて先後協力して最短手数で、受方の玉を詰める。

【詰手順】

 37金 29歩 27玉 28歩 17玉 29桂 16玉 17歩 
 25玉 37桂 15玉 25金 まで 12手

★これも例題用に創った(見つけた)ものですが、投稿が少なかったので緊急当番でした。詰四会で何人かにお見せしましたが、意外と考えられた(初手のみですが)ので意外と難しいのかと思いました。しかし猛者連には一瞬だったようです。

この後神無太郎氏より偶数手ばか詰裸玉の絨毯爆撃が実行され全て解明されました。以下そのリストです。
完全作は25作。最長は何と本作でした。(偶然ですが驚きました)
ちなみに太郎氏の私的ベスト3は、25、20、23だそうです。
私は4手も凄いと思います。

偶数手ばか詰裸玉完全リスト
(神無太郎)

No. 玉位置 持駒 手数
1 37玉 金2 4
2 12玉 6
3 19玉 6
4 21玉 6
5 27玉 6
6 28玉 6
7 29玉 6
8 48玉 金桂歩 6
9 49玉 金香2 6
10 57玉 6
11 15玉 桂歩 8
12 15玉 桂2 8
13 16玉 桂歩 8
14 16玉 桂2 8
15 17玉 桂歩 8
16 17玉 桂2 8
17 35玉 桂2 8
18 36玉 桂2 8
19 37玉 桂2 8
20 58玉 8
21 18玉 桂2歩 10
22 38玉 桂2歩 10
23 41玉 10
24 48玉 桂2歩 10
25 28玉 桂歩2 12

【短評】

橋本孝治

 「質駒配置の手筋(勝手に命名)ですね。たぶん、中段あたりに玉を持ってくれば、飛の質駒を置くような作もできると予想します。」

★裸玉では無かったようです。

香箱

 「桂跳ねの味がよい。」

隅の老人A

 「下段まで追うのは12手で間に合わない。最短で金を手に入れることを考えたら詰みました。」

真T

 「初手47に打ちたくなります。」

隅の老人B

 「アッパッパの裸、続いて金。涼しいのは分かるけど、とても清いとは言えませんね。」

★おいおい。

小峰耕希

 「この持駒+1枚で最初に思い付く詰上りなので易しかった。」

飯山 修

 「27飛で28桂をとらせる順ではどうしても足りない事が判るまで手間取りました。
総評&解答成績

総評

癇癪老人
 
 「やはり4題では物足りないですね。創る方には頑張ってもらわないと。」

★皆さんよろしくお願いします

橋本孝治

 「今回は第3番が収穫。月末になると"氾濫27"関係でばたばたしそうなので、今のうちに解答を出しておきます。」

★橋本さんいろいろ大変ですね。頑張ってください。氾濫27楽しみです。

凡骨生

 「フェアリーはばか詰しか解き得ません。他のルールは頭の固い爺にはチョット…。」

★凡骨生さんから初解答です。今後ともよろしくお願いします。

隅の老人A

 「@、Bは勉強不足でルールが分かりません。解けた?A,Cだけ、おくります。2題の解答でも、何とか形になりました、ヤレヤレです。」

★解けたものだけの解答感謝です。もっと増えるといいな

隅の老人B

 「フェアリ−は難しい。いつも考える前にル−ルブックを開く。なんだか、ややこしいことが書いてある。鼻からずり落ちそうな老眼鏡で、ル−ルの確認。再度の挑戦、解けない、気力も減退、ギブアップの多いこと。大山名人曰く、"勝率は6割でOK"4題で3問解けた、7割5分、リッパ、リッパと言い聞かせている。」

★Bさんの全体の勝率はそんなものではないでしょう。優に9割5分は超えてますよ。

小峰耕希

 「低調感は否めませんが、気に入った順に並べると3=4>2>1です。」

★3=4は????

飯山 修

 「本日締め切りの回答、やや遅いですが出来た分だけ送ります。

★初解答ありがとうございます。今後もよろしくお願いします。

【全題正解者】

癇癪老人、橋本孝治、香箱、小峰耕希、真T

【3題正解】

隅の老人B

【2題正解】

隅の老人A、飯山 修

【1題正解】

凡骨生、加賀孝志